米航空宇宙局(NASA)は1月19日、実験は失敗したと思われていたソーラーセイル小型実験衛星「ナノセイルD(NanoSail-D)」が母衛星から分離したことを発表した。
「ナノセイルD」は「FASTSAT衛星」に搭載され、2010年11月にミノタウロス4ロケットによって打ち上げられたが、「FASTSAT衛星」から分離した信号が確認されず、実験は失敗したと思われていた。 NASAによると、分離理由は不明だが、「ナノセイルD」はアメリカ東部標準時間1月19日12時頃(日本時間1月20日0時頃)に「FASTSAT衛星」から分離したという。 「これは凄いニュースです。信号を受け取った時は目を疑いました。NASAは初めて低軌道にソーラーセイルを配置できました」「ナノセイルD」の分離を受け、同プロジェクトの実験責任者のディーン・アルホーン(Dean Alhorn)氏はこのように述べた。 「ナノセイルD」はソーラーセイル小型実験衛星で、重さ4kg程度しかない。厚さわずか3ミクロンの帆(セイル)を収納し、展開すると約9平方メートルにも達する。帆の展開に成功すれば、日本の小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」(IKAROS)に続き、世界で2番目のソーラーセイルとなる。 ■NanoSail-D Ejects: NASA Seeks Amateur Radio Operators' Aid to Listen for Beacon Signal