2013年F1世界選手権は、いよいよヨーロッパラウンドに突入した。第5戦スペインGPの決勝レースがまもなくスタートする。
セッション開始前の気温は20℃、路面温度は36℃、湿度47%で晴れ、ドライコンディションとなっている。
ポールポジションはロズベルグ、その隣にチームメイトのハミルトンが並び、メルセデスがフロントローを独占している。2列目にヴェッテルとライコネン、3列目にアロンソとグロージャンが控える。
予選で他車の進路を妨害したとして、マッサとグティエレスが3グリッド降格のペナルティを科されており、マッサが9番グリッド、グティエレスは19番グリッドからのスタートとなる。
日本時間午後9時ちょうど、フォーメーションラップがスタートした。ビアンキ、チルトン、ピックの3台がハード、他のクルマはすべてミディアムタイヤを履いている。
このレースのDRSゾーンは2カ所。ホームストレートと、ターン9からターン10にかけてのストレートとなっている。
ヴェッテルが、「前のメルセデスがあまりにゆっくり走っている」と無線で不満を言っている。
各車グリッドにつき、準備が整った。シグナルが変わり、レースがスタート!
メルセデスの2台がポジションをキープして飛び出す。
しかし、1コーナーに入る前にヴェッテルがメルセデスに割って入る。
さらに3コーナーまでにアロンソがハミルトンをかわし、3番手に浮上。2台のメルセデスの間にヴェッテルとアロンソが挟まる形になっている。
この間にマッサも順位を上げ、現在7番手。
1周を終えたところでの順位は、1位ロズベルグ、2位ヴェッテル、3位アロンソ、4位ハミルトン、5位ライコネン、6位ペレス、7位マッサ、8位スーティ ル、9位グロージャン、10位ディ・レスタ、11位ウェーバー、12位ヴェルニュ、13位ヒュルケンベルグ、14位リチャルド、15位マルドナド、16位 グティエレス、17位バトン、18位ボタス、19位ファン・デル・ガルデ、20位チルトン、21位ビアンキ、22位ピックとなっている。
3周目 ビアンキがピットイン。マッサがペレスをかわして6番手に浮上。
4周目 トップのロズベルグから6位のマッサまでのタイム差は3秒位内で、隊列が詰まったままの走行となっている。
ここでスタートのリプレイ。ハミルトンがいいスタートを切ったが、ターン1に入る手前のブレーキングでタイヤスモークをあげ、そこにヴェッテルが飛び込んできている。両車は接触しそうになる場面もあったが、ヴェッテルがそのままアウトから前に出た。
また、アロンソが非常にいいスタートを切り、前のクルマをうまく捉えている。
6周目 トップのロズベルグと2位ヴェッテルの差は0.6秒、そのヴェッテルと3位アロンソとの差も同じように0.6秒程度となっている。そこから少し離れ、1.6秒後ろにハミルトン、その後ろに張り付くようにしてライコネンが走っている。
7周目 ウェーバーにピットインの指示。
8周目 ウェーバーがピットイン。新品のハードタイヤを選択してコースに戻る。隊列が伸びきっていない序盤でのピットストップだったため、ウェーバーは21番手でのレース復帰となった。
9周目 マッサ、ヒュルケンベルグ、マルドナド、スーティル、ピック、グロージャンがピットイン。
グロージャンはクルマにトラブルがあるらしく、ピットレーンでクルマが止まってしまっている。クルーが駆け寄り、クルマをガレージに入れる。
スーティルのピットストップでもトラブル。ブレーキからスモークが上がっており、ピット作業にかなり時間がかかっている。
10周目 アロンソ、ハミルトン、ディ・レスタがピットイン。
グロージャンのトラブルのリプレイ。コース上ですでに右リアタイヤのトラックロッドが折れてタイヤがグラグラしている。接触があった可能性がある。
11周目 ヴェッテルとロズベルグが同時ピットイン。両者ともハードタイヤを選択。
ライコネンもピットストップを行なっており、こちらはミディアムを選択してレースに戻っている。
11周目 マルドナドに対し、ピットレーンのスピード違反でドライブスルーペナルティが出ている。
現在の暫定トップはまだピットストップを行なっていないグティエレス。7番手のバトンもまだピットストップを行なっていない。
