2012年F1世界選手権第19戦アメリカGPは、日曜日の決勝レースを迎えた。
土曜日の予選ではヴェッテルがポールポジションを獲得し、ハミルトンが2位、ウェーバーが3位となった。予選4位のグロージャンはギアボックス交換により5グリッド降格のペナルティを科せられ、予選9位のアロンソはスタートに不利な偶数グリッドの8位に繰り上がることになった。
しかし、フェラーリはアロンソのスタートを助けるべくレース前にマッサのギアボックスを開けることを決定し、マッサは5グリッド降格のペナルティを科せられた。これにより6位スタート予定だったマッサは11位に降格し、アロンソは7位からのスタートとなった。
よって、1列目にヴェッテルとハミルトン、2列目にウェーバーとライコネン、3列目にシューマッハとヒュルケンベルグ、4列目にアロンソとグロージャン、5列目にマルドナドとセナ、6列目にマッサとバトンが並ぶことになった。
今回のレースではヴェッテルがドライバーズチャンピオンシップで3連覇を達成する可能性がある。その条件は、ヴェッテル優勝でアロンソ5位以下、ヴェッテル2位でアロンソ9位以下、ヴェッテル3位でアロンソがノーポイントの3つだ。
ヴェッテルが4位以下になった場合、アロンソの結果に関係なくタイトル争いはブラジルでの最終戦に持ち越される。
またコンストラクターズチャンピオンシップでは、レッドブルが2位のチームに43ポイント以上の差をつければ3連覇を達成する。
レース直前のコンディションは、気温24℃、路面温度31℃、湿度31%、風速6m、晴れのドライコンディションとなっている。今回使用されるタイヤはハードとミディアムで、1ストップが主流と予想されている。
偶数グリッドは汚れていて滑りやすいため、スタートに不利だと見られている。
現地時間午後1時、24台のクルマがフォーメーションラップに向かった。
ほとんどのドライバーがミディアムタイヤを履いているが、バトンとロズベルグはハードタイヤを履いている。
DRSゾーンはターン11から12のバックストレートに設けられている。
全車がグリッドに着いた。シグナルがブラックアウトし、レーススタート!
ヴェッテルが順調にスタート。ウェーバーが2番手、アロンソが4番手にポジションを上げた。
ヴェッテル、ウェーバー、ハミルトン、アロンソ、シューマッハ、ヒュルケンベルグ、ライコネン、グロージャンという順番になっている。4番グリッドスタートのライコネンは7位までポジションを落とした。
2周目 現在の順位は、ヴェッテル、ウェーバー、ハミルトン、アロンソ、シューマッハ、ヒュルケンベルグ、ライコネン、グロージャン、ディ・レスタ、マッ サ、ペレス、セナ、マルドナド、ロズベルグ、バトン、ヴェルニュ、小林、ペトロフ、グロック、リチャルド、コヴァライネン、ピック、デ・ラ・ロサ、カー ティケヤンとなっている。
マルドナドとバトンがポジションを落としている。
3周目 グロージャンがシューマッハとライコネンをパスし、6番手にポジションを上げている。ハミルトンがウェーバーをパスしようとしたが、ウェーバーがポジションを守った。
4周目 スタートのリプレイが流れた。予想通り、偶数列の出足が遅い。
ハミルトンがウェーバーをパスし、2番手となった。ライコネンがシューマッハをパスし、7番手となった。
5周目 ヴェッテルとハミルトンの差は2秒6、ハミルトンとウェーバーの差はコンマ7秒、ウェーバーとアロンソの差は3秒となっている。
6周目 ヴェッテルが1分44秒598のファステストを記録した。グロージャンがターン1でヒュルケンベルグにオーバーテイクを仕掛けたが、ヒュルケンベルグがポジションを守った。バトンはターン1でマルドナドをパスし、14番手となった。小林が18番手にポジションを落としている。
7周目 グロージャンがターン19でコースオフを喫し、10番手にポジションを落とした。グロージャンはペレスにもパスされ、11番手となった。更にグロージャンはバックストレートでセナにパスされた。
8周目 ハミルトンが1分43秒614のファステストを記録した。ヴェッテルとの差は2秒2だ。バトンがターン1でグロージャンをパスし、12番手にポジションを上げた。
