永遠に続くものなど何もなく、Googleもその無料のサービスも、ほかの多くのサービスのように価値を失うだろう。。。それには5年かかるかもしれないし、10年かかるかもしれないが、いつかは Googleの存在しない世界になるだろう。
ブラック・スワン(黒い白鳥)とは、我々の科学が通常用いている帰納的方法論への挑戦だ。あるいは、我々の日常生活における偏狭な“常識”というものをあざ笑う存在でもある。 オーストラリアで発見されるまで、旧世界の人たちは白鳥と言えばすべて白いものだと信じて疑わなかった。経験的にも証拠は完璧にそろっているように思えたから、みんな覆しようのないぐらい確信していた。はじめて黒い白鳥が発見されたとき、一部の鳥類学者(それに鳥の色がものすごく気になる人たち)は驚き、とても興味を持ったことだろう。(ナシーム・ニコラス・タレフ著、望月衛訳『ブラック・スワン(上)』P3、ダイヤモンド社刊) つまり、今までの何百万羽という観察の結果が、たった1つの例外でくつがえってしまうということだ。帰納的方法論の致命的欠陥である。 同書では「異常であること」「大きな衝撃があること」「後から説明をでっち上げることが可能であること」の3つに当たる事象を“黒い白鳥”として扱っている(今回の金融危機もそれに近い)。著者はクオンツ※出身なので、金融工学が頼りとする仮定(対数正規分布など)への批判を中心に話は進んでいくのだが、ここでは経済や投資の世界を離れて、“黒い白鳥”の思考方法が我々の日常生活の意志決定にどのように生かせるか考えていこう。 ※クオンツ……高度な数学的手法を用いて、市場を分析したり、投資戦略や金融商品を考案・開発したりする専門家のこと。
プロバスケットボールチームのダラス・マーベリックスのオーナーでハイテク業界評論家のマーク・キューバン氏が先日、ユーザーにコンテンツを無料で提供している企業についての興味深いブログを書いた。WIREDのクリス・アンダーソン編集長の新しい著書「Free: The Future of a Radical Price」が話題になっていることを考えると、実にタイムリーだ。 キューバン氏は基本的に、無料コンテンツの提供で成功した企業は、全方位から信じられないほどのプレッシャーを受けると主張している。彼らは成功し、そして膨張する。ユーザーに無料サービスを提供し続けるお金を稼ぐために、人を増やし、インフラを強化するからだ。 彼らはさらに大きくなり、存続のためにもっとお金を稼がなければならなくなる。そこに至るまでに、革新を見失ったり、革新を止めてしまって、もっと進化した、だが同じく無料サービスを提供する企業に打ち負かされることになりがちだ。 キューバン氏はGoogleをその一例として使っている。検索とWebサービスを無料で提供し、オンライン広告で年間150億〜200億ドルを稼いでいる企業を。同氏は次のように書いている。 タダに生き、タダに死ぬGoogleに関して言えば、どの企業が彼らのブラックスワンとなるのかは分からない。だが、いずれブラックスワンが登場するということは皆知っている。問題はそれがいつかということだけだ。 もちろんGoogleにもそれは分かっている。だからこそ彼らは、将来頼みの綱になる新事業を作り出せると思われるあらゆるものに投資している。彼らは「次のGoogleの重大ビジネス」を探し求めて信じられないほどの金額を投じている。 ブラックスワンとなるライバルが登場したとき、Googleは新たに現れたビジネスモデルと競合することになる。それが無料を基盤とするモデルであればなおさらだ。Googleのエコシステムは、もはや何もタダでは作り出せないレベルにまで膨張しているからだ。
タダに生き、タダに死ぬGoogleに関して言えば、どの企業が彼らのブラックスワンとなるのかは分からない。だが、いずれブラックスワンが登場するということは皆知っている。問題はそれがいつかということだけだ。 もちろんGoogleにもそれは分かっている。だからこそ彼らは、将来頼みの綱になる新事業を作り出せると思われるあらゆるものに投資している。彼らは「次のGoogleの重大ビジネス」を探し求めて信じられないほどの金額を投じている。 ブラックスワンとなるライバルが登場したとき、Googleは新たに現れたビジネスモデルと競合することになる。それが無料を基盤とするモデルであればなおさらだ。Googleのエコシステムは、もはや何もタダでは作り出せないレベルにまで膨張しているからだ。