こどもの１歳の誕生日に一升のお餅を背負わせる？これも昔からの慣わしで、日本固有の風習なんですね。この風習は地域によっても違いますが、そもそもは陰陽師が企画・立案した当時の制度で、日本の人々が健康で幸せに暮らせるようにと、年齢や性別、季節ごとに行う行事として、日本の文化に根づいた（そりゃ１０００年も同じこと繰り替えしていれば文化にもなります）この風習を守り・続けた国民性が文化なんでしょう。。。
一歳は特別なお祝いなんですね。 昔は年齢を数えで計算していたので、誕生日の概念がなかったようですが、何事でも「初」のものは特別なので、生まれて始めての特別な誕生日にはお餅でお祝いする習わしが出来たのでしょう。 餅を背負う？ 諸説ありますが、「一生食べ物に困らないように」と言う意味です。 「一生(一升)餅(食べ物)を背負う」つまりは順調な人生を願ったのでしょう。
地域によっては重ねたお餅を踏ませたり、小さなわらじを履かせて歩かせたり筆（芸術家）・そろばん（商人）・お金（富豪）を並べて餅を背負ったまま子供がどこに歩いていくかで将来を占ったりもします。お餅は古来より神様に捧げられる神聖な特別な食べ物だったようです。 それで餅を食べることで特別な力を授かると信じられていたとか。その事から「食べ物の代表＝餅」になったと思われます。 紅白の色はご存知の通りおめでたいことを表す色です。円形のお餅を重ねる＝「縁（円）を重ねる」と、これまた大変に縁起を担いでいるようです。これは東日本にこの紅白2段重ねが多く、西日本では白一段の一升餅が多いようです。他にも地域によってはあんこ入り、板状に伸ばしたもの、楕円（足の形のイメージ）など色々と伝えられているようです。 餅を背負わせて転ばせる？ 「一生食べ物に不自由しない」＝「背負いきれない」と言う意味で軽く尻餅をつかせるとより意味が付きます。これも地域によって諸説あり、早く歩く子は家から出て行くので転ばせるとの説もあります。
また、地方によっては転ばずに歩ければ粘り強く（餅なので）人生を歩いて行けるとされるようです。本当に地域により様々ですごいところでは餅を背負って歩いている子供に小さい餅をぶつけて邪魔をして、それでも転ばなかったら縁起が良いとされる（安全第一で）地域もあるんだとか… 一升…1.8�� 「1升ってどのくらい？人や地域によってその重さが違うんです。1,5kgとか1,8kgとか色々違うのですが、この 「1 升」とは重量ではなくて、簡単に言うと「枡(マス)」の「一升枡」の容積が一升なのです。これを最近では「１」と「８」が縁起が良い数字で、「１」は万国共通で縁起が良いし、「八」は末広がりでこれまた非常に縁起が良いとされる数字です。他にも「８」と言う字はまじないの世界でも物質面・精神面での安定を意味するそうです。余談ですが、「一八」の中国語での発音は、「出世する・成功する」を意味する「有發」に似ていると中国では大変縁起が良いとされているんだとか。 知人・縁者・近所の人などを集めてお祝いを開き、儀式の後には誕生餅を切って分けて持ち帰っていました。幸せのおすそ分けでしょう。現在では皆で分けたり、調理して晩ご飯になったり幅広く使われております。 割れたら縁起が悪い？ いいえ縁起良いんです！昔から当地方で言われている一説なんですが、一升餅や鏡餅には太陽神の天照大神が宿るとされており、このお餅自体が天照大神（アマテラスオオミカミ）が姿を隠した「天の岩戸」とされていたんです。この天の岩戸に天照大神が隠れてしまったので太陽が出ず、作物が実らなくなる。そこで岩戸の近くで踊りや宴会等を行い、太陽神の天照大神を天の岩戸から誘い出そうと「アマテラス様、あなたよりもっと立派な神様がおいでです。」と岩戸の隙間に鏡を置いて天照大神に自分が映る様にみせた所、女神が確認しようと少し天の岩戸を開いた時に天手力男神（あまのたぢからのみかみ）が岩戸を開き、天照大神が表に出て来て、太陽が戻ったとされる、古事記の一説に例えているんです。 なので、割れたとなると実は女神様のご加護があると言う事でとっても縁起のいい事とされています。ちなみに、ここで出て来た天照大神に見せる為に映した鏡が三種の神器の一つ八咫鏡（やたのかがみ）のことで、またこの時の踊りが、現代の神楽舞の原型とされている所もあります。現に、当地方、私のやっていた「神楽舞」のなかに出てくる歌の一節に「天の岩戸も押し開く、これも神代のはしめなり、いさや神楽もまいあそぶ、この時に白太のごへいをもって太平楽世とあらたまる」とあるのですが、この神楽舞はその年の豊作を願って神様に奉納されます。 割れなかった場合でも…割れなかったので縁起が悪い？ 割れなかった場合は、包丁で切る事で割れると同じ事を意味します。鏡餅を切る事を「鏡開き」と言いますよね、そうなんです、鏡餅や一升餅が割れる事を「割れる」とは言わないのです。天の岩戸が開いたと言う様に、「開く」と言います。ですので、包丁等で一升餅を開いても同じ意味を指します。 ■楽天：一升餅