12周目 バトンがピットイン。ハードタイヤを選択している。グロージャンは先ほどのトラブルのあとリタイヤしている。
13周目 アロンソがロズベルグを交わして2番手に浮上。トップはグティエレスなので、現在アロンソが実質のトップと考えて良い。
さらにヴェッテルがロズベルグをオーバーテイク。ロズベルグは現在4番手。ハードタイヤがクルマに合っていないように見える。ロズベルグのすぐ後ろにはすでにライコネンが迫っている。
14周目 グティエレスがピットイン。中古のミディアムタイヤでコースに戻る。
マルドナドがピットに入っている。ペナルティをこなしているものと思われる。
14周目 現在の順位は1位アロンソ、2位ヴェッテル、3位マッサ、4位ロズベルグ、5位ライコネン、6位ウェーバー、7位ペレス、8位ディ・レスタ、9 位ハミルトン、10位リチャルド、11位ヒュルケンベルグ、12位ヴェルニュ、13位グティエレス、14位バトン、15位ファン・デル・ガルデ、16位ボ タス、17位マルドナド、18位ぴく、19位チルトン、20位ビアンキ、21位スーティルとなっている。グロージャンはリタイア。
15周目 ライコネンがようやくロズベルグをパスし、5番手に浮上。ロズベルグは前戦バーレーンに引き続き、予選の結果を決勝レースに活かすことができない。
上位陣では、ライコネンのみがミディアムタイヤを装着しており、他のクルマはすべてハードタイヤで走行している。
16周目 リチャルドがハミルトンをオーバーテイクして9番手に浮上。
18周目 トップのアロンソと2番手ヴェッテルとの差が3秒以上に開いている。地元のヒーローが、着々と独走態勢を築くのか。
19周目 リチャルドが今度はディ・レスタを交わして8番手に浮上している。
20周目 ディ・レスタがピットイン。中古のミディアムタイヤでレースに戻る。
リプレイで各車のタイヤのアップがスローで映し出される。アロンソもヴェッテルも、左フロントタイヤがかなり摩耗していて黒いラインが入っているように見える。
21周目 マッサとウェーバーがピットイン。両者とも新品のハードタイヤを選択している。マッサは7番手、ウェーバーは12番手でレースに復帰。マッサはコースに戻ってすぐにリチャルドを抜き、6番手に浮上。
22周目 アロンソがピットイン。こちらもチームメイトと同様新品のハードタイヤに交換して4番手でレースに戻る。
ヒュルケンベルグがピットイン。
ファン・デル・ガルデが無線でドラブルをチームに伝えている。チームは「何とか戻ってこい」と指示を出している。
24周目 ペレスがピットイン。新品ハードに交換してピットアウト。13番手でレースに復帰している。
24周目 ヴェッテルにピットインの指示。
25周目 ヴェッテルが2回めのピットイン。新品ハードタイヤに交換してピットアウト。5番手でコースに戻っている。
現在の暫定トップはライコネン。17周走ったミディアムタイヤを履いている。周囲のクルマとはタイヤ戦略が異なるため、この後のライコネンの動きが注目される。
25周目 現在の順位は1位ライコネン、2位アロンソ、3位マッサ、4位ロズベルグ、5位ヴェッテル、6位ウェーバー、7位グティエレス、8位バトン、9 位ディ・レスタ、10位ハミルトンという上位陣となっている。ライコネン、ロズベルグ、グティエレス、バトン、ハミルトンはまだ1回しかピットストップを 行なっていない。
26周目 ハミルトンがピットイン。新品のハードタイヤを選択して14番手でコースに戻る。
27周目 ライコネンがようやく2回めのピットストップ。3周走った中古のミディアムタイヤで4番手でコースに戻っている。ライコネンのこのタイヤは、予 選Q3でミディアムタイヤで2回走行した時のものだろう。レースで一度熱を入れたミディアムタイヤを使うために予選で1回余分にアタックした可能性がある。
28周目 ロズベルグがピットイン。新品ハードタイヤを履き、11番手でコースに戻る。
現在の順位は、1位アロンソ、2位マッサ、3位ヴェッテル、4位ライコネン、5位ウェーバー、6位グティエレス、7位ディ・レスタ、8位バトン、9位ヒュ ルケンベルグ、10位ペレス、11位ロズベルグ、12位リチャルド、13位ヴェルニュ、14位ハミルトン、15位マルドナド、16位ボタス、17位スー ティル、18位ビアンキ、19位ピック、20位チルトンとなっている。ファン・デル・ガルデとグロージャンはリタイアしている。
