バラク・オバマ米大統領は9月16日(現地時間)、米特許法改革法案「America Invents Act」に署名した。これにより、約半世紀ぶりに米国特許制度が大幅に刷新されることになる。現行の先発明主義(first-to-invent)に代えて、先願主義(first-inventor-to-file)の制度が作られ、国際特許基準に近づく。適用は2013年春になる見込みだ。
現行の先発明主義では発明した時点を審査するのに時間がかかるため、大量のバックログ(現在約70万件)が発生しているだけでなく、審査中は申請内容が公開されないため、技術が普及してから特許が承認される(サブマリン特許)ケースもあり、訴訟につながっている。 米連邦政府の発表文によると、審査プロセスも見直すことで、現在申請から承認まで約3年間かかっているのが約1年に短縮されるという。また、米特許商標局(USPTO)は特許の正当性に関する訴訟を回避するための新手段を提供するとしている。 同法案は2005年に提案され、その後2007年、2009年に改定された。2011年6月に下院を通過し、上院の通過は9月8日だった。 Microsoft、Google、Appleなどの米IT企業の多くがこの法案支持を表明していた。現行の特許法の下、これらの企業は特許訴訟から身を守るため、多大なコストを費やしている。