単にこれまでのタブレットと違う見た目を狙っただけでなく、実用上のメリットがあるデザインに仕上げているのは、小型軽量のガジェットを率先して作り続けてきた世界屈指のメーカーであるソニーらしいこだわりが感じられる。持ち方によって使いやすさが変わるデザインだが、このチャレンジ精神は高く買いたい。
まずは「優れたデザイン」についてだが、重心を片側に寄せた「偏重心デザイン」が目新しい。似たようなデザインがあふれかえるタブレットデバイス市場にあって、一目で判別できるデザインに所有欲をくすぐられる人は少なくないだろう。雑誌を折り返した形状がモチーフというボディは片側が丸みを帯びており、持ちやすさを考えて、あえて厚みを持たせている。
ソニーはSony Tablet本体と同時に多数の純正アクセサリも準備してきた。
Pシリーズと共通のアクセサリとしては、Android専用のショートカットキーが付いたBluetoothキーボード(実売7000円前後)を2011年10月8日に発売する予定だ。
Bluetoothキーボードを導入すれば、長文の入力が楽になり、ソフトウェアキーボードが画面半分を覆うことがなくなるので、画面を広く使える。Sony Tabletはかな入力に対応しないこともあり、英字プリントだけのシンプルなデザインだ。 OSのバージョンや基本スペックを眺めて、ほかのAndroidタブレットと似たり寄ったり、と判断するのは早計だろう。持ちやすさや使いやすさに配慮した独特のボディデザインをはじめ、最適化されたタッチスクリーン、ソニーが展開するネットワークサービスとの連携、そして家庭内のさまざまな機器と接続して使える拡張性と、ここまでハードとソフトの両面に周辺環境も含めて作り込まれたAndroidタブレットは皆無だ。