2009年F1第7戦トルコGPが6月7日(日)、イスタンブール・スピードパーク・サーキット(1周/5.338km、7日決勝58周/309.396km)で3日目を迎え、現地時間15時(日本時間21時)から決勝が行われた。 前日に行われた予選でポールポジションを獲得したのはセバスチャン・ベッテル(レッドブル)だった。ブラウンGPのジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロは、それぞれ2番手と3番手になっていた。マーク・ウェバー(レッドブル)も4番手になったことで、前の2列はレッドブルとブラウンGPの2チームが独占することとなった。しかし、予選後に発表された車両重量によると、ベッテルはバトンよりも6kg軽いことが明らかとなっている。過去に行われたトルコGPは、すべてポールポジションからスタートしたドライバーが優勝している。また、ポールを獲得したベッテルは、ポールからスタートしたレースではすべて優勝している。
決勝スタート直前の天候は晴れ、気温32度、路面温度49度となっている。 シグナルが消えると、スタートに失敗したバリチェロが大きく順位を落とした。1周目には、各コーナーで目まぐるしく順位が入れ替わっている。ベッテルは 10コーナーの出口でコースオフしてしまい、バトンに抜かれてしまった。その後、バトンはファステストラップを更新しながらベッテルとの差を少しずつ広げている。
6周目、最終セクションでバリチェロがヘイキ・コバライネン(マクラーレン)を抜いた。しかし、KERS(運動エネルギー回生システム)を搭載しているコバライネンが、ホームストレートでバリチェロを抜き返した。そのままバリチェロとコバライネンはバトンを続け、9コーナーで接触し、バリチェロがスピンしてしまった。これでバリチェロは17番手までポジションを落とした。
18周目、トップになっていたウェバーがピットイン、2番手になっていたロズベルグも同時にピットインした。上位勢では、ピットストップで順位が入れ替わることはなかった。給油量を少なくしたベッテルは、トップのバトンよりも速いラップタイムで走行し、バトンとの差を縮めている。 22周目を終了した時点で、バトンとベッテルの差は1.6秒になっている。24周目が終了する頃には、ベッテルとバトンの差は1秒以下になった。 28周目、バトンの背後まで迫っていたベッテルがピットイン。ベッテルはまだソフト側のタイヤを使っていないため、3ストップが確実となった。 34周目、ネルソン・ピケJr.(ルノー)がターン12でルイス・ハミルトン(マクラーレン)の横に並んだ。しかし最終セクションでバトルを繰り広げた2 台だったが、最終的にはピケJr.がハミルトンの前に出た。 42周目にトップのバトンがピットイン、2番手のウェバーも同時にピットインした。2回目のピットストップを行っていた中嶋一貴(ウィリアムズ)だったが、左フロントタイヤの交換に時間がかかってしまった。 48周目、ベッテルがピットイン。ウェバーの後ろでコースへ戻っている。また、ここでバリチェロがガレージに入り、ブラウンGPとしては始めてのリタイアとなった。 ベッテルは3回目のピットストップ後、前を走るウェバーよりも速いペースで走り、ウェバーとの差を縮めてきている。 55周目が終了した時点で、ウェバーとベッテルの差は1.6秒になっている。しかし、ベッテルはチームから、クルマをいたわるように無線で指示された。だがベッテルは、ペースを緩めることなく、ウェバーとの差を確実に縮めている。結局、バトンが今シーズンの6勝目を記録した。またベッテルは、ウェバーを抜くことなくレースを終えている。
トップ8位以外の日本勢としては、中嶋一貴(ウィリアムズ)が12位となった。 2009年F1は、イギリスへと戦いの場を移す。シルバーストンで開催されるイギリスGPは、6月19日(金)現地時間10時(日本時間18時)から始まる。