総務省がやっと海外の携帯電話ビジネスモデルを導入して、規制で保護され続けた通信キャリアの既得権益を外すための指導をやるようです。しかし、一部ソフトバンクの孫社長は、「(解除を)強制すると、またしても総務省が原因で端末が売れなくなる」と批判するなど、以前、ADSL事業を始めた時や携帯電話キャリアになる時には、大声で規制緩和をあらゆるメディアを駆使して訴えたことはすっかり忘れたようで…自分に都合の悪い時にはすぐに反対する癖があるようです。そりゃ今売れてる iPhone のSIMロック解除が実現すれば、他の通信キャリアでなんの問題もなく使える用になるのですからね。。。
基本的に海外も含めて携帯電話には、電話番号などSIMカード(Subscriber Identity Module Card)が搭載されて通信キャリアが販売していますが、日本では通信キャリアが携帯電話の実質販売元となっているため、この「SIMロック」がかかっている。 海外では、SIMロックされた端末とSIMフリーと言われるロックが無い端末の両方が販売されていて、利用者は通信キャリアとの契約でSIMロックされ契約期間を約束することで、端末を安く購入したり通信費用が割り引かれる両方の契約と、SIMカードだけ購入する通信契約だけして、端末は自分で選んだちょっと高い端末を購入することを選ぶことができます。 しかし日本では、通信キャリアが端末を一括して開発し販売している独占体制が4社で行われてきたことから、他キャリアで使っていた携帯電話にSIMカードを差し込んで使うことができないのが現状です。 しかしウィルコムがSIMロックフリーの端末「HYBRID W-ZERO3」を販売するなど状況が変わりつつあり、とくに、日本でも近日発売予定のアップル「iPad」は独自のSIMカードを利用しているため、キャリアに依存しない形での発売が期待されている。 総務省では、携帯電話市場の活性化を図る観点から、新規参入事業者に対する周波数の割当てや番号ポータビリティ制度の導入などの競争促進策を講じているが、利用者利便のさらなる向上やICT産業の国際競争力強化等を図る観点から、携帯電話端末のSIMロックの在り方について、あらためて検討を行っていた。 ■ SIMロックとは 国内の携帯電話サービスでは、データ通信よりも音声通話を主軸とする端末を多く展開するNTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルのいずれも、携帯電話端末に「SIMロック」が施されている。こうすることで、他社から発行された“SIMカード(UIMカード)”をA社向けに開発された携帯電話へ装着しても利用できないようになっている。A社のユーザーは、A社向けの携帯電話を使うことになる。こうした仕組みは、法制度として定められているわけではなく、事業者がそれぞれ判断して行っている。 また日本だけの制度というわけでもなく、欧米の携帯電話事業者でも導入されている。欧米では、第2世代の通信規格であるGSM方式の導入時には、国境をまたがった移動に対応すべく、SIMロックが施されていない携帯電話となっていたが、2.5G以降、Webブラウジングなどのニーズが高まり、1年契約、2年契約といった期間拘束型契約が多く導入された。この形式では、回線契約時に端末価格が安くなる一方、途中で解約すれば残月数分の基本料相当が違約金として発生する。ただし一定期間が過ぎると無料でSIMロックは解除されることがある。米国でもSIMロック解除を義務化する規制はなく、英国では義務化していたガイドラインが2002年に廃止され、両国ともに通信事業者がSIMロックを解除するかどうか、自主的に判断する形だという。
「端末フリー」携帯革命 「SIMロック解除」年内に指針 利用者が携帯電話事業者や端末を自由に選べるようになる可能性が出てきた。単一事業者でしか使えなかった携帯電話のSIMカードの鍵(SIMロック)を外すことで、どの事業者の端末でも自由に使えるようになるからだ。総務省は2日、SIMロック解除に向けて関係各社にヒアリングし、年内に解除に向けたガイドラインを策定する方針を示した。同省は端末や通信料の値下げなど消費者の利便性向上につながるため、SIMロック禁止で法制化も行う。ただ、携帯電話関連事業者からは反発の声もあり、具体化に向けては曲折も予想される。 「日本のガラパゴス化を招くことはあってはならない」。原口一博総務相は同日の会見で、SIMロック解除を目指す理由として、携帯電話事業が日本独自の “進化”を遂げたビジネスモデルの変革に意欲を示した。 総務省はSIMロック解除をめぐり、2007年に有識者による「モバイルビジネス研究会」で検討した経緯があるが、鳩山政権の「消費者重視」の方針で、総務省主導で具体化に向けて動き出した形だ。内藤正光総務副大臣は「通信料などの値下げにつながり、消費者にメリットが出てくる」と強調、携帯各社の自主的なロック解除を求める。 現在は携帯電話端末は通信契約した携帯電話経由でしか使えないが、これを根底から変えることには賛否両論が出ている。
携帯のSIMロック解除、大手4社が合意 総務省が、携帯電話端末を通信契約した携帯電話会社経由でしか使えない「SIM(シム)ロック」の解除を携帯電話各社に求めていた問題で、NTTドコモなど大手4社は2日、原則解除することに合意した。 今夏にも、利用者が端末と通信会社を自由に組み合わせる仕組みが整う。 SIMロックが解除されるのは、今後発売される現行世代の携帯電話や、年末に発売される次世代携帯電話。契約から一定期間経過した場合、希望する利用者のロックを解除する。総務省は近く、解除方法などを定めた指針をまとめる。 総務省は、携帯電話市場の競争を促し、サービス向上や端末メーカーの国際競争力強化を図るため、SIMロック解除を要請。当初は解除時期を次世代携帯電話からと想定していたが、ドコモなどが2日開かれた会合で、現行世代からの解除に前向きな姿勢を示したため、時期を前倒しすることになった。原口総務相は今回の合意について「利用者の利便性を優先してくれた」と述べた。
SIMロック 解除巡りツイッターで応酬 総務相と孫社長 携帯電話端末を特定の通信会社でしか使えないようにする「SIM(シム)ロック」の解除を総務省が打ち出したことについて、自分に都合の悪いことにはソフトバンクモバイルの孫正義社長と、推進する原口一博総務相が、簡易投稿サイト「ツイッター」で応酬を繰り広げた。 解除方針が発表された2日、原口氏が「うれしい報告。大きな歯車が動き出しました」と投稿した。しかし、全面解除されれば、ソフトバンクが日本で独占販売している米アップル社の高機能端末「iPhone(アイフォーン)」を、他社の契約者も利用できるようになる。 孫氏は「(解除を)強制すると、またしても総務省が原因で端末が売れなくなる」と批判。さらに「(国内で割引販売しているアイフォーンが)海外に横流しされ大被害」と書き込んだ。 原口氏は3日「総務省がビジネスモデルを強制することはありません」と返答。孫氏は「強制でなければ、いくつかの機種で試行可能」としながらも「(解除すれば、通信会社負担の)値引きができなくなり、消費者価格が高騰、販売総数が下落する」と指摘した。