Facebookの最高経営責任者を務めるMark Zuckerberg氏は米国時間11月15日、期待されていた同社メッセージングシステムの改修を記者会見で発表する際、このように述べた。この新しいメッセージングシステムは「Gmailキラー」になると専門家は予測していた。
電子メール製品を発表することだけでは、これまでに登場し、また、全世界の何億という人々によって使われているデジタルコミュニケーション手段全てを考慮することはできないだろう、とZuckerberg氏は主張した。Zuckerberg氏は、着想を得たきっかけについて、複数の高校生との会話だったと述べた。高校生らは、電子メールが「あまりにも遅く」そして「あまりにもフォーマル」という理由から、テキストメッセージングやFacebookメッセージを代わりに使っていることを強調したという。 Zuckerberg氏は、「それは、電子メールではない。それは、電子メールに加えてFacebookメッセージとFacebook IM、他のIMやSMS、そして、ユーザーがコミュニケーションで使いたいと考える他の異なる方法も処理する」と説明した。「ユーザーは Facebook.comという電子メールアドレスを持つことが可能になるというのは、事実だ。しかし、それは電子メールではない」(Zuckerberg氏) Facebookは統一的なメッセージングシステムを発表した。 Zuckerberg氏によると、同システムの開発期間は15カ月だという。このシステムは、Facebookだけでなく他のプラットフォームからも横断的に複数のコミュニケーションチャネルを引き込み、より高速で短いリアルタイム形式のメッセージングをFacebookが既に持つメッセージングサービスとチャットクライアントとともに可能にする。Facebookメッセージングとチャットは、全世界で5億人以上いるFacebookのアクティブユーザーのうち、3億5000万が利用しており、1日あたり40億件のメッセージが送信されている。 この製品が提供するのは、Facebookメッセージ、電子メール、さまざまなクライアントからのインスタントメッセージ、テキストメッセージなどの異なる形式のコミュニケーションにおける「シームレスなメッセージング」、任意の2人のFacebookユーザー間で交わされた会話でまとめられた履歴、さらに、メッセージに対して優先順位付けをする「Social Inbox」になる。この最後の機能は、Googleが過去数カ月間テストしているGmailの「Priority Inbox」と似ている。 Facebookメッセージングの改修は、8月の「Facebook Places」から「Groups」の改修まで続いたFacebookの製品リリースおよび修正の最後を締めくくるものとなる。しかし、今回の改修が Facebookユーザーベースに行き渡るには時間が多少かかる予定だ。現在は招待制であり、今後数カ月にわたって順次公開されるという。