2012年F1世界選手権第18戦アブダビGPは、日曜日の決勝レースを迎えた。レース直前のコンディションは、気温30℃、路面温度33℃、湿度51%、風速4.4m、晴れのドライコンディションとなっている。
土曜日の予選ではハミルトンがポールポジションを獲得し、ウェーバーが2位でフロントローに並んだ。
予選3位のヴェッテルは予選後に規定の燃料を残していなかったため、失格処分となった。これによりヴェッテルは予選24位となり、チームはピットレーンスタートを選択した。
ヴェッテルの失格により各ドライバーはスターティンググリッドが1つずつ繰り上がった。2列目にマルドナドとライコネン、3列目にバトンとアロンソ、4列目にロズベルグとマッサ、5列目にグロージャンとヒュルケンベルグが並んでいる。
現地時間午後5時、23台のクルマがフォーメーションラップへ向かった。
グリッド後方で黄色いフラッグが振られている。
デ・ラ・ロサがスタートできず、グリッドに残った。
デ・ラ・ロサのクルマはピットに戻された。
ヴェッテルはサスペンションとギアレシオに変更を施し、ギアボックスも交換した。
今回のレースではソフトタイヤとミディアムタイヤが使用される。
ヴェッテル、シューマッハ、セナはミディアムでのスタートを選択した。それ以外のドライバーはソフトを履いている。
シグナルがブラックアウトし、レーススタート!
ハミルトンが順調にスタート。ウェーバーが出遅れる。ライコネンが2番手に浮上。マルドナド、ウェーバー、アロンソ、バトン、マッサが続いている。
後方で接触があり、ヒュルケンベルグが大幅に順位を落としている。
アロンソがウェーバーを狙っている。2つ目のストレートで並び、パスした。
グロージャンの右フロントタイヤがパンクしている。ヒュルケンベルグはクルマを止めたようだ。
2周目 ロズベルグがピットイン。グロージャンもピットに入っている。ヒュルケンベルグはターン1でクルマを止め、リタイアとなった。ディ・レスタもタイヤをパンクさせているようで、ピットに入った。ライコネンがハミルトンに迫っている。
3周目 現在の順位は、ハミルトン、ライコネン、マルドナド、アロンソ、ウェーバー、バトン、マッサ、小林、ペレス、シューマッハ、リチャルド、ヴェル ニュ、コヴァライネン、グロック、ペトロフ、ピック、セナ、ヴェッテル、カーティケヤン、デ・ラ・ロサ、ロズベルグ、グロージャン、ディ・レスタとなって いる。
ヴェッテルはフロントウイングにダメージを負っていると無線で伝えている。
4周目 ハミルトンとライコネンの差は1秒9となっている。
スタートのリプレイが流れた。ウェーバーのスタートがとにかくひどい。ライコネンは前にいたウェーバーをあっさりとパスして2番手に浮上した。ヒュルケンベルグはセナと接触したようで、セナはターン1の先でスピンを喫した。ディ・レスタはペレスと接触したように見える。
5周目 ヴェッテルはペトロフとグロックを抜いて14番手となった。グロージャンとロズベルグの接触シーンがリプレイで流れた。グロージャンの右フロントタイヤとロズベルグのフロントウイングが接触したようだ。
6周目 ハミルトンとライコネンの差は2秒5、ライコネンとマルドナドの差は1秒6、マルドナドとアロンソの差はコンマ8秒、アロンソとウェーバーの差はコンマ9秒、ウェーバーとバトンの差は1秒となっている。4番手のアロンソがマルドナドに迫っている。
7周目 ハミルトンが1分48秒425のファステストを記録した。ライコネンとの差は3秒に開いている。
8周目 1周目で事故を起こしたヒュルケンベルグがレース後に審議されることになった。ヴェッテルはコヴァライネンをパスして13番手となった。
9周目 ロズベルグとカーティケヤンが接触した。ここでセーフティーカーが入ることになった。ロズベルグのクルマはターン17のウォールにぶつかって壊れている。
ロズベルグがカーティケヤンをパスしようとした際にカーティケヤンが突如スローダウンし、ロズベルグが後方から彼のクルマにつっこんだ。
両ドライバーに怪我はない。
カーティケヤンのクルマは大破し、パーツがコース上に散乱している。
10周目 ヴェルニュがピットに入った。グロージャンもピットに入っている。グロージャンはソフトタイヤに交換した。ディ・レスタもピットに入った。