30周目 トップのアロンソと2番手マッサとの差は10.3秒。マッサと3番手ヴェッテルとの差は7.4秒となっている。しかし、ヴェッテルはライコネンからプレッシャーを受けている状況。
31周目 トップのアロンソが周回遅れにかかり始めている。現在、ビアンキとチルトンが周回遅れになっている。
32周目 リチャルドが着々と順位を上げ、ペレスを交わして現在9番手。
33周目 ライコネンが3番手のヴェッテルにしかける。ほとんど並びかけるシーンもあったが、ここはヴェッテルがなんとか抑えている。
33周目 ライコネンがターン1でとうとうヴェッテルをパス。3番手に浮上した。
34周目 ライコネンとヴェッテルとの差は早くも2秒以上。ライコネンが引き離しにかかっている。
35周目 2番手マッサと3番手ライコネンとの差は4.7秒。ラップタイムはライコネンが2秒速い。
ここでヒュルケンベルグのピット作業のリプレイ。ヒュルケンベルグがリリースされたところにヴェルニュが入って来て、両者が接触。ヴェルニュのリアにヒュルケンベルグが当たる形になり、パーツが飛び散っている。
37周目 アロンソがピットイン。続いてマッサもピットに入る。フェラーリは2台同時ピットストップを敢行している。
アロンソ、マッサともに中古のミディアムタイヤを選択。アロンソとライコネンの差はかなりあったが、アロンソはライコネンの後ろ、2番手でコースに戻っている。
現在の順位は1位ライコネン、2位アロンソ、3位ヴェッテル、4位マッサ、5位ディ・レスタ、6位ロズベルグ、7位ウェーバー、8位リチャルド、9位ペレス、10位グティエレスとなっている。
ヒュルケンベルグに10秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが出ている。先ほどのピットストップ時の危険なリリースに対してのペナルティとなる。
39周目 ここまで快走を続けているリチャルドがピットイン。ピットクルーの用意ができていないところに入ってきて、タイヤを交換している。
40周目 ヴェッテルがピットイン。中古のミディアムタイヤに交換し、4番手でピットアウト。またヒュルケンベルグがペナルティをこなした。
39周目にアロンソがライコネンをパスしてトップに立っているが、42周目現在、アロンソとライコネンとの差は5.5秒近くまで広がっている。アロンソは8周目のミディアムタイヤ、ライコネンは18周目のミディアムタイヤ。タイヤの差が出ている。
42周目 バトンがグティエレスをターン1でパスし、7番手に浮上。
43周目 トップのアロンソと2番手ライコネンとの差は約8秒。アロンソはすでに3回、ライコネンは2回ピットストップを行なっているが、アロンソは4ストップ、ライコネンは3ストップの可能性があり、この状態が実質的な順位であるかもしれない。
46周目 最終コーナー手前でライコネンにピットインの指示。
47周目 ライコネンがピットイン。中古のハードタイヤを選択してピットアウト。3番手でレースに戻っている。
現在トップはアロンソ、2位マッサ、3位ライコネン、4位ヴェッテルとなっているが、ライコネンだけがハードタイヤを履いている。
48周目 バトンがピットイン。中古のハードタイヤを装着して12番手でピットアウト。マクラーレンはこのレースはいいところがない。
新品タイヤを装着したライコネンが1分26秒台後半で走行している。トップのアロンソは1分28秒台半ば、2番手のマッサは1分29秒台で走っている。マッサとライコネンの差は7.2秒。
49周目 ロズベルグがピットイン。ハードタイヤで9番手でコースに戻っている。
49周目 トップのアロンソライコネンから逃げ切るためにペースを上げている。アロンソとライコネンとの差は26秒。
50周目 トップのアロンソがピットイン。2.6秒のピット作業で新品ハードタイヤに交換し、トップのままコースに戻る。
トップのアロンソと2番手マッサとの差は3.2秒、マッサと3番手ライコネンとの差は3.8秒。マッサはもう1回ピットストップを行う予定であると思われる。
51周目 ウェーバー、ペレス、ハミルトンがピットイン。全員ハードタイヤでピットアウト。
