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June 21, 2010 space
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”神の粒子”ヒッグス粒子とは・・・

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”神の粒子”ヒッグス粒子とは・・・宇宙の質量の起源と考えられている理論上の粒子は、宇宙のすべてに質量を与えると考えられているため、“神の粒子”という名も持っている。
 

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 “神の粒子”は5種類あるとの新証拠
 
 物理学の標準模型では説明できない“刺激的”な研究結果が発表された。“神の粒子”が5種類存在する可能性が加速器実験で示されたという。
 
欧州原子核研究機構(CERN)が運営する大型ハドロン衝突型加速器(LHC)での実験も、ヒッグス粒子の発見を目指している。LHCは2010年3 月、半分の出力で粒子衝突実験を開始した。
 

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物理学の標準模型では、すべての素粒子はヒッグス粒子との相互作用によって質量を獲得するとされている。このヒッグス粒子は1種類ではなく、質量は似ているが電荷の異なる複数の種類があるとする説もある。
 
今回、アメリカのイリノイ州バタビアにあるフェルミ国立加速器研究所の研究者たちは、複数のヒッグス粒子が存在する新たな証拠をつかんだと主張している。
 
アメリカ、イリノイ州のフェルミ国立加速器研究所(通称、フェルミ研究所)でまったく新しい素粒子が発見されていたことが、先週明らかになった。この素粒子の存在はこれまでの予測の範囲外にあり、実験を行った研究者によれば素粒子の構成原理がすべて書き換えられる可能性があるという。
 
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 今回発見された粒子はY(4140)と命名された。素粒子の構成モデルは現在2種類あるが、Y(4140)はそのどちらにも当てはまらず、その構成要素すらわかっていない。

 従来の理論では、6つの種類(「フレーバー」)を持つクオークという基本粒子の組み合わせによって複数の素粒子が構成される。そのうち、中間子と呼ばれる素粒子は、クオーク1個と、その反粒子(反対の属性を持つ粒子)である反クオーク1個で構成される。また、バリオンと呼ばれる素粒子はクオーク3個から構成され、陽子や中性子などはこのバリオンに分類される。
 
フェルミ研究所の陽子・反陽子衝突型加速器テバトロンによる「Dゼロ」と呼ぶ実験で最近、陽子と反陽子を衝突させた場合、反物質より物質の粒子ペアが生じる確率の方が高いと判明した。
 
確率の差は1%未満で、ごくわずかだ。それでも、今回の研究に参加した同研究所の理論物理学者アダム・マーティン氏によると、ヒッグス粒子の種類を1つとする標準模型では説明できないという。「本当にわずかな違いだが、標準模型のルールにとっては非常に大きな差だ。1種類しか認めない標準模型は、Dゼロ実験の結果を説明するには不足だ」とマーティン氏は話す。
 
一方、ヒッグス粒子が5種類あると仮定すれば、実験結果の説明が成り立つ。この考え方は標準模型の拡張版で、2ヒッグス二重項模型と呼ぶ。「標準模型を拡張する際、新たな粒子や相互作用を導入した。その相互作用は、物質や反物質に異なる形で作用する可能性があり、より有意義な実験結果が得られるかもしれない」とマーティン氏は話す。
 
もし複数のヒッグス粒子が存在すれば、それぞれが物質に異なる形で作用している可能性がある。その場合、標準模型の枠を超えた未知の理論が見つかるかもしれないと研究チームは期待している。「標準模型を拡張する方法の多くが、第1段階として複数のヒッグス粒子を付け加えている」とマーティン氏は言う。
 
同じフェルミ研究所に所属する理論物理学者クリス・クイッグ氏は、「今回の研究結果はかなり刺激的だが、まだ予備的なものにすぎない」と強調する。「疑う理由はないが、これほど意外で理解が難しい結果については、時間をかけてじっくり考えていく必要がある。とにかく、早くから騒ぎ立てないことだ」。
 
もしマーティン氏らが主張する通りヒッグス粒子が5種類存在すれば、スイスのLHCでも検出できるはずだ。「われわれの解釈では、ヒッグス粒子が重すぎるという可能性はない。LHCが本格稼働を始めれば間違いなく検出できるはずだ」とマーティン氏は語る。
 
LHCの重イオン衝突実験装置ALICEのプロジェクト責任者で、イギリスにあるバーミンガム大学の物理学者デイビッド・エバンス氏は、電子メールで次のようなコメントを寄せている。「個人的には、ヒッグス粒子が 5種類ある可能性は低いと思うが、もし正しいと証明されればLHCからますます目が離せなくなるだろう」。
 
今回の実験結果は、物理学の研究論文が登録されているウェブサイト「arXiv.org」で公開されている。
 

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