11周目 SCがレースを先導している。現在の順位は、ハミルトン、ライコネン、マルドナド、アロンソ、ウェーバー、バトン、マッサ、ペレス、小林、 シューマッハ、リチャルド、ヴェッテル、コヴァライネン、セナ、ヴェルニュ、グロック、ペトロフ、ピック、デ・ラ・ロサ、グロージャン、ディ・レスタと なっている。
ヴェッテルはフロントウイングの右側の翼端板を失っているが、チームは今のところ問題がないと無線で伝えている。
13周目 現在もSCが先導している。ヴェッテルの前にいるリチャルドがスローダウンしたため、ヴェッテルは彼を避けるためにコースオフを喫し、コースサイドに置かれている発泡スチロールのDRSの文字が書かれた看板にぶつかった。
彼は無線で怒りを露にしている。
先ほどの看板との接触で、ヴェッテルのフロントウイングは更にダメージを負った。レッドブルのクルーがピットストップの準備をしている。
14周目 ヴェッテルがピットイン。フロントウイングを交換し、ミディアムからソフトに交換した。これでヴェッテルは最後尾となった。彼にとって踏んだり蹴ったりのレースだ。
SCはこのラップで戻ることになった。リスタートに注目が集まる。
15周目 SCが戻り、レースが再開された。ウェーバーがアロンソを狙っている。タイヤの温まりが悪かったのか、アロンソが出遅れている。ヴェッテルは19番手にポジションを上げた。
16周目 ハミルトンが1分47秒886のファステストを記録した。
アブダビはまもなく日没を迎える。サーキットの照明に灯がともされている。
17周目 前のラップでヴェッテルがグロージャンをパスし、17番手となった。ヴェッテルのオーバーテイクはコース外で行われていた。ヴェッテルは一度グロージャンにポジションを譲り、再度彼を抜いた。
18周目 現在の順位は、ハミルトン、ライコネン、マルドナド、アロンソ、ウェーバー、バトン、マッサ、ペレス、小林、シューマッハ、リチャルド、コヴァ ライネン、セナ、ヴェルニュ、グロック、ペトロフ、ヴェッテル、グロージャン、ディ・レスタ、ピック、デ・ラ・ロサとなっている。
オープニングラップでヒュルケンベルグと接触し、その後ヴェッテルとも接触したセナが13番手と健闘している。
19周目 ハミルトンとライコネンの差は3秒、ライコネンとマルドナドの差は2秒9、マルドナドとアロンソの差は1秒、アロンソとウェーバーの差はコンマ9秒となっている。
20周目 ハミルトンが1分47秒266のファステストを記録し、ライコネンとの差を3秒4に広げた。アロンソがマルドナドとの差をコンマ8秒まで詰めている。
セナがコヴァライネンをパスして12番手となった。
ヴェッテルは14番手にポジションを上げている。
ここでハミルトンがスローダウン!!彼はコースサイドにクルマを止め、リタイアとなった。
21周目 ハミルトンのリタイアにより、ライコネンがラップリーダーとなった。ヴェッテルは12番手にポジションを上げている。アロンソがマルドナドをパスし、2番手となった。マルドナドのペースが上がらず、ウェーバーとバトンが迫っている。
22周目 現在の順位は、ライコネン、アロンソ、マルドナド、ウェーバー、バトン、マッサ、ペレス、小林、シューマッハ、リチャルド、ヴェッテル、セナ、ヴェルニュ、コヴァライネン、グロージャン、ディ・レスタ、グロック、ペトロフ、ピック、デ・ラ・ロサとなっている。
23周目 ライコネンとアロンソの差は5秒7、アロンソとマルドナドの差は2秒4、マルドナドとウェーバーの差はコンマ8秒、ウェーバーとバトンの差はコンマ7秒、バトンとマッサの差は1秒6、マッサとペレスの差はコンマ7秒となっている。
予選が不調だったザウバーの2台が7位と8位につけている。
マルドナドにオーバーテイクを仕掛けたウェーバーは接触してスピンを喫した。
24周目 ライコネンが1分47秒238のファステストを記録した。ウェーバーは7番手にポジションを落としている。バトンがストレートエンドでマルドナドをパスし、4番手となった。その後ろでペレスがマッサをパスし、5番手となった。
25周目 ウェーバーとマルドナドの接触は審議対象となった。ヴェッテルは10番手にポジションを上げ、ついにポイント圏内に入った。
26周目 小林がピットイン。2つ目のストレートエンドマッサをパスしようとしたウェーバーが再び接触してコースオフを喫した。マッサもスピンを喫している。
27周目 マッサ、リチャルドがピットイン。マッサはミディアムに交換した。ピックもピットに入った。ライコネンが1分47秒199のファステストを記録し、アロンソとの差を7秒2に広げた。
