インディカー第4戦は5日(現地時間)、ブラジル・サンパウロの市街地で決勝レースが行われ、佐藤琢磨(A・J・フォイト)はレース終盤でトップに立つものの最終周に入るものの、チェッカー前でジェームス・ヒンチクリフ(アンドレッティ)にパスされ2位でフィニッシュ。惜しくも、二連勝を逃した。
カリフォルニア州ロングビーチで行われた第3戦で、日本人として初優勝を果たした佐藤は、4日に行われた予選で苦しみ、決勝は12番手からスタート。イエローコーションなどを巧みに活かし、57周目でトップに立つと、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン)らとトップ争いを繰り広げながら、最終周までトップを守った。
しかし、戦略によりタイヤを使いきった佐藤は、ヒンチクリフの猛チャージを受ける。ヒンチクリフは「琢磨は巧みにマシンをコントロールしていて、特にインコーナーを厳しくキープしていたね。でも、最後に少しアウトに膨らんだ隙をパスすることが出来たよ。最終コーナーでパスして勝つなんて、レースの醍醐味だよ」と喜びを爆発させた。
22周に渡ってトップをキープしながら2位に終わった佐藤は「今週は厳しかった。でも、チームは素晴らしい仕事をしてくれたと思いますし、いいチーム状態でインディ500に挑めます」とコメント。
3位に入ったマルコ・アンドレッティは36ポイントを追加し、123ポイントに。佐藤が43ポイントを獲得したため、アンドレティをかわし136ポイントで、ランキングでトップに躍り出た。日本人ドライバーが、メジャーオープンホイールレースで、ランキングトップに名を連ねるのも初めて。
世界三大レースの中でももっと歴史があるインディ500は5月26日、米インディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われる。ポイントリーダーとして、モータースポーツの歴史に挑む佐藤琢磨の戦いぶりが愉しみだ。
いちモータースポーツ・ファンとして、日本人ドライバーがこれだけ調子を上げているシーズンに、もてぎでの開催がないとは、返す返すも残念でならない。