政府が、6月から高速道路の上限料金制度を試行するのにあわせ、自動料金収受システム(ETC)搭載車を対象に通行料金に応じたポイントを与えている「マイレージサービス」を廃止する。 新しい料金体系は、6月中に社会実験として導入され、2011年3月まで実施する。首都高速道路と阪神高速道路については距離別の上限制が設けられETC車載器を搭載したクルマに適用されるもので、普通車での現金支払いの場合、距離に関わらず上限の900円を支払う。
休日「上限1000円」や深夜の割引など、現行の割引制度を廃止することに伴う措置。 マイレージサービスは、通行料金50円ごとに1ポイントがたまる仕組みで、一定のポイントがたまると通行料の割引にあてることができる。東日本、中日本、西日本の各高速道路会社の場合、100ポイントで200円、1000ポイントで8000円分の割引が受けられる。割引率は4〜16%となる計算。
1.上限料金制の導入 一定額以上の利用は同一料金
2.徹底した簡素化 【全高速道路】:時間帯・曜日の区別なし 【NEXCO各社・本州四国連絡高速道路】:原則現金とETCの区別、および大都市と地方で上限の区別なし 【首都高速道路・阪神高速道路】:料金圏撤廃
3.地球環境に配慮 軽自動車やエコカーを優遇 上記を前提に、利用者に分かりやすい料金体系とすることを目指した。また、地方における移動格差を改善し、物流コストをトータルで下げるという地域活性化を図ることができるほか、交通集中の緩和、休暇分散化といった効果が見込めると言う。 具体的な料金体系については関連記事を参照していただきたいが、NEXCO各社が管理する高速道路においては、平日/休日問わず全時間帯で、現金支払いとETCの区別なく割引が適用される。また、本州四国連絡高速道路は「フェリーを筆頭とする他の交通機関に配慮」した価格設定だと言う。 10・15モード燃費が20km/Lを超えるエコカー免税車(次世代自動車)のみ適用される「エコカー割引」が新たに設けられ、適用を受けると料金は軽自動車と同じく上限額が1000円となる。ただし、割引を受けるには事前登録が必要で、「6月に新料金体系を導入できても登録に時間が必要なため、ずれ込むのは仕方がない」(前原大臣)と言う。 首都高速道路と阪神高速道路については距離別の上限制が設けられ、普通車は500円〜900円、大型車はその倍の金額を支払うことになる。ただし、これはETC車載器を搭載したクルマに適用されるもので、普通車での現金支払いの場合、距離に関わらず上限の900円を支払う。