ソフトバンクの独占販売体制だった米アップル社の大人気スマートフォン(多機能携帯電話端末)「iPhone」。それが年内にもKDDI(au)から最新機種のiPhone5が発売される!?とニュースが2011年9月22日に流れると、ソフトバンクの株価が急落。前日比320円安、12%超の下落となった。時価総額で3550億円超が吹っ飛んだ。翌日の23日朝からはネットでは、ソフトバンクの携帯電話解約説明ページにアクセスが集中し繋がりにくくなってしまった。
KDDIが11年11月頃から発売する、と報道されているのは米アップル社がこの秋にリリース予定の新機種「iPhone5」。機器の駆動速度や、ビデオ撮影・再生のクオリティーなどが格段に向上するという。 ■ホームページの説明コーナーに繋がらない アップルはアンドロイド勢の伸長に対抗するため、世界各国で複数の携帯電話会社がiPhoneを扱う政策を進めているところ。日本は今では珍しい独占販売国となっており、そう遠くないタイミングでNTTドコモ、あるいはKDDIも扱うことになると予想はされていた。とはいえ、確定的に報じられたことで、投資家の大きな失望を買った。 繋がらないと騒がれているのは、ソフトバンクモバイルのホームページ「モバイルSuica」説明コーナーにある「こんなときどうする?解約するとき」ページ。ソフトバンク自体と携帯電話を解約するにはどうすればいいかを知りたい人達が、なぜかここに流れているようだ。23日午後1時頃にアクセスしてみたが、かなり重い状態が続いている。 ソフトバンクの携帯電話を巡っては、ユーザーから「電波が繋がりにくい」などの不満があり、孫正義社長の「ツイッター」にも苦情が多く寄せられ、孫社長も早期の改善を約束している。一方、繋がりにくくともこれまで国内で750万台売れたとされる大人気の「iPhone」シリーズ。かつて「DoCoMo」から発売されると噂されたときは「電波がよくなるなら乗り換えたい」と発言する人が多数出ていた。 一方ネットでは、auの発売日も決まっていない現状で、ソフトバンクの「解約」関連ページに人が押し寄せるのはおかしい、という意見も多く出ていて、「ネガティブキャンペーンが始まっているのではないか」、などといったうがった見方も出ている。 連休直前に突然飛び出してきた今回の報道。関係各社ともまだメディア向けに正式な説明はしていないようだ。「ソフトバンクがそうやすやすと乗り換えさせるわけはなく、顧客引き留めのための秘策を打って出るだろう」と期待する意見も出ている。