F1第15戦シンガポールGPは、現地時間(以下、現地時間)26日、午後8時(日本時間:午後9時)よりマリーナベイ・ストリート・サーキットで61周の決勝レースが行なわれ、フェラーリのフェルナンド・アロンソが2戦連続ポール・トゥ・ウィンで今季4勝目を挙げた。
決勝前の現地シンガポールの天候は晴れ、気温30度、路面温度は31度で路面はドライ。グリッドでは、予選12番手のニコ・ヒュルケンベルグ(ウイリアムズ)がギヤボックス交換により5グリッド降格。フェリペ・マッサ(フェラーリ)は予選後にペナルティ対象となる9基目の新品エンジンを投入したが最後尾のためポジションは変わらず。そのほか、ハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ)がマシントラブルによりピットスタートとなった。
レースはポールポジションのアロンソがスタートで若干遅れたものの、2番手のセバスチャン・ベッテルをなんとか抑えきって1コーナーをトップで通過。3、 4番手のマクラーレン勢、5番手スタートのマーク・ウエーバーも同じくポジションを守り、タイトルを争う5人は無難にオープニングラップを終える。 しかし後方では6番手以降のポジションに若干の変動があり、10番手スタートの可夢偉もビタリー・ペトロフ(ルノー)に抜かれて11番手に後退。さらにその後ろではニック・ハイドフェルドとビタントニオ・リウッツィが接触し、リウッツィはこのアクシデントによりターン10の先にマシンを止めてしまった。
その他の上位陣は29周目以降にピットストップを行ない、F.アロンソがトップをキープ。以下、レッドブルのセバスチャン・ベッテル、序盤にピットストップを行なったM.ウェバー、マクラーレン・メルセデスのルイス・ハミルトン、ジェンソン・バトンの順となる。
その間、最後尾スタートのマッサは1周目の終わりにタイヤ交換のためピットイン。すると、先ほどのリウッツィのマシンを撤去するためにコースにセーフティカーが出される。ここで、先頭のアロンソを含む多くがコース上に留まるが、ウエーバーだけが上位勢で唯一ピットインを選択する。可夢偉の前を走っていたペトロフを含む下位のマシンも全車ピットへと向かい、ここで早々とタイヤ交換の義務を果たしていった。
6周目にレースは再開。すると直後の7周目に、後方からポジションを上げていたウエーバーが可夢偉をオーバーテイクし9番手に浮上。ウエーバーはさらに11周目にもミハエル・シューマッハーを交わして8番手へと上がり、さらに上位を目指してペースを上げていく。 一方で、トップを走るアロンソは2番手ベッテルとの差を3秒前後まで広げると10周目以降も順調にレースをリード。逆に3、4番手を走るマクラーレン勢は上位2台から徐々に遅れはじめ、20周を迎えるころには10秒以上も離されてしまう。8番手のウエーバーも前方のルーベンス・バリチェロに抑えこまれ、こちらもトップからは大きく遅れている。
マクラーレン勢はその後もさらに遅れをとり、25周目には3番手のハミルトンがトップから24秒差となり、耐えきれなくなったチームは28周目にピットインを指示。するとその翌周にはバトンとともに、トップを走るアロンソとベッテルが2台同時のピットインを行った。しかし、ここで2台のポジションが変わることはなく、アロンソがリードを守ってコースに復帰していく。
ただ、レースは後半に入り大きく動く。まずは32周目、シューマッハーと可夢偉が接触し、シューマッハーはウォールにヒット。可夢偉も見た目にはダメージなく走行を続けたものの、その周のターン18で痛恨の単独クラッシュを喫してしまう。ストップした可夢偉のマシンには後方kらきたブルーノ・セナもヒットし、レースはここで2度目のセーフティカー出動となった。4、5番手のクビカ、バリチェロはこの間にピットインを行った。
するとリスタートが切られた直後の37周目、3番手にポジションを上げていたウエーバーに同じく4番手のハミルトンがオーバーテイクを仕掛け、ターン7で両者は接触。アウト側にいたハミルトンがはじき飛ばされるかたちとなり、ハミルトンは直後にエスケープゾーンにマシンを止めた。ハミルトンは前戦に続くリタイアとなり、ノーポイントでこのレースを終えることになった。
最後尾スタートのマッサは10位入賞。序盤に可夢偉とバトルを演じたシューマッハーは、レース終盤にハイドフェルドと接触したことが響き13番手に終わった。完走は16台。なお、ウエーバーとハミルトン、シューマッハーとハイドフェルドの接触は審議の結果、いずれもレースアクシデントの判断が下されている。