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August 7, 2010 space
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アンパンマン「スマイルタッチ」で医療分野に参入

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アンパンマンのアニメの企画制作、販売、配給などでおなじみのトムス・エンタテイメントが、加賀電子と共同開発したタッチ端末「スマイルタッチ」で医療事業分野に参入する。
 
端末にアンパンマンやハローキティなどのアニメ作品をプリロード、さらに、小児向けの医療情報コンテンツなどをあわせてパッケージングしたデバイスを、全国の医療機関にレンタルする。
 

smile_touch01.png

 

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 アンパンマンに届いた1通の電子メール
 
 病気のときというのは誰だって不安になる。 大人でも不安なのだから、子どもはもっと怖いはずだ。しかも、低年齢では、説明のほとんどが理解不能だ。はっきりいって1時間近くかかる点滴をガマン強く耐えたり、内視鏡を鼻から突っ込まれて平気な方がおかしい。だから、小児科では、あちこちで泣き叫ぶ子どもの声が聞こえる。
 
トムス・エンタテイメントがこの事業に取り組むことになったきっかけは、ある医療センターから同社に届いた1通の電子メールだったそうだ。ちょっと長いが、ここに引用することにしたい。

「恐れ入りますがアンパンマンDVDの著作権に関して教えてください。個人の鑑賞にならないので、どこまで許して下さるのか教えてください。

 当施設、○○医療センターは先天性の心疾患の小児や川崎病の小児が沢山来院されていますが、心臓超音波検査の時にアニメのDVDを観てもらって、お利口さんにしている間に検査をしたいと考えています。

 検査には入眠剤を使うのですが、2〜3歳の小児には薬の効きが悪くなかなか入眠できずに興奮してしまうことさえあり、両親もこちらも大変です。こちらにも時間の制限がありますので、検査ができずに帰る小児もいます。

 一度、著作権フリーのDVDを使用してみたのですが、小児の反応が良くなくアンパンマンのアニメを観たいという声がとても多いのです。

 アンパンマンで心臓に病気を持った小児に勇気をもらいたいのです」


 
 ちなみに、検査を受ける子どもにアンパンマンを描いた紙の絵本を渡し、それを楽しんでもらう分には何の問題もないらしい。ところが、それがDVDとなった途端に、権利関係がややこしくなる。DVDを子供に見せる行為は、その著作者の上映権がからんでくる。非営利の場合は問題がないが、医療機関は営利団体だ。著作者の許諾を得ないで子どもにDVDを見せることができないのだ。
 
許諾を得ればいいなじゃいかという考え方もある。だが、それを個々の医療機関に求めるのは無理がある。
 
 それをなんとかするのが、今回のトムス・エンタテイメントのチャレンジだ。
 
 
 アンパンマン「スマイルタッチ」論理的にも物理的にもタフな端末
 
 トムス社では開発に際して病院および小児専門医療施設12カ所、小児クリニック11施設での実地テストを行なったそうだが、ハードウェアに関しては iPadのような話題の端末の使用なども現場から求められるようなこともあったという。
 
だが、壊れやすいものでは役にたたない。また、アルコールで何度拭いても大丈夫なのかといったハードルをクリアでき、そこを保証するようなことまで視野にいれたハードウェアとなると、どうしても、オリジナルのものを開発するしかなかったという。
 
それに外部ストレージ対応やネットワーク対応なども、メインテナンス等を考えるとない方がいい。病院でデバイスがウィルス感染なんていうのはシャレにならない。持ち運びができ、多少ラフに扱っても大丈夫で、論理的にも物理的にも安全で丈夫な端末が必要だったのだ。
 
かつて、上映権は映画のようなコンテンツのみに認められるものであり、静止画や写真などは上映の対象外だった。だが、それでは著作者の保護が十分でないとされ、法律の改正によって、映画でなくても上映とみなされることになったという経緯もある。時代とともに、著名コンテンツを使って子どもを勇気づけるという行為が、ますます、やりにくなってきているというわけだ。
 
 アンパンマンの作者であるやなせたかし氏がビデオメッセージで、今回のチャレンジを応援するとコメントしていた。
 
ディストラクション関連
■「それいけ!アンパンマン」シリーズ (計9本 約68分)
■「それいけ!アンパンマン 図鑑」シリーズ (計2本 約61分)
■「きかんしゃトーマス」シリーズ (計9本 約47分)
■「ハローキティ」シリーズ (計8本 約58分)
■「絵本の読み聞かせ」シリーズ (計14本 約118分)
■「名探偵コナンのこども百科事典」シリーズ (計3本 約47分)
その他の人気アニメなどを含み合計約70話、約11時間分のコンテンツを収録予定

 
■ トムスエンターテイメント:小児医療分野への業容拡大および小児医療向け支援端末「スマイルタッチ」発表のお知らせ
 

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