メルセデスの記者会見は、月曜日の正午過ぎにドイツの首都ベルリンで行われた。メルセデスは元ホンダチームの買収について説明し、ロス・ブラウンはチーム代表として留任することになっている。買収は、メルセデスが45.1%の株を獲得することで行われ、アブダビ企業のアーバー・インベストメンツが30%、ブラウンと最高責任者のニック・フライは、24.9%の株を所有することになる。
「ブラウンGPはこの12ヶ月の間すばらしい旅をしてきた」とロス・ブラウンは語った。「生き残るために戦い、メルセデスベンツ・ハイパフォーマンスエンジンズと強力な関係を構築し、コンストラクターズとドライバーズワールドチャンピオンシップを両方獲得した。そして現在、ダイムラーとアーバーからのチーム買収のオファーを受け入れることにした。これはチームの未来を守ることになるだろう」
メルセデスが1955年以来ワークスチームとして復帰
マクラーレンはもはやメルセデスのワークスチームではないが、メルセデスは、マクラーレンとの長期のエンジンパートナーシップを、少なくとも2015年まで継続することも明らかにした。
結果として、ニコ・ロズベルグとニック・ハイドフェルドのドイツ人二人が、メルセデスのドライバーラインアップとして現在予想されており、マクラーレンにはジェンソン・バトンが加わり、イギリス人チャンピオンコンビが誕生すると予想されている。
バトン⇒マクラーレン、ロズベルグ⇒ブラウンか?
イギリスにおける最近の報道によると、ジェンソン・バトンは2010年マクラーレンへ移籍し、ルイス・ハミルトンのパートナーとなるだろうと言われている。一方、ニコ・ロズベルグはブラウンGPへ移籍し、メルセデスベンツのチーム買収に決着がつくと再び噂されている。
メルセデスは1995年以来マクラーレンと提携してきたが、現在ブラックリーに本拠地を置くブラウンに全力を注ぐため、マクラーレンの株を売却している可能性がある。ロズベルグがウィリアムズから移籍するブラウンは、根本的にイギリス・ドイツチームとなるだろう。
ロズベルグの移籍は、ブラウンから移籍したルーベンス・バリチェロとの事実上の交換を裏付けるものになる。また、マクラーレンでのハミルトンとバトンのラインナップは、イギリスチームにイギリス人ドライバー二人となり、1989年のアラン・プロストとアイルトン・セナ以来のチャンピオン二人のラインナップになる。
『ミラー』紙によると、ブラウンGPは、メルセデスのパートナーシップを招き寄せ、ロズベルグと契約することを望んでいるが、バトンがロズベルグに勝ってしまうことを恐れてもいる。従って、チームは現チャンピオンの報酬を上げることを拒み、バトンをマクラーレンへ移籍するよう仕向けているという。ブラウンでのメルセデスとロズベルグのつながりは、広報の観点から、特に必然的にドイツからの関心を集めるという点で、元ホンダチームにとっても利益となる。
メルセデスは月曜日に記者会見を開き、2010年の計画を明らかする予定である。
マクラーレン メルセデスとのエンジン契約更新
メルセデスがブラウンチームの株のほぼ過半数を所有したことが明らかになったが、メルセデスは、少なくともあと6年マクラーレンにエンジンを供給し続けるという契約を更新したことも発表した。
2010年以降、マクラーレンはメルセデスのワークスチームではなくなるが、1995年から始まったメルセデスとのパートナーシップは継続することになる。マクラーレンでは、来年ジェンソン・バトンとルイス・ハミルトンのラインナップになることが予想されている。
「これはマクラーレンとダイムラー双方に利益のある状況だ」と、マクラーレン・オートモーティブの会長であるロン・デニスは語った。「私がしばしば述べてきたことだが、21世紀のF1で生き残り成長するためには、チームは単なるチーム以上の存在にならなければならない。そういう訳で、グランプリで戦って優勝し、ワールドチャンピオンシップを獲得するのに必要な収入源を開拓し、維持するためには、F1チームを経営する企業は、商業活動の範囲を広げなければならない」
「それにもかかわらず、我々のパートナーは皆、F1の中で極めて重要な役割を果たし続けている。そのような理由もあり、またメルセデスが作成するエンジンはとてもコンペティティブであるから、メルセデスベンツが、エンジンサプライヤーとしてだけでなく、2015年まで、おそらくそれ以降も我々のパートナーであり続けてくれることを、非常に嬉しく思っている」
ロン・デニスは、この先何年かはマクラーレンにとって、間違いなくとてもエキサイティングな年になると付け加えた。
ニコ・ロズベルグとニック・ハイドフェルドが、メルセデスGPでドイツ人二人のラインナップになることが予想されており、マクラーレンでは、ジェンソン・バトンがルイス・ハミルトンのチームメイトとして迎えられることになりそうである。