映画「アバター」は、ジェームズ・キャメロンの一般劇場で公開される作品としては12年ぶりの監督作品で3D映像で撮影され、いくつかの劇場では3Dで見ることができる。宇宙の遙か彼方で地球人類が発見した衛星パンドラでの出会いと事件を描く。衛星パンドラの美しさ、異星人との出会いを経て、「人間とは何か」というテーマを問うSF大作である。
「アバター」では、地球から遙かに離れた衛星「パンドラ」が舞台となる。時代は人類が宇宙進出を果たした22世紀だ。パンドラには物体を空中に浮かせる貴重な鉱物アンオブタニウム(1kg=20億円)があり、この鉱物を採掘しようと企業を中心に計画が進められていた。核になるのが「アバター計画」である。 パンドラには知能が高く、3メートルの身長と尾を持つ原住民「ナヴィ」が原始的な生活を送っている。アバター計画はナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体“アバター”を作り出し、人間の脳波でコントロールし、アバターによってパンドラの調査、採掘作業の準備をするというものだった。 主人公の元兵士のジェイクは事故で下半身が動かない体となってしまっていた。生きる目的を失いかけたジェイクは死んでしまった双子の兄が進めていたアバタープロジェクトから誘いを受ける。アバターはコピーしたDNAと同じものでしか動かせない。兄は死んでしまったが、一卵双生児のジェイクならば兄のDNAで作ったアバターを動かせるのだ。アバターという第2の体を得たジェイクは歓喜する。再び両足で地面が踏みしめられるようになったのだ。 ジェイクは生物学者のグレース博士などアバタープロジェクトのメンバーと共に、アバターでパンドラを探索していく。あるきっかけで命を救われたナヴィの1部族の族長の娘ネィティリと知り合い、ジェイクはやがて恋に落ちていく。ジェイクは徐々にナヴィの生活を学び、受け入れられていった。しかし地球軍の決断がジェイクとネィティリの運命を大きく翻弄する。鉱物確保に焦った地球軍はロボット兵器等と共に軍隊を投入、ナヴィに対し戦争を仕掛ける。ジェイクは2つの種族と恋の狭間で苦悩する。彼が下した結論とは?
映像では、宇宙空間からパンドラに近付く地球の船、アバターを見つめるジェイク、アバターとなり足が動くことに興奮を抑えられないジェイクの様子、緊張しながらパンドラに降り立つアバター達といった場面が展開する。そしてジェイクを救うネィティリ。夜の幻想的な森の中で襲撃してくる原住生物を次々と倒すネィティリは、キャメロン監督が作品の中で繰り返し描く「強く美しいヒロイン」を受け継いでいると感じさせた。ナヴィは長い尾を持ち、人間の2倍近くの身長がある。とがった耳や縦長の頭など人間とは違った外見だが、野生動物と人間のどちらの美も感じさせる。
フッテージなため、場面は次々と変わり細かいストーリーはわからないのだが、ジェイクがナヴィに受けいられていく場面が描かれる。ナヴィには触手のような特別な感覚器があり、これを野生動物の同じ感覚器にからみつかせることで意のままに操ることができるのだ。ジェイクはこの力で翼竜のような生物バンシーをてなづけ、自由自在に空を飛び回る。「空に岩塊が浮かぶ」というパンドラならではの風景は特に3Dと相性が良く、岩の間に伸びた木の根を渡る“高さ”の恐怖感、空を飛ぶ爽快感が感じられた。
ここからは瞬間的なカットが続く。パンドラに次々と降下する巨大な人型兵器、弓と矢で立ち向かうナヴィ達。ストーリーがどう展開するか興味が惹かれた。「アバター」は日本では12月23日より全国公開される予定。 「アバター THE GAME」は3つのストーリーと映画を補完する情報が魅力 「アバター」のゲームに関しては、「アバター THE GAME」としてユービーアイから2010年1月7日に発売予定だ。プラットフォームはPS3、Xbox 360、DSの3機種となる。本作は、日本では今回の東京ゲームショウ2009で公開された。ゲームショウで公開されたのはPS3とXbox 360版で映画同様3Dに対応するモニターと3Dグラスさえあれば立体的な映像を楽しめるという。