2010年F1世界選手権第8戦カナダGPは、日曜日の決勝レースを迎えた。レース直前のコンディションは、気温25℃、路面温度38℃、湿度46%、風速2.6m、晴れのドライコンディションとなっている。
土曜日の予選ではハミルトンがポールポジションを獲得し、レッドブルのウェーバーとヴェッテルが2位と3位に続いたが、ウェーバーはギアボックスを交換したため5グリッド降格のペナルティを科された。これでウェーバーは7番グリッドからのスタートとなり、ヴェッテルがフロントロー、アロンソが3番手、バトンが4番手、リウッツィが5番手、マッサが5番手からのスタートとなった。
現地時間午後12時、フォーメーションラップがスタートした。ハミルトン、アロンソ、バトン、マッサ、リウッツィはオプションタイヤを、ヴェッテル、シューマッハはプライムタイヤを履いている。
24台のクルマがグリッドに着いた。シグナルがブラックアウトし、レーススタート!
ハミルトンがいいスタート、ヴェッテル、アロンソが続く。デ・ラ・ロサとペトロフがコースアウトを喫している。
また、1周目でリウッツィがスピンを喫した。デ・ラ・ロサ、リウッツィ、マッサがピットに入り、マッサはフロントウイングを交換している。
小林が1周目を終えたところでリタイアとなった。2周目を終えた時点の順位は、ハミルトン、ヴェッテル、アロンソ、バトン、ウェーバー、クビサ、スーティル、シューマッハ、ヒュルケンベルグ、アルグエルスアリ、ブエミ、ロズベルグ、バリチェロ、トゥルーリ、ディ・グラッシ、セナ、ペトロフ、チャンドック、グロック、デ・ラ・ロサ、リウッツィ、マッサとなっている。
スタートのリプレイが流れた。マッサとリウッツィが接触し、リウッツィがスピンアウトした。また、後方ではペトロフとデ・ラ・ロサが接触しており、両者がコースオフを喫している。
6周目 ロズベルグとトゥルーリがピットイン。ロズベルグがプライムに交換した。
マクラーレンはペースが上がらず、ウェーバーがバトンを抜いて4番手にポジションを上げた。
7周目 バトン、スーティル、ヒュルケンベルグがピットイン。トップのハミルトンの後ろにぴたりとヴェッテルがつけている。
8周目 ハミルトン、アロンソ、アルグエルスアリ、バリチェロがピットイン。ピット作業でフェラーリが上回り、アロンソとハミルトンがピットロードで並んだ。両者はしばらく並走し、内側にいたアロンソが前でコースに戻った。
9周目 現在ヴェッテルがトップ、ウェーバー、クビサが続き、プライムタイヤを選択したドライバーが上位を独占している。
10周目 クビサがピットイン。プライムからプライムに交換した。
11周目 ペトロフがスタートでフライングした可能性があるとのことで、審議対象となった。
12周目 ペトロフにドライブスルーペナルティが科されることになった。
ここでバリチェロが2回目のピットイン。フロントノーズを交換した。
13周目 シューマッハがピットイン。プライムからプライムに交換した。
コースに戻ったシューマッハはクビサとサイドバイサイドとなったが、シューマッハが前に出た。バトンが1分19秒808のファステストを記録している。
14周目 ウェーバーがピットイン。再びプライムに交換した。彼はバトンの後ろ、シューマッハの前の6番手でコースに戻った。ここでペトロフがピットに入り、ドライブスルーペナルティを受けた。
15周目 ヴェッテルがピットイン。プライムからオプションに交換し、5番手でコースに戻った。シューマッハも再びピットに入り、再びプライムに交換した。ディ・グラッシもピットに入っている。
16周目 ブエミとセナがピットイン。セナはクルマを降りてリタイアとなった。コース上ではハミルトンがアロンソを交わしてトップに立った。
グロックもピットに入り、これでピットに入っていないのはコヴァライネンとチャンドックだけとなった。
17周目 コヴァライネンがピットイン。現在の順位は、ハミルトン、アロンソ、バトン、ヴェッテル、ウェーバー、クビサ、スーティル、ブエミ、ロズベルグ、ヒュルケンベルグとなっている。
11番手以降は、アルグエルスアリ、シューマッハ、デ・ラ・ロサ、リウッツィ、コヴァライネン、マッサ、ペトロフ、トゥルーリ、ディ・グラッシ、バリチェロ、チャンドック、グロックとなっている。上位陣はほとんどのクルマがプライムを履いているが、ヴェッテルはオプションを履いている。
19周目 デ・ラ・ロサとペトロフがピットイン。ペトロフはフロントノーズを交換した。前の周でロズベルグが1分19秒214のファステストを記録している。
20周目 ハミルトンとアロンソの差はコンマ7秒、アロンソとバトンは2秒9、バトンとヴェッテルは5秒7の差がある。
21周目 チャンドックがピットイン。これで全車がピットに入ったことになる。
23周目 トップ5のクルマはいずれも1分20秒台後半で走行しており、オプションを履いたヴェッテルは1分20秒596、プライムを履いたハミルトンは1分21秒117で走行している。
ここで再びペトロフにドライブスルーペナルティが科された。オープニングラップでデ・ラ・ロサと接触した原因を作ったことがその理由だ。
24周目 マッサがピットイン。ヴェッテルはリアタイアが少しずつ摩耗し始めたことを無線で伝えている。
25周目 ヒュルケンベルグとリウッツィがピットに入った。
26周目 グロック、ペトロフ、アルグエルスアリがピットイン。オプションを履いたヴェッテルは前の周で自己ベストを記録し、上位陣では一人だけ1分19秒台に入れた。
27周目 ハミルトンがピットイン。再びプライムに交換した。クビサもピットに入っている。
27周目 バトン、ヴェッテル、ロズベルグ、スーティルがピットイン。ヴェッテルはプライムに交換した。アロンソが1分19秒050のファステストを記録している。
28周目 アロンソがピットイン。プライムに交換した。ここでヒュルケンベルグにドライブスルーペナルティが科された。ピットレーンの速度違反が原因だ。
30周目 ディ・グラッシとヒュルケンベルグがピットイン。
31周目 現在ウェーバーがレースをリードしており、ハミルトン、アロンソ、バトン、ヴェッテル、ブエミ、クビサ、ロズベルグ、シューマッハ、アルグエルスアリの順で続いている。
ここで17番手のバリチェロが3度目のピットイン。18番手のトゥルーリもピットに入った。
32周目 デ・ラ・ロサがピットレーン入口付近で白煙を上げてクルマを止めた。これでザウバーは2台ともリタイアとなった。
33周目 トップのウェーバーと2番手ハミルトンの差は10秒7となっている。ハミルトンとアロンソは2秒、アロンソとバトンは1秒9、バトンとヴェッテルはコンマ8秒の差だ。
35周目 シューマッハがピットイン。オプションに交換した。
36周目 6番手を走行していたブエミがピットイン。再びプライムに交換した。前の周で14番手のマッサが1分19秒024のファステストを記録している。
37周目 クビサとスーティルがレース後に審議されることになった。両者はピットレーン入口の手前で激しいポジション争いを展開していた。
38周目 ウェーバーとハミルトンの差は11秒7に開いた。バトンが1分19秒021のファステストを記録している。
後方では12番手のスーティルの後ろにコンマ5秒差でリウッツィがぴたりとつけており、そのすぐ後ろにマッサが迫っている。
39周目 今度はハミルトンが1分18秒868のファステストを記録した。ウェーバーは無線でタイヤが徐々にだめになってきていると伝えている。
40周目 ウェーバーとハミルトンの差は10秒2に縮まった。ハミルトンとアロンソの差は1秒4、アロンソとバトンの差は3秒7、バトンとヴェッテルの差は1秒2となっている。
41周目 ヴェッテルが1分18秒650のファステストを記録した。ウェーバーとハミルトンの差は9秒に縮まっている。ウェーバーはタイヤ交換を1度しか行っておらず、オプションに交換するタイミングを伺っている。
42周目 トゥルーリ、マッサ、ディ・グラッシがピットイン。マッサは再びプライムに交換した。ウェーバーとハミルトンの差は8秒8に縮まった。
43周目 アルグエルスアリがピットイン。
44周目 アロンソが1分18秒567のファステストを記録した。ウェーバーとハミルトンの差は6秒6、ウェーバーとアロンソの差は8秒2だ。
ここでトゥルーリが4回目のピットイン。
45周目 アロンソが再びファステストを記録した。前を走るハミルトンとの差をコンマ7秒に詰めており、トップのウェーバーとは5秒6差だ。
46周目 現在の順位は、ウェーバー、ハミルトン、アロンソ、バトン、ヴェッテル、クビサ、ロズベルグ、ブエミ、シューマッハ、ヒュルケンベルグ、スーティル、アルグエルスアリ、リウッツィ、マッサ、バリチェロ、コヴァライネン、チャンドック、グロック、ディ・グラッシ、トゥルーリとなっている。
47周目 再びトゥルーリがピットに入った。これで5回目のピットインだったが、彼はピットレーン入口でクルマを止め、リタイアとなった。
ヴェッテルは無線で「どうやって前のクルマ(バトン)を抜けって言うの?」と質問している。彼のクルマはペースが落ちてきているが、ホーナーから前のクルマを抜けと言われていた。
49周目 ハミルトンはウェーバーをパスしてトップに立った。アロンソもウェーバーを狙っている。後方では14番手のマッサがリウッツィをパスして順位を1つ上げた。
51周目 ウェーバーがピットイン。オプションに交換し、5番手でコースに戻った。
ブエミとグロックもピットに入った。
52周目 12番手のマッサは前を走るスーティルにコンマ2秒まで迫っているが、なかなか抜くことができない。マッサの後ろにはコンマ6秒差でアルグエルスアリが迫っている。
53周目 現在の順位は、ハミルトン、アロンソ、バトン、ヴェッテル、ウェーバー、クビサ、ロズベルグ、シューマッハ、ブエミ、ヒュルケンベルグ、スーティル