収入はやや持ち直したが、借金頼りの生活は変わらず、妻のへそくりはついに枯渇―。
2011年度一般会計当初予算案をサラリーマン家計のやり繰りに見立てると、景気低迷が長引く中、何かと物入りで、年収に見合わない生活を続けざるを得ない家族の姿が浮かび上がる。
夫の年収(税収)は409万円。昨年よりは回復したが、最盛期には遠く及ばない。高値づかみした住宅のローン返済など借金(国債発行残高)は6680万円。年215万円の返済(国債費)は、支出を前年並みに抑えても、家計に重くのしかかかる。
老いた親は介護が必要となり、医療費(社会保障費)は膨らむ一方だ。年収を上回る443万円の借金(新規国債発行)がないと924万円を支出する生活を維持できない。ここ数年、家計を支えてきた妻のへそくり(埋蔵金など税外収入)はほぼ底を突いた。
生活を切り詰めたり、無駄遣いをやめたりする努力が十分とは言い難いが、来年は収入増に向けた抜本策も考えないといけないのは明らかだ。