52周目 マッサとヴェッテルがピットイン。両者とも新品ハードタイヤを選択。マッサが3番手、ヴェッテルが、4番手でレースに戻る。
これで上位陣がすべての予定されたピットストップを終えた。1位はアロンソ、約10秒後方に2番手ライコネン、さらに18秒離れてマッサ、その13秒後方にヴェッテルという並びになっている。
このまま何もなければアロンソ、ライコネン、マッサが表彰台となる。この後の注目は、ライコネンがアロンソに追いつけるかどうかである。
53周目 リチャルドがピットイン。
54周目 ヴェルニュがタイヤの不調を訴えており、ピットからはリタイヤの指示が出ている。
55周目 トップのアロンソと2番手のライコネンの差が12秒にまで広がっている。アロンソのほうが0.5秒ほどラップタイムが速い。
56周目 ヴェルニュがピットの指示通り、ガレージにクルマを入れてリタイヤしている。
残り10周 ほとんどのクルマがピットストップを終えた。現在の順位は、1位アロンソ、2位ライコネン、3位マッサ、4位ヴェッテル、5位ウェーバー、6 位ロズベルグ、7位ディ・レスタ、8位バトン、9位ペレス、10位リチャルド、11位グティエレス、12位ハミルトン、13位スーティル、14位マルドナ ド、15位ヒュルケンベルグ、16位ボタス、17位ピック、18位ビアンキ、19位チルトンとなっている。グロージャン、ファン・デル・ガルデ、ヴェル ニュはリタイヤしている。
57周目 グティエレスが1分26秒217のファステストラップをマーク。
残り9周 トップのアロンソと2番手ライコネンの差は13.7秒。アロンソはあとは無事に最後までクルマを運ぶだけとなっている。
ロズベルグとディ・レスタが激しい6位争い。8番手のバトンのすぐ後ろにチームメイトのペレスが迫っている。
残り6周 トップのアロンソはクルージングに入っており、1分28秒台。2番手ライコネン、3番手マッサは1分27秒台で走行している。
残り5周 10番手のリチャルドに対し、グティエレスがプレッシャーをかけている。ポイントをかけた争いとなっている。
残り4周 6番手ロズベルグと7番手ディ・レスタの差が0.5秒。また8番手バトンと9番手ペレスの差も同様に0.5秒程度。
残り3周 ディ・レスタがロズベルグにプレッシャーをかけ続けるが、まだ抜くことはできない。
残り2周 トップの3台はすでにペースを落として走行している。またロズベルグとディ・レスタは激しい6位争いを続けている。
いよいよ最終ラップ。アロンソが先頭でコントロールラインを駆け抜けると、観客席から大きな歓声があがる。
アロンソが通るとスタンドから歓声があがり、早くもウィニングラップのような光景になっている。
アロンソが最終コーナーを回り、トップでチェッカーフラッグを受ける。
ウィニングランを行うアロンソに、コースマーシャルがスペイン国旗を渡す。アロンソは国旗を掲げてゆっくりとコースを周回している。
スペインGP決勝レースの結果は、優勝がアロンソ、2位ライコネン、3位マッサ、4位ヴェッテル、5位ウェーバー、6位ロズベルグ、7位ディ・レスタ、8 位バトン、9位ペレス、10位リチャルド、11位グティエレス、12位ハミルトン、13位スーティル、14位マルドナド、15位ヒュルケンベルグ、16位 ボタス、17位ピック、18位ビアンキ、19位チルトンとなった。
グロージャン、ファン・デル・ガルデ、ヴェルニュはリタイアしている。
このレースの結果により、ドライバーズチャンピオンシップはヴェッテル89p、ライコネン85p、アロンソ72p、ハミルトン50p、マッサ45pというオーダーになった。ライコネンがヴェッテルを追い上げてきている。
また、コンストラクターズチャンピオンシップはレッドブルが131pで依然としてトップを守っているが、フェラーリが117p、ロータス111pとなっており、差が縮まっている。以下、メルセデス72p、フォースインディア32pというオーダーとなっている。
アロンソとマッサのダブル表彰台により、フェラーリはコンストラクターズチャンピオンシップでロータスを抜き、順位を1つ上げている。
次戦は伝統のモナコGP。日本時間の5月26日日曜日の午後9時に決勝レースがスタートする。