28周目 シューマッハがピットイン。ヴェッテルが1分47秒053のファステストを記録した。グロック、ペトロフもピットに入った。
ウェーバーとマッサの接触が審議対象となった。
ウェーバーとマルドナドの件はお咎めなしとなった。
29周目 アロンソがピットイン。ソフトからミディアムに交換した。コヴァライネンもピットに入った。ウェーバーとマッサの件はおとがめなしとなった。5番手のペレスがマルドナドを狙っている。マルドナドの後ろにはウェーバーが迫っている。
30周目 バトンがピットイン。マルドナドもピットに入った。2人ともミディアムに交換している。
31周目 ペレス、ウェーバーがピットイン。ミディアムに交換した。
32周目 ライコネンがピットイン。ミディアムに交換した。バトンが1分46秒495のファステストを記録している。セナだけがまだピットに入っていない。彼は現在5番手を走行している。3番手アロンソの後ろにバトンが迫っている。
33周目 セナがピットイン。セナはミディアムからソフトに交換した。これで全員がピットストップを終えた。
34周目 ヴェルニュがピットイン。ライコネンが1分46秒055のファステストを記録した。
35周目 現在の順位は、ライコネン、ヴェッテル、アロンソ、バトン、グロージャン、ディ・レスタ、ペレス、ウェーバー、マルドナド、小林、シューマッハ、マッサ、セナ、ヴェルニュ、リチャルド、コヴァライネン、グロック、ペトロフ、ピック、デ・ラ・ロサとなっている。
ヴェッテルは14周目に一度ピットに入っているので、もう一度ピットに入ると思われる。
5番手グロージャンの後ろにディ・レスタ、ペレス、ウェーバーが連なっている。
36周目 ライコネンとヴェッテルの差は3秒6、ヴェッテルとアロンソの差は5秒、アロンソとバトンの差はコンマ8秒、バトンとグロージャンの差は13秒7となっている。バトンがアロンソに迫っている。
38周目 ヴェッテルがピットイン。ソフトからソフトに交換した。ヴェッテルは4番手でコースに戻った。ライコネンが1分45秒870のファステストを記録した。
ディ・レスタがグロージャンをパスした。ペレスがディ・レスタとグロージャンをまとめてパスしようとしたところ、接触してしまった。
ここでSCが入ることになった。ウェーバーが接触に巻き込まれ、リタイアとなった。グロージャンもリタイアに終わっている。
ペレスとリチャルドがピットに入った。
ペレスの接触シーンがリプレイで流れた。ディ・レスタとグロージャンをパスしようとしたペレスがコースオフを喫し、コースに戻ったペレスとグロージャンが接触。ウェーバーはグロージャンに追突した。
40周目 ディ・レスタもピットに入った。接触事故の現場にパーツが散乱している。
41周目 SCがレースを先導している。現在の順位は、ライコネン、アロンソ、バトン、ヴェッテル、マルドナド、小林、シューマッハ、マッサ、セナ、ヴェルニュ、ディ・レスタ、リチャルド、コヴァライネン、ペレス、グロック、ペトロフ、ピック、デ・ラ・ロサとなっている。
42周目 ここでシューマッハがピットに入った。ピックもピットに入った。
ペレス、ウェーバー、ディ・レスタ、グロージャンの事故が審議対象となった。
ピックはクルマをガレージに入れてリタイアとなった。
このラップでSCが戻ることになった。シューマッハは右リアタイヤをパンクさせたため、ピットに入ったようだ。
43周目 SCが戻り、レースが再開された。リスタートでの順位の入れ替えはなかった。ライコネンがアロンソとの差を広げている。ヴェッテルがバトンに迫っている。
44周目 ライコネンが1分45秒403のファステストを記録した。ペレスにストップ&ゴーペナルティが科せられた。
45周目 ペレスがピットに入り、ストップ&ゴーペナルティを行った。ライコネンとアロンソの差は2秒5、アロンソとバトンの差は1秒、バトンとヴェッテルの差はコンマ7秒、ヴェッテルとマルドナドの差は1秒3、マルドナドと小林の差は1秒8、小林とマッサの差はコンマ8秒、マッサとセナの差はコンマ6秒となっている。
46周目 ヴェッテルはストレートでバトンにオーバーテイクを仕掛けるが、並ぶのが精一杯だ。
47周目 ライコネンが1分44秒963のファステストを記録し、アロンソとの差を3秒2に広げた。
48周目 アロンソが1分44秒816のファステストを記録した。6番手小林の後ろにマッサ、セナ、ディ・レスタが連なっている。13番手を走行しているコヴァライネンは、あと1つポジションを上げればケータハムがコンストレクターズでマルシアを上回る。
