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February 21, 2010 space
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東芝「Dynario」燃料電池のモバイルバッテリーを試してみた。

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モバイルで特にずっ〜と期待をされていた燃料電池ですが、やっと昨年東芝が「Dynario」と言うネーミングでネット限定で販売を開始しましたが、やはりモバイル用途なのに大きいし燃料補給の手間もあり、限定でしたがまだ売っている?ということは売れてないでしょうか?
 

dynario_002.jpg

 

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 「燃料電池って何?」という人も多いでしょう。
 
 燃料電池は、簡単に言えば「水の電気分解」を逆にすることで発電する仕組みで、理科の授業で知った人もいるでしょうが、水に電気を流した場合には、水素と酸素に電気分解されます。これを逆転させて、水素と酸素から水と電気を生み出す原理を応用したのが「燃料電池」なのです。
 
燃料電池が発電する方法は大型の機器ならば、ガスを利用する方法や、食品を使うものもありますが、東芝が開発した「Dynario」では、燃料カードリッジ内の高濃度メタノールを使用した「DMFC方式」を採用して発電する仕組みです。
 

dynario_003.jpg

 
このDMFCとは、ダイレクトメタノール形燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell)の略称で、メタノールを燃料として、化学反応で生じる電気を利用するというもので、言ってみれば、電池というよりも小型の発電機になります。
 
dynario_03.jpgDMFCの簡単な仕組みですが、燃料となるメタノール水溶液をアノード(燃料極)というところに供給する。そうすると、メタノールが電子(e-) とプロトン(H+。水素イオンのこと)と、二酸化炭素(CO2)に分解され、この時に電子がそのまま電気となり、さまざまな機器に利用できるのです。この電子はその後、カソード(空気極)というところへ移動して、プロトンとともに、空気中の酸素と反応、水蒸気(H2O)となって外部へ排出されます。これが、DMFCの一通りのサイクルである。
 
 
 Dynarioの本体サイズは、150×21×74.5mm(幅×奥行き×高さ)。
 
 一般的なモバイル電源と比べるとやはり大型ですね、しかし発電する仕組みを考えれば十分にコンパクトと言えるのでしょう。重量は約280gと過去に発売されてきた大型の携帯電話並の重さです。
 
本体の正面を見ると、ボディ全体がメッシュで構成されていますが、これは吸気と発電時に生じる微量の水蒸気を安全に外部に排出するためにこのようなボディになっているようです。そのほかは燃料タンクのメタノール残量がわかるゲージ、出力スイッチとシンプルです。裏返して本体底部を見ると、直立させるための回転式スタンドと、メタノールの注入口がある。
 
 側面には、付属のUSBケーブルの差し込み口がある。ここに挿したケーブルと、モバイル機器のUSBケーブルを接続することで充電できるわけだ。本体への接続は独自形状の端子となっているため、付属のケーブル以外の使用は不可能となっている。出力はDC5V 400mA。
 
 
 メタノールで発電、余剰電力はリチウムイオン電池に充電
 
dynario_01.jpg メタノールの補充には、Dynario専用の燃料カードリッジを使用する。この中には、高濃度メタノールが50mlが入っている。5本入りで3,150円で、エネループとは比べられないでしょうが…高い気がしますね。
 
 補充方法は、カートリッジのキャップを外して、燃料カードリッジを本体の燃料注入口に取り付けてプッシュバーを押すだけですが、最初はやり方に手間取りそうです。本体の燃料タンク容量は15ml。注入量は正面にある燃料ゲージで確認できるので、ライターのオイルを入れた経験のある人なら、出来るでしょう。といったオペレーションです。
 
 
 燃料を注入して、本体底部のスイッチをONにすれば発電がスタートします。
 
 発電中は振動やニオイ、音も特に感じられず、淡々と進んでいく。出力ボタン長押しのあと電子音がわずかに聞こえるくらいで、その時間は短く以降は無音。DMFCの性質上、発電中は水蒸気が発生するはずですが、メッシュ部分に触れても“湿ってるか?と判らない程で、印象は大きなバッテリーかといった印象です。
 
ただし冬場のオイルヒーターのように微熱ですが熱が発生します。発電中は本体はホッカイロ並みに暖かくなりますが、専用ケースに入れておけばほとんど熱は気にならないでしょう。
 
Dynarioは、モバイル機器の充電が終わると、内蔵のリチウムイオン電池を充電する運転へと切り替わる仕様になっているため、本体が熱を持ったのも、この本体内のリチウムイオン電池を充電していることが影響してるのではないでしょうか。この内蔵リチウムイオン電池の充電は、付属の入力用USBケーブルでも可能なので、燃料電池なのに充電して持ち歩くことも可能です。
 
 
さて!気になる充電能力ですが、リチウムイオン電池の補助込みでDC5V 400mAという仕様で、これならば平均的なケータイ電話を充電する場合、1回の燃料注入で2回は充電できることになります。カートリッジは50ml、本体のタンク容量は15mlなので、単純に計算して7回は充電可能といったところでしょうか。
 
燃料カードリッジは5本セットで3,150円、Dynario本体と同様東芝のShop1048で販売されています。1本630円で、1本当たり携帯電話が7回充電可能で、携帯1回あたりの充電コストは 630÷7 = 90円となります。乾電池と比べても安いんじゃない!と思いますが、この計算に本体価格を加えれば、価格はさらに跳ね上がるので、そこは目をつぶって…エネループの方が単3一本で4円で充電できるので…日常生活で燃料電池を使うには、本体の価格が更に安くなってからが本番なんでしょうか。
 
 

東芝「Dynario」燃料電池
 

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HOMENews BlogsScience Technology mobile スマートフォン/PDA | February 21, 2010 |  twitter Livedoor Buzzurl はてな Yahoo!ブックマーク人が登録
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