塩の小山が連なる南米ボリビアのウユニ塩原。この「世界でもっとも平らな場所」が、今後の電源インフラの方向性を決めるかもしれない。ウユニ塩原の地下には、かん水(塩分を含んだ水)に溶けたリチウムが大量に眠っている。世界の埋蔵量の約半分に相当し、電気自動車48億台以上のバッテリーをまかなう量に匹敵する。
ウユニ塩原で切り出される塩のブロックが、マンハッタンの高層ビルのように並んでいる。当地は塩の生産のほか、アクセスが困難にもかかわらず毎年約6万人の観光客を集める塩原観光が主要産業である。ボリビア政府はリチウム資源開発による観光客や周辺住民への影響はないと判断しているが、環境団体は深刻な水不足や水質汚染が発生する恐れがあると懸念している。