49周目 アロンソが1分44秒631のファステストを記録し、ライコネンとの差を2秒8に詰めた。アロンソとバトンの差は2秒1に開き、バトンとヴェッテルの差はコンマ9秒となっている。12番手のシューマッハが前を走るヴェルニュに迫っている。
ヴェッテルはターン11でバトンにオーバーテイクを仕掛けるも、抜けなかった。
50周目 アロンソが1分44秒357のファステストを記録した。ライコネンにじわじわ迫っている。
残り5周 アロンソが再びファステストラップを記録し、ライコネンとの差が2秒となった。
残り4周 ライコネンとアロンソの差は1秒7となった。アロンソとバトンの差は3秒3、バトンとヴェッテルの差はコンマ9秒、ヴェッテルとマルドナドの差は4秒8、マルドナドと小林の差は5秒2となっている。
ヴェッテルがバトンをパスし、3番手となった。トップ4のワールドチャンピオン同士の戦いが素晴らしい。
残り3周 ライコネンとアロンソの差は1秒4となった。アロンソの接近に反応し、ライコネンはセクター1を最速タイムで通過した。
残り2周 アロンソが1分44秒090のファステストラップを記録し、ライコネンとの差が1秒となった。
ファイナルラップ ライコネンはアロンソに1秒2の差をつけてファイナルラップに入った。ヴェッテルが1分43秒964のファステストを記録した。アロンソはライコネンを追いかけるも、DRSゾーンに入れず。
レース終了! ライコネンがトップチェッカを受け、復帰後初勝利を飾った!!ライコネンの優勝は2009年のベルギーGP以来となる。
2位にアロンソ、3位にヴェッテルが入り、ヴェッテルは最後尾から表彰台を獲得した。
アブダビGP決勝結果
Pos. ドライバー コンストラクターズ Time
1. キミ・ライコネン Lotus 1:45:58.667
2. フェルナンド・アロンソ Ferrari +0.852
3. セバスチャン・ヴェッテル Red Bull +4.163
4. ジェンソン・バトン McLaren +7.787
5. パストル・マルドナド Williams +13.007
6. 小林可夢偉 Sauber +20.076
7. フェリペ・マッサ Ferrari +22.896
8. ブルーノ・セナ Williams +23.542
9. ポール・ディ・レスタ Force India +24.160
10. ダニエル・リチャルド Toro Rosso +27.463
11. ミハエル・シューマッハ Mercedes +28.075
12. ジャン・エリック・ヴェルニュ Toro Rosso +34.906
13. ヘイッキ・コヴァライネン Caterham +47.764
14. ティモ・グロック Marussia +56.473
15. セルジオ・ペレス Sauber +56.768
16. ヴィタリー・ペトロフ Caterham +1:04.595
17. ペドロ・デ・ラ・ロサ HRT +1:11.778
Did not finish
18. チャールズ・ピック Marussia +14 Laps
19. ロマン・グロージャン Lotus +18 Laps
20. マーク・ウェーバー Red Bull +18 Laps
21. ルイス・ハミルトン McLaren +36 Laps
22. ナレイン・カーティケヤン HRT +48 Laps
23. ニコ・ロズベルグ Mercedes +48 Laps
24. ニコ・ヒュルケンベルグ Force India +55 Laps
ドライバーズチャンピオンシップは、ヴェッテルが255p、アロンソが245p、ライコネンが198p、ウェーバーが167p、ハミルトンが165p、バトンが153pとなった。
コンストラクターズチャンピオンシップは、レッドブルが422p、フェラーリが340p、マクラーレンが318p、ロータスが288p、メルセデスが136p、ザウバーが124pとなっている。
ライコネンはクルマの上に立ってガッツポーズをし、3年ぶりの優勝を喜んだ。ライコネン、ヴェッテル、アロンソに笑顔が見える。
ドライバーズチャンピオンシップでは、ヴェッテルとアロンソの差が10ポイントに縮まった。
次戦のアメリカGPは、新しいオースティンのサーキットで行われる。決勝レースは、2週間後の11月18日だ。