9周目 ヴェッテルとハミルトンの差は2秒1、ハミルトンとウェーバーの差は2秒9、ウェーバーとアロンソの差は3秒7となっている。セナがシューマッハをパスし、10番手となった。シューマッハの後ろにはバトン、グロージャン、リチャルド、マルドナド、ヴェルニュ、ロズベルグ、小林が連なっている。
10周目 ハミルトンが1分43秒279のファステストを記録し、ヴェッテルとの差を1秒6に縮めた。ここでグロージャンがピットに入った。
バトンがターン1でシューマッハをパスした。バトンはイン側からパスしたが、シューマッハの幅寄せがかなり強烈だった。
11周目 6番手のライコネンがヒュルケンベルグに迫っている。
12周目 マッサがディ・レスタをパスし、7番手となった。
13周目 ヴェッテルが1分43秒181のファステストを記録した。ハミルトンとの差は1秒6だ。ライコネンがヒュルケンベルグをパスし、5番手となった。ライコネンはターン3でヒュルケンベルグをパスしている。
14周目 小林がピットイン。
15周目 ヴェッテルとハミルトンの差が1秒2に縮まった。14番手のシューマッハがピットに入った。
ヴェルニュがクルマを止めている。
16周目 ヴェッテルとハミルトンの差はコンマ9秒に縮まった。ヴェルニュがターン7の先のグラベルにクルマを止めており、イエローフラッグが振られている。
17周目 ヴェッテルとハミルトンの差は1秒、ハミルトンとウェーバーの差は8秒6、ウェーバーとアロンソの差は3秒3となっている。
ウェーバーがターン12の先でクルマを止めた。
ウェーバーはクルマを止める前に大幅にペースを落としており、KERSにトラブルを抱えていると無線で伝えていた。
18周目 ヒュルケンベルグがピットイン。ミディアムからハードに交換した。
現在の順位は、ヴェッテル、ハミルトン、アロンソ、ライコネン、マッサ、ディ・レスタ、ペレス、セナ、バトン、リチャルド、マルドナド、ロズベルグ、ヒュ ルケンベルグ、グロージャン、ペトロフ、コヴァライネン、グロック、シューマッハ、小林、ピック、デ・ラ・ロサ、カーティケヤンとなっている。
19周目 ヴェッテルとハミルトンの差が2秒5に開いた。ヴェッテルがペースを上げている。グロージャンが1分42秒458のファステストを記録した。
20周目 前のラップでアロンソがターン19でコースオフを喫した。ヴェッテルとハミルトンの差は3秒2に開いている。ハミルトンとアロンソの差は11秒5、アロンソとライコネンの差は6秒5、ライコネンとマッサの差は4秒9となっている。
21周目 ハミルトンがピットイン。ミディアムからハードに交換した。アロンソもピットに入り、ミディアムからハードに交換した。右リアタイヤの交換に少し時間がかかった。
22周目 ヴェッテルがピットイン。ミディアムからハードに交換した。セナがペレスにオーバーテイクを仕掛けたがコースオフを喫し、その隙にバトンがセナをパスした。
23周目 バトンがバックストレートでアロンソをパスした。ハードタイヤでレースをスタートさせたバトンは、他のドライバーと戦略が異なる。ここで順位を上げておきたいところだ。15番手のペトロフがピットに入った。
24周目 ライコネンがピットイン。ハードに交換したが、少し時間がかかった。バトンが1分42秒007のファステストを記録した。
26周目 ハミルトンが1分41秒826のファステストを記録した。
現在の順位は、ヴェッテル、ハミルトン、マッサ、バトン、アロンソ、リチャルド、ライコネン、ロズベルグ、グロージャン、ヒュルケンベルグ、セナ、ディ・ レスタ、マルドナド、ペレス、シューマッハ、小林、ピック、ペトロフ、コヴァライネン、グロック、カーティケヤン、デラロサとなっている。
27周目 マッサがピットイン。ミディアムからハードに交換した。マッサは5番手でコースに戻った。マッサの後ろにリチャルドとライコネンが迫っている。バックストレートでリチャルドがマッサをパスした。
28周目 ハミルトンが1分41秒752のファステストを記録した。ヴェッテルとの差は1秒5だ。ターン1でライコネンがマッサをパスした。3番手のバトン、5番手のリチャルド、8番手のロズベルグがまだピットに入っていない。バトンとロズベルグはハードタイヤスタートだ。
