新型インフルエンザの大流行(パンデミック)への警戒、国立感染症研究所では、発生すれば日本で17万〜64万人が死亡するとも推定される「新型インフルエンザ」で、鳥インフルエンザウイルスの変異による「新型インフルエンザ」の流行に備え、企業が感染予防に向けた行動計画づくりを急ぎ始めた。 食料備蓄から自宅待機まで幅広い対策が検討されている。だが、まだ1割程度の企業に止まっており、スペイン風邪以来の深刻な感染になるとして研究者らは大流行(パンデミック)への警戒を呼びかけている。国内での発生後に人々が外出を自粛すると、患者数を大幅に抑えることができるとの試算した。
新型インフルエンザが発生すれば人間には免疫がないためパンデミック(大流行)になるといわれ、感染拡大対策の柱の一つに、外出制限がある。厚生労働省の新型インフルエンザ対策ガイドライン改定案は、国内で患者が1人でも確認されたら、発生した都道府県単位で学校を休校にし、コンサートなどのイベントの開催や混雑する公共交通機関の利用の自粛を要請することを盛り込んでいる。
企業はガイドラインをもとに、感染予防の行動計画をつくるとともに、工場の一定期間の停止、自宅待機など人員計画も盛り込んだ「事業継続計画(BCP)」を策定する。 警戒水準は、 「1」(ウイルスの国内流入を阻止する海外発生期) 「2」(国内での感染拡大をできる限り抑える国内発生期) 「3」(健康被害を最小限に抑える感染拡大・蔓延・回復期) 「4」(社会機能の回復に備える小康期)の段階に分けた。 ほかに「未発生期」を設けた。それぞれの段階でとるべき対策の骨格を規定している。 流通大手のイオン・グループでは、流行時には(1)レジでの釣り銭の交換をなくし、ウイルス伝播を減らす(2)感染に弱い幼児らが訪れる子供服売り場をまず閉鎖する(3)スーパーでは店内よりも換気のいい店外で商品を販売する−など具体策を取り入れている。