Hewlett-Packard (HP)は8月18日(現地時間)、同日行われたHPの2011年度第3四半期(5-7月期)決算報告において、PC事業を含む同社のPersonal Systems Group (PSG)のスピンオフなど、大幅な事業再編を計画していることを発表した。またPSG再編の一環として、TouchPadやPalmといったwebOS事業から撤退する計画だという。これにより、粛々と続いていたPalmの命脈は、HPによる買収を経て消滅へと向かうことになりそうだ。
webOS事業の終了でPalmの血脈は途絶えることに PSGのスピンオフと並行する形で、webOS事業終了もアナウンスされている。Palm買収を経てPalm Preといった同社のスマートフォン事業を引き継いだHPは、webOSのプリンタを含む同社製品ポートフォリオへの大規模展開、webOS搭載タブレットの「TouchPad」発表と、立て続けにwebOSに関するビジョンを打ち出していた。 だが結果として現時点でこれら計画は大きな成果にはつながっておらず、鳴り物入りでリリースされたTouchPadはその積極的な値下げ攻勢にもかかわらず、大手販売店の米Best Buyで販売台数の10倍以上の在庫が積み上がっている状態が報告されるなど、ライバルであるAppleのiPadに対して大苦戦を強いられている。 HPによれば、まだ社内での今後の事業計画は未定の状態で、webOSを活用していく方向性も残された状態だと説明している。だが今回のwebOS事業終了宣言により、前述のPalmを含む製品ラインはすべて収束へと向かうと考えてもよさそうだ。
またHPは過去にAndroid事業の中止も決定しており、今回の決定は他のプラットフォームへの移行を意味するものというより、スマートフォンやタブレットといったコンシューマ向けデバイス事業からの撤退により近い位置付けにあると考えられる。これにより、PalmやPalmが吸収したHandspringなど、PDA時代からの血脈が途絶えることになる。