マッコウクジラがつくり出す幻の香料「竜の涎」。クジラの体内でできる香料「竜涎香(りゅうぜんこう)」として、国立科学博物館に長年保存されていたカボチャのような形の塊が、カネボウ化粧品(本社・東京)の鑑定で高品質の本物と分かった。
竜涎香は、マッコウクジラの腸内でできる塊状の動物性香料。 何らかの分泌物が固まったものと考えられているが、どうしてできるのか、なぞに包まれている。6〜7世紀にアラビアで使用されていたという記録があり、中世ヨーロッパの貴族も香水などで珍重したという。中国では竜の涎(よだれ)が固まってできたと考えられ、名前の由来になった。 龍涎香の主成分は、コプロスタノール(ステロイドの一種)とアンブレイン(トリテルペンの一種)です。 独特の香りは、このアンブレイン(Ambrein)が酸化・分解されて、様々な香成分を生成することにより得られます。だから、アンブレインを多く含む龍涎香ほど、品質が高いとされるそうです。でも、純粋なアンブレイン(Ambrein)は無臭。あくまで酸化分解してできた生成物が香の素なんです。