宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ」の打上げから帰還までを描いた全編CGのドキュメンタリー映像。4月1日より1年間、同科学館のプラネタリウムホールで上映される。不本意ながらドラマチックになってしまった「はやぶさ」の旅路を、全編CGで描く。ナレーターは、ウルトラマンタロウの主人公役でお馴染みの篠田三郎氏が1人で務めている。
「はやぶさ(MUSES-C)」は、2003年5月9日、当時の宇宙科学研究所(現・JAXA宇宙科学研究本部)がM-Vロケット5号機で打上げた小惑星探査機である。イオンエンジンによる惑星間航行、自律制御によるランデブー・着陸、小天体からのサンプル採取、再突入カプセルによる地球帰還など、サンプルリターン技術の確立を目指したもので、当初は2007年6月の帰還を予定していた。
「はやぶさ」のこれまで 2003年5月9日 内之浦宇宙空間観測所より打上げ 2004年5月19日 地球スウィングバイ成功 2004年12月9日 イオンエンジン延べ20,000時間稼働 2005年7月31日 リアクションホイール1基に不具合 2005年9月12日 小惑星イトカワに到着。約20kmの距離で相対停止 2005年10月3日 リアクションホイールのもう1基に不具合。正常動作は1基に 2005年11月4日 第1回降下リハーサル。異常を検知して途中で中止 2005年11月12日 第2回降下リハーサル。探査ロボット「ミネルバ」を分離するも届かず 2005年11月20日 第1回着陸。後のデータ解析で、約30分間も着陸していたことが判明 2005年11月26日 第2回着陸。しかしその後スラスタに異常が発生 2005年12月4日 キセノンガスの噴射による姿勢制御に成功 2005年12月8日 再度の燃料漏れによる外乱で通信途絶 2005年12月14日 地球への帰還を2010年6月に延期すると発表 2006年1月23日 ビーコン信号を受信 2006年7月 太陽光圧を利用した姿勢制御を実施。キセノンガスの消費を抑える 2007年4月25日 イトカワの軌道を離脱。帰還に向けた巡航運転を開始 2007年10月18日 燃料節約のため、イオンエンジンを停止 2007年10月24日 リアクションホイールを停止、姿勢制御を一旦スピン安定に 2009年2月4日 三軸姿勢制御を確立し、イオンエンジンを再点火 現在 地球からの距離3億4,604万kmを航行中