NASA火星探査機「オポチュニティ」が、誰も予想しなかった火星での活動期間5年目を遂に記録しました。一方の双子の探査機「スピリット」は、火星の柔らかな土に車輪を取られ、このまま立ち往生する可能性があると先日発表されましたが、「オポチュニティ」はリスクを冒した冒険で、水の存在を示唆する同様の痕跡をビクトリアクレーターで発見したそうです。
太古の火星では、形を頻繁に変える砂丘の下にアメリカのオクラホマ州の面積(約18万平方キロ)に相当する大きさの地下水脈が隠れていたという。この事実がNASAの火星探査車オポチュニティによって突き止められた。 オポチュニティは2004年にも、かつて火星に地下水が存在していたことを示唆する鉱物とブルーベリー形状の岩石をエンデュランスクレーターで発見している。 そして今回また新たに、水の存在を示唆する同様の痕跡をビクトリアクレーターで発見した。このクレーターはエンデュランスクレーターから約6キロ離れた位置にあり、クレーターの側面には珍しい岩石層も見つかった。これは古代の砂丘が石化して残されたものと考えられている。 アメリカのニューヨーク州にあるコーネル大学の教授で、火星探査車プロジェクトのリーダーでもあるスティーヴ・スクワイヤーズ氏は次のように解説する。「火星の水は局地的にオアシスを形成していたのではなく、もっと大きな範囲で地形を形作っていたのではないかと考えられていたが、今回の発見でその仮説が証明されることになった。数キロ離れた2カ所で同じ地形が発見されたということは、その地形形成プロセスがこの地域の大部分で作用していたことの証左となるかもしれない」。
また同氏は、「水が生命にとって不可欠な要素だというのは多くの科学者たちの共通した考えだ」とも指摘した。
2006年、火星探査のプロジェクトチームはビクトリアクレーターにオポチュニティを送り込むかどうか長い間決めかねていた。クレーターに入るには起伏の激しい地形を通らなければならず、老朽化した探査車の操舵システムや車輪では耐えられない可能性があったからだ。なんらかの故障が発生すれば、オポチュニティは二度とビクトリアクレーターから出られなくなる。ミッションの責任者はそう危惧していたのである。 「リスクはあったが、このミッションを実行に移して良かった。新たな発見があったのだから」とスクワイヤーズ氏は言う。オポチュニティは2008年8月にビクトリアクレーターを無事抜け出し、現在は約13.5キロ離れた場所にあるさらに大きなエンデバークレーターへ向かってゆっくりと前進している。 「実際にビクトリアクレーターの中に入って確認する以外に、水脈の規模を知る術はなかった。ただしクレーターに入るだけではだめで、無事に抜け出して初めて任務完了となる」と同氏は話した。 この報告結果は、NASAの「Opportunity」活動報告ページに掲載されている。 ■ Life on Mars? Amazing photos from Nasa probe reveal mystery figure on Red Planet(Dailymail 1/24) ■ NASA Mars Exploration Home 火星探査車オポチュニティ 6年目の火星滞在!しかも現役活躍中… 火星探査機オポチュニティ 5年目の大活躍! 火星探査機スピリット 5年目の活動、火星の土に車輪取られて立ち往生 火星探査機 4年目の危機…スピリッツ活動限界! 火星探査機 4年目!スピリッツとオポチュニティーまだ活動中・・ 火星探査機 3年目!火星は住みやすい?NASA 火星探査車オポチュニティー火星滞在3年目 火星の「青い」夕暮れ…NASAが画像公表 火星探査機 2年目オポチュニティーはまだ活動中・・巨大クレーターを撮影 火星探査車 オポチュニティーが火星の砂丘で立ち往生 火星探査車 オポチュニティー 火星滞在1年半で隕石を発見!これってすごい事? 火星探査車 オポチュニティー1年目の試練 “洗車完了” 太陽電池の電力が回復 火星探査車 火星に到着!「砂丘」を探査車オポチュニティーが撮影
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