元トヨタのドライバーである小林可夢偉は、2010年シーズンを前に、サウバーのドライバーとなることが発表された。この契約によって、来シーズンF1に参戦する日本人の正ドライバーが初めて発表されたことになり、またザウバーチームにとっても、BMWから元オーナーのペーター・ザウバーに買い戻されて以来、初めてのドライバー発表となった。
可夢偉は兵庫県尼崎市出身で、レーシングカートを経てフォーミュラ・トヨタで四輪レースデビュー。その後ヨーロッパに活動の場を移し、フォーミュラ・ルノー2.0のチャンピオン、ユーロF3を経てF1直下のGP2に進み、GP2アジアシリーズでは09年のチャンピオンを獲得している。 トヨタのドライバー育成プログラム(TDP)の一員として育った可夢偉は、07年からトヨタF1のテストドライバーに就任。09年は日本GPで負傷したティモ・グロックに代わりブラジルGP、アブダビGPに出走し、最終戦で6位入賞。チャンピオンのジェンソン・バトンらとも互角に戦う走りをみせ、関係者からは抜群の評価を与えられていた。