国際オリンピック委員会(IOC)は2日、コペンハーゲン市内で開いた総会で、2016年夏季五輪の開催地にリオデジャネイロ(ブラジル)を選出した。南米での開催は五輪史上初めてとなる。「環境五輪」を前面に押し出し、52年ぶり2回目の開催を目指した東京は2回目の投票で落選。1988年五輪に立候補した名古屋、08年五輪の大阪に続き誘致はならなかった。
「2016年東京オリンピック」まぼろしに…2回目投票で落選 2016年の第31回夏季オリンピック大会の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会は2日、コペンハーゲンで開かれ、2回目の投票で、1964年大会以来2度目の開催を目指した東京は最少得票に終わり、落選した。
日本の夏季五輪招致では、名古屋がソウルに敗れた88年大会、大阪が北京に敗れた2008年大会に続いて3連敗。東京は、鳩山首相が「環境五輪」を訴え、シカゴ(米)、リオデジャネイロ(ブラジル)、マドリード(スペイン)と争ったが、敗れた。 投票に先立って行われた招致演説(プレゼンテーション)では、シカゴ、東京、リオデジャネイロ、マドリードの順に最後のアピール。シカゴは、オバマ米大統領がミシェル夫人とともに演説し、「人間性には、(戦争やテロなど)暗い側面もたくさんあるが、平和の下で行うスポーツは我々の本質は何かを思い出させる。ぜひシカゴを、米国を選んでほしい」と訴えた。
東京は、鳩山首相が「(近代五輪の父)クーベルタン男爵の思想を支える友愛は、私の信条でもある。東京が(五輪という)マジックを共有できることを望む」と意欲を語った。リオはルラ大統領が「南米中の若者たちのために、五輪を新たな大陸にもたらしてほしい」と南米初開催の意義を強調。最後に登壇したマドリードは、サマランチ前IOC会長が「もう一度、五輪を開催し、祖国をひとつにする機会を与えてほしい」と語りかけた。
投票は午後5時10分(日本時間3日午前0時10分)から、過半数を獲得する都市が出るまで最少得票の都市を除外する方式で実施。最終結果は午後6時30分(同午前1時30分)ごろにIOCのロゲ会長から発表される。
リオは治安や財政基盤、インフラなどの面で他都市に劣るとして、1次選考では最下位の評価だった。しかしIOCが現地調査を踏まえ、9月上旬に公表した報告書では一転して「とても質が高い計画」と評価が急上昇し、有力候補都市となっていた。14年にサッカー・ワールドカップ(W杯)の開催が予定されていることもマイナス要素にはならなかった。