東日本大震災の影響で、関東地方で実施されている計画停電。信号が消えた交差点での事故や、通電時のショートによる火災など、停電が原因とみられる事故も起きている。節電によって需要が供給を常に下回れば計画停電は必要ないが、電気はためられない。夜間だけネオンを消しても昼間の使用には回せず、一日を通じた節電が必要だ。家庭でできる節電のポイントは。
東日本大震災の影響で、電力不足が深刻化している。工場や企業などに比べれば家庭での電力消費は少ないが、朝晩の冷え込みが厳しい地域での被災者のためにも節電を心掛けたい。計画停電の影響で一般家庭で電気が使えなくなるケースも出る中、今すぐできる「節電方法」は? 電気事業連合会によると、家庭の電力需要は全体の約4割に上る。資源エネルギー庁などの資料によると、家庭での電力消費のうち最も高いのはエアコンで、全体の4分の1を占める。次いで、冷蔵庫(16・1%)と照明器具(同)、テレビ(9・9%)が続く。 「寒冷地以外では、寒さはだいぶ和らいでいる。暖房を切って、靴下を二重履きにしたり、たくさん着込んだりしてください」。窓のカーテンを厚手にしたり、床まで届く長いものにすることでも効果があるという。 同庁省エネルギー対策課によると、エアコンの設定温度を1度下げれば10%の節電、冷蔵庫も設定を強から中にすれば11%消費電力を減らせる。照明も、消してまた点灯させるまでの間隔が1分しかなくても、こまめに消す方が省エネになる。 担当者は「冷蔵庫は切れなくても、厚着をして暖房を消したり、蛍光灯を1本外すといった対応も望みたい」と切実だ。 また、電力需要のピークを意識することも大切だ。消費電力は通勤や家事、暖房使用などが集中する平日の午前8〜11時と午後6〜9時に最大になる。この時間帯に電力が不足すれば、大規模停電の恐れもある。 オーブントースターや掃除機、洗濯乾燥機などは、使用時間が短くても消費電力は大きい。同課によると、休日にまとめて家事を済ませたり、使用時間を日中にずらすことで停電のリスクを減らせるという。 パソコンも、使わないときは電源を切るのが基本だ。長時間操作しないと自動的に画面に現れる「スクリーンセーバー」は消費電力を下げることにはつながらないので要注意だ。 同課は「企業に対しても同様の対応を要請している。利用者全体の工夫と小さな努力をお願いしたい」と話している。