iPhone OS 4の最大の見どころとなるのが、マルチタスクに対応すること。現在のiPhone OSでは、iPodアプリでの音楽再生を除いて、アプリケーションをバックグラウンドで実行すること(複数のアプリケーションを同時に実行すること)ができなかった。しかし、iPhone OS 4では、以下の7つの点でマルチタスク動作が可能となる。
iPhone OS 4で実装されるアップルの新しい広告プラットフォーム「iAd」も興味深い。従来の広告は、アプリ上でクリックするとWebブラウザー(Safari)経由で広告先のページに遷移する方式であったため、どうしても起動中のアプリを終了する必要があった。iAdは、アプリ内にフルスクリーンビデオやインタラクティブな広告コンテンツを埋め込むというもので、クリックをしても外部ページに遷移することがなく、広告表示後はスムーズにアプリに戻ることができるという。なお、iAdの広告の販売とサービスはアップルが行い、デベロッパーはアップルから広告収入の60%を受け取ることができるようです。
ゲームでのソーシャルネットワーク機能の実装
ゲームアプリのトピックとしては、iPhone OS 4において、ネットワーク対応ゲームの開発をサポートする機能「Game Center」が用意されること。Game Centerを利用することで、友達をゲームに誘ったり、対戦相手を募集してマルチプレーヤーゲームを楽しんだり、他のユーザーとオンライン上でスコアを競ったりすることが可能になる。なお、Game Centerの利用したゲームアプリは、2010年後半より提供される予定となっています。
このほか、iPhone OS 4では、「iPad」で搭載される電子書籍リーダー「iBooks」も実装される。また、メールや添付ファイルの暗号化が可能になるなどエンタープライズ機能も強化されるようです。
なお、iPhone OS 4をインストールできるのは、iPhone 3GSおよび第2世代以降のiPod touchとされていて、さらに、マルチタスク機能が利用できるのは、iPhone 3GSと第3世代のiPod touch(2009年後半以降に発売された32GBモデルと64GBモデル)のみ。iPhone 3Gおよび第2世代のiPod touchは、マルチタスク機能を利用できないので注意が必要です。
iPhone OS 4は、今年の夏に、ソフトウェアアップデートとして提供される予定。
iPhoneならびにiPod touchユーザーは期待してその時を待ちましょう。なお、iPad向けのiPhone OS 4は今年の秋に提供されるとのことです。iPadも秋まで待った方が良いかも…と予感がします。