30周目 ヴェッテルとハミルトンの差は2秒5、ハミルトンとバトンの差は23秒2、バトンとアロンソの差は1秒9、アロンソとリチャルドの差は8秒3、リチャルドとライコネンの差は1秒5、ライコネンとマッサの差はコンマ8秒となっている。
リタイアに終わったウェーバーだが、オルタネーターのトラブルが原因ということだ。
31周目 リチャルドがピットに入った。まだピットに入っていないバトンとロズベルグは自己ベストを記録して走行を続けている。ディ・レスタが2回目のピットストップを行った。
32周目 ハミルトンが1分41秒632のファステストを記録した。アロンソが無線でイタリア語を使って何か質問している。
33周目 ハミルトンが1分41秒525のファステストを記録し、ヴェッテルとの差を1秒6に縮めた。ヴェッテルは1分42秒008で前のラップを回っている。
34周目 ハミルトンが1分41秒292のファステストを記録し、ヴェッテルとの差を1秒2に縮めた。ハミルトンはヴェッテルのDRSゾーンに入り、バックストレートでコンマ4秒差まで詰め寄った。
35周目 ヴェッテルとハミルトンの差はコンマ6秒となった。ロズベルグがピットに入った。ハミルトンはバックストレートでDRSを使い、ヴェッテルとの差を縮めたがパスできなかった。
36周目 ヴェッテルが1分40秒969のファステストを記録した。バトンがピットに入った。ハードからミディアムに交換した。バトンはグロージャンの後ろの7番手でコースに戻った。
37周目 ヴェッテルが1分40秒911のファステストを記録した。ハミルトンとの差が1秒1に開いた。
現在の順位は、ヴェッテル、ハミルトン、アロンソ、ライコネン、マッサ、グロージャン、バトン、ヒュルケンベルグ、セナ、マルドナド、ペレス、リチャル ド、ロズベルグ、シューマッハ、小林、ディ・レスタ、ペトロフ、コヴァライネン、グロック、ピック、デ・ラ・ロサ、カーティケヤンとなっている。
39周目 バトンがグロージャンをパスして6番手となった。上位陣ではバトンだけがミディアムを履いている。金曜日のフリー走行後、バトンはこのサーキットではオーバーテイクが難しいと予想していたが、今日は誰よりも多くのクルマをパスしている。
40周目 マッサがターン2でライコネンをパスし、4番手となった。アロンソを助けるために5グリッド降格を受け入れたマッサだが、11位からスタートして4番手まで順位を上げている。フェラーリの戦略は見事に的中した。
41周目 シューマッハがピットに入った。ヴェッテルとハミルトンの差はコンマ6秒になり、再びハミルトンにオーバーテイクのチャンスが巡ってきた。ライコネンのペースが上がらない。バトンがコンマ5秒差に迫っている。
42周目 ヴェッテルが1分40秒850のファステストを記録した。ヴェッテルとハミルトンの差はコンマ8秒、ハミルトンとアロンソの差は30秒5、アロンソとマッサの差は11秒6、マッサとライコネンの差は4秒3、ライコネンとバトンの差はコンマ6秒、バトンとグロージャンの差は1秒2となっている。
ハミルトンがバックストレートでヴェッテルをパスし、ついにトップに立った。
43周目 バトンがライコネンの後ろに迫っている。9番手のセナは前を走るヒュルケンベルグにコンマ8秒差に迫っている。
44周目 ハミルトンが1分40秒240のファステストを記録し、ヴェッテルとの差を1秒3に広げた。ライコネンは自己ベストを記録して逃げるが、バトンは彼の後ろにぴたりとついている。バトンはバックストレートエンドでライコネンに並んだが、パスすることができない。
45周目 バトンがライコネンをパスし、5番手となった。
46周目 アロンソが1分40秒141のファステストを記録した。
47周目 ハミルトンとヴェッテルの差は1秒2、ヴェッテルとアロンソの差は31秒6、アロンソとマッサの差は10秒9、マッサとバトンの差は7秒2、バトンとライコネンの差は2秒1、ライコネンとグロージャンの差は1秒となっている。
49周目 ハミルトンとヴェッテルの差が1秒に縮まった。
50周目 現在の順位は、ハミルトン、ヴェッテル、アロンソ、マッサ、バトン、ライコネン、グロージャン、ヒュルケンベルグ、セナ、マルドナド、ペレス、 リチャルド、ロズベルグ、小林、ディ・レスタ、シューマッハ、ペトロフ、コヴァライネン、グロック、ピック、デ・ラ・ロサ、カーティケヤンとなっている。
51周目 8番手のヒュルケンベルグの後ろにセナとマルドナドが迫っている。7番手のグロージャンがライコネンにコンマ5秒差に迫っている。
残り5周 56周のレースも残り5周となった。ハミルトンとヴェッテルの差は1秒3、ヴェッテルとアロンソの差は33秒2、アロンソとマッサの差は12秒7、マッサとバトンの差は5秒となっている。
マルドナドがターン12でセナをパスして9番手となったが、かなりタイトなチームメイト同士のバトルだった。
残り4周 ハミルトンとヴェッテルの差が1秒5に開いた。
残り3周 ヴェッテルが1分40秒082のファステストを記録した。ハミルトンは1分40秒212の自己ベストを記録し、ヴェッテルとの差をキープしている。マッサが1分40秒050のファステストを記録した。
残り2周 ハミルトンが1分39秒913のファステストを記録し、ヴェッテルとの差が1秒6となった。9番手のマルドナドがヒュルケンベルグを狙っている。マッサが1分39秒743のファステストを記録し、バトンとの差を広げている。
ファイナルラップ ハミルトンは1秒8の差をつけてファイナルラップへ突入した。
レース終了! ハミルトンがトップチェッカーを受け、優勝を飾った!
ヴェッテルは1分39秒347のファステストを記録し、2位でフィニッシュした。
アロンソが3位に入り、タイトル争いは最終戦のブラジルGPに持ち越された。最後までヒュルケンベルグを追いかけたマルドナドだが、抜くことができず9位でレースを終えた。
アメリカGP決勝結果
Pos. ドライバー コンストラクターズ Time
1. ルイス・ハミルトン McLaren 1:35:55.269
2. セバスチャン・ヴェッテル Red Bull +0.675
3. フェルナンド・アロンソ Ferrari +39.229
4. フェリペ・マッサ Ferrari +46.013
5. ジェンソン・バトン McLaren +56.432
6. キミ・ライコネン Lotus +1:04.425
7. ロマン・グロージャン Lotus +1:10.313
8. ニコ・ヒュルケンベルグ Force India +1:13.792
9. パストル・マルドナド Williams +1:14.525
10. ブルーノ・セナ Williams +1:15.133
11. セルジオ・ペレス Sauber +1:22.341
12. ダニエル・リチャルド Toro Rosso +1:24.871
13. ニコ・ロズベルグ Mercedes +1:25.510
14. 小林可夢偉 Sauber +1 Lap
15. ポール・ディ・レスタ Force India +1 Lap
16. ミハエル・シューマッハ Mercedes +1 Lap
17. ヴィタリー・ペトロフ Caterham +1 Lap
18. ヘイッキ・コヴァライネン Caterham +1 Lap
19. ティモ・グロック Marussia +1 Lap
20. チャールズ・ピック Marussia +2 Laps
21. ペドロ・デ・ラ・ロサ HRT +2 Laps
22. ナレイン・カーティケヤン HRT +2 Laps
Did not finish
23. マーク・ウェーバー Red Bull +40 Laps
24. ジャン・エリック・ヴェルニュ Toro Rosso +42 Laps
ドライバーズチャンピオンシップは、ヴェッテルが273p、アロンソが260p、ライコネンが206p、ハミルトンが190p、ウェーバーが167p、バトンが163pとなっている。
コンストラクターズチャンピオンシップは、レッドブルが440p、フェラーリが367p、マクラーレンが353p、ロータスが302pとなり、レッドブルが3年連続でコンストラクターズチャンピオンシップを制した。
表彰台に現れた3人のドライバーは、テンガロンハット型のピレリの帽子を被っている。
100戦目を迎えたヴェッテルは、記念すべきレースを優勝で飾ることができなかった。しかし、ヴェッテルはドライバーズチャンピオンシップでアロンソに13ポイント差をつけた。
2012年シーズンはいよいよ来週のブラジルGPで最終戦を迎える。決勝レースは1週間後の11月25日だ。