テニスの全仏オープン最終日の7日、男子シングルス決勝戦が行われ、3年連続準優勝の第2シード、ロジャー・フェデラー(スイス)が第23シードのロビン・ソデルリング(スウェーデン)をストレートで下して初優勝した。この結果、史上6人目となる生涯グランドスラム(4大大会全制覇)を同時に達成した。また4大大会の優勝回数がトータル14回の優勝となり、ピート・サンプラス(米)の最多記録にも並んだ。
遂にサンプラス(米)の最多記録に並んだ。 男子シングルスで初優勝し、99年の覇者アガシ氏(右)から優勝杯を手渡されるフェデラーは会見場に優勝杯を持参し、報道陣の拍手に迎えられ、27歳は照れくさそうな笑顔を浮かべた。 まず、決勝は思ったより簡単だったかと問われた。「ずっと勝てなかったパリだし、ソデルリングはずっといいプレーをしていた。でも最高のスタートを切れて落ち着いた。 第2セットのタイブレークは、これまでの中でも最高の部類に入る。四つもサービスエースを決めることができたんだから」。確かにこのタイブレーク、フェデラーにはすごみがあった。4大大会の決勝が初めての相手は、完全にのまれていた。 04年の全米優勝でリーチをかけてからも、全仏でラファエル・ナダル(スペイン)に負け続けた。「06年に初めて決勝に進んでナダルに負けてから、つらい道のりだった。だけど待ったからこそ、喜びも大きいんだ」 ナダルが4回戦で敗れた時の思いにも触れた。 「彼がいなくなって、がっかりした。同時に、大きなチャンスだと思った。その分プレッシャーもあった」 4大大会の優勝回数で並んだサンプラスは全仏で勝っていない。 あなたが世界一ではと聞かれ、「まだ僕は現役で、いくつもの戦いに挑んでいく。記録には固執しないけど、また新たな記録を作れたら、とは思う。ナンバーワンかどうかは、引退時にみなさんで判断してほしい」。まずは22日開幕のウィンブルドンで、4大大会優勝回数の更新に挑む。