これまでのブルーレイなどはレーザーの熱で分子を変化させて記録する。そのため、大きな電力が必要で、記録に時間もかかる。わずかな光で色が変わる「光センサー分子」を奈良先端科学技術大学院大の河合壮(つよし)教授らが開発し、7日アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション発表した。
光センサー分子は、光が当たると色や形が変わる。河合教授らは人間の目の中にあるセンサー分子に注目。どんな形が、光と反応しやすいか探った。その成果を生かし、ほぼ100%光と反応する分子を作ることができた。 この分子で録画用ディスクを作ると、地上デジタル放送が6時間録画できる現在のBlu-rayの理論上100倍以上の記録が可能で、書き込みに必要な電力も100分の1以下とほとんど記録に際してエネルギーを消費しなくなるという。 今回の分子は、熱でなく光に反応するのでほとんど無駄がなく、電力は100分の1以下、読み書きの速さも10倍以上になるという。また、この光センサー分子は理論的には100層にも重ねて使うことができる。光でくっつく接着剤や高密度な半導体の製造などにも応用できるという。 ドイツ化学会誌「アンゲバンテ・ケミ・インターナショナル・エディション」に掲載される。