都市部の花粉は、NOxなど排気ガスによる大気汚染物質のアジュバント物質が付着して凶暴化した花粉が花粉症の原因となり症状を悪化させている。また都市部では、マンションなどの気密性の高い室内環境やアスファルトで舗装された道路で、地面に落ちた花粉が風に舞い吸い込まれやすくなるなど、都市部では、花粉症を悪化させる様々な要因が重なって存在しているのです。
2011年春の花粉飛散量の予測を発表。環境庁の調査によると、2010年の夏の猛暑により、飛散量は全国的に増加すると見られており、少なかった 2010年春シーズンと比べると、全国的には2〜6倍、東海・近畿の一部では10倍との予想が発表されている。飛散量の多い地域としては、茨城県水戸市・群馬県高崎市・滋賀県大津市が挙げられている。 ■ スギが少ないのに、都会には花粉症患者がなぜ多い? 答えは「アジュバント」 日本のスギ林の面積は増えていないにも関わらず、花粉の飛散量が年々増加し、花粉症患者も増えているというデータを披露。特に、東京/神奈川/埼玉/千葉/愛知/大阪といった、スギの少ない都市圏で花粉症が増えているという。 農村部がスギが多く、花粉症が多い気がしますが、実際には、都会に多い症状のようです。常にスギ花粉にさらされる山林で働く人もおり、花粉症が多いように思いますが、実際、都市部に多いということは、花粉の飛散量以外の要因も関係していることが考えられるのです。 この原因のひとつを「アジュバント物質」とした。アジュバント物質とは、花粉などのアレル物質と一緒に吸うことで、アレルギー症状が悪化する物質のこと。都市部の空気には、排気ガスによりNOx(窒素酸化物)やディーゼル排気粒子といった大気汚染物質が多く含まれているが、これらが山から都会へと移動してくる花粉に吸着し、アジュバント物質として体内に取り込まれるという。 アジュバント物質には、「粒子系アジュバント」「ガス状アジュバント」の2種類があり、これらは花粉とは別に、アレルギー反応を導く体内の免疫系細胞に対して直接刺激を与える。このため、体内のアレルギー抗体の生成が無意味に促進され、アレルギー症状がより悪化させる「アジュバント効果」を引き起こすという。 ディーゼル排気粒子などの大気汚染物資が花粉と一緒に体内に取り込まれると、抗体が作られる量が増え、また、気道が炎症を起こしやすくなり、過敏性をたかめりとアレルギー反応がおきやすくなるのです。 大気汚染だけでなく、室内汚染も問題で、都市部の住環境も原因にあげれれています。 マンションなどの気密性の高い室内環境では、建材や内装材に使われる化学物質のホルムアルデヒドの濃度が高かったりハウスダストがたまりやすかったりします。これらも花粉症を誘発しやすくします。 アスファルトで舗装された道路では、地面に落ちた花粉が風に舞い、吸い込まれやすくなります。このように、都市部では、花粉症を悪化させる様々な要因が重なって存在しているのです。