新車R29がトラブル続きのデビューを飾り、2009年シーズンへの準備が順調とはいえないルノーだが、今度はメインスポンサーのINGが今季限りであらゆるF1活動から撤退すると発表し、さらに大きな痛手が加わることになった。
オランダの金融グループであるINGは先月、10億ユーロのコスト削減の一環として、F1関連の支出を40%をカットすると発表した。INGは、四半期決算において二期連続赤字となり、赤字が33億ユーロに上ることを発表していた。これは世界的な金融危機の影響によるものであり、INGはオランダ政府からすでに220億ユーロの公的資金注入を受けている。
INGはルノーのタイトルスポンサーだけでなく、昨年はハンガリー、ベルギー、オーストラリアでのグランプリのタイトルスポンサーも務め、その他にもほとんどのレースでトラックサイドの看板広告を出すなどF1全体で多額の広告費を費やしている。 INGは現在、F1のスポンサー費用として毎年約1億ドルを支出している。INGはルノーと2009年末までの3年契約を結んでいるほか、過去2シーズンにわたってオーストラリアGPとベルギーGPのタイトルスポンサーを務め、2008年は全18レース中14レースでコースサイドに公告を設置した。 こういった活動は、INGが収益増加を目指して行った、初の世界規模でのスポンサー活動だった。2007年以降は、主要な成長市場において総合ブランド認識を16%高め、当初の目標を達成している。 INGは当初、F1における契約を延長するか否かの決断は今年の半ばに行う予定であると述べたが、予定を前倒ししての決断となった。INGは、「先日発表した経費削減策を踏まえ」、スポンサー活動の「再契約は行わず」、今シーズンの終了とともに「F1から撤退する」ことを決断したという声明を発表した。 声明の内容は次のとおり。 「難しい経済動向の中でも、F1は今もビジネスを動かす大きな力を有している。INGは最後の年にF1スポンサー費用を40%削減したが、2009年も引き続き収入増加に焦点を合わせていく」 「INGはこれまでルノーF1との関係を享受してきた。提携最後の年も同チームと緊密に協力していく」