FIAが、来シーズン2010年から最大で13チーム26台のF1マシンがグリッドに着くことができると木曜日に明らかにした。水曜日にパリで行われた会議を経て、同団体は2010年より13チームのF1参戦を認めることになった。
すでに発表されている予算制限とともに、FIAは2010年のチャンピオンシップに参戦するチームが5月22日から29日までの7日間にエントリーを済ませることを明らかにした。2週間後の6月12日にはコンストラクターのフルラインナップが発表される。 F1にはすでに10チームが参戦しており、来年からは新たに3チームが加わる見込みだ。しかし、この3つの空席にすでにUSGPE(元のUSF1)、プロドライブ、ローラ、iスポーツの4チームが参戦候補として挙がっている。 2010年よりレース中の再給油が禁止 FIAは、来シーズンよりレース中の給油を禁止することを発表した。この提案は最初にFOTA(フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション)によって話し合われ、正式に採用が決定されたことで各チームはクルマのデザインと戦略の再考を強いられることになった。
新しいルールの導入により、十分な燃料を積むために大型の燃料タンクをデザインする必要がでてきたが、燃料サプライヤーも全体的なパフォーマンスに及ぼす影響を最小限にするために燃費のよい燃料の開発を急がなければならないだろう。しかし、これらが上手くいっても、全てのクルマがレーススタート時に満タンの燃料を積むことから安全面に対する懸念が増すことになる。
FIAは、声明文の中で次のように語っている。「これは2010年から適用され、燃料装置の輸送コストの削減とエンジンメーカーに燃料節約の推奨を向上させるためにレース中の給油が禁止される」 2010年より4000万ポンドの予算制限 FIAは、2010年より4000万ポンドの予算制限を導入することを決定した。チーム側はこの新しいシステムに難色を示しているものの、もしこれを受け入れれば可動ウイングの使用や無制限のテスト、無制限のエンジン回転数などが認められ、技術的な自由度が増すことになる。
来シーズンのチャンピオンシップに参戦するチームは予算制限を受け入れるかどうかを明言しなければならず、技術的な自由を手に入れるか、現在のテクニカルレギュレーションを受け入れて無制限の予算を使い続けるかのどちらかを選ばなければならない。この制限は、マーケティング、ホスピタリティ、ドライバー俸給、FIAによる罰金やペナルティ、エンジンコスト、その他の支出(チャンピオンシップに影響を及ぼさない範囲)や税金など、チーム運営に関する支出をカバーすることになる。
技術的な自由の中で最も重点が置かれるのは、可動ウイングとエンジン回転数の制限撤廃だろう。また、チームはオフシーズンに無制限でテストを行うことができ、風洞の開発テストについてもスケールやスピードなどの制限もなくなる。 新規参入チームに補助金を支給 フォーミュラ・ワン・マネージメント(FOM)は、来シーズンよりF1に新規参戦するチームに参戦資金の補助を行うことになった。この新しいシステムは、水曜日にパリで行われた会議の場でFOM代表のバーニー・エクレストンとFIA代表のマックス・モズレーとの話し合いによって決定された。 現在は2010年より最大で13チームの参戦が予定されており、初年度を迎えるコンストラクターには1000万ドルと2台のシャシーに加えて100トンの荷物の輸送費用が支給されることになる。また、ヨーロッパ以外で行われるレースについては各チームに20枚のエコノミークラスチケットが提供される。
しかし、この新しいシステムが適用されるためには、新規参入チームはF1に効果的に参戦するための施設や資金、技術的能力があることを証明しなければならない。また、これらの費用はポイント圏内でレースを終えた場合やコンストラクターズチャンピオンシップでトップ10に入った場合に支給されるFIAの賞金に影響を与えることはない。