新型の豚インフルエンザの流行が下火になってきたのと反対に、小学校や保育園、高齢者施設などで、ノロウイルスを中心とする感染性胃腸炎が猛威をふるっている。新型インフルよりも格段に感染力が強く、国立感染症研究所や保健所は、警戒を強めるよう呼びかけている。
〈ノロウイルス〉食中毒の感染源は主に二枚貝。感染した人の吐瀉(としゃ)物や便を介してもうつる。10〜100個ほどのウイルスでも発症し下痢や嘔吐(おう・と)、頭痛などの症状が出る。治療は対症療法しかないが、水分を十分にとれば数日で治り、後遺症もない。感染しても発症しない場合もあるが、乳幼児や高齢者は脱水症状などを起こして重症化、死亡する例もある。1968年、米オハイオ州ノーウオークの小学校で集団発生した急性胃腸炎患者から検出。02年に国際ウイルス学会で土地の名前にちなんで正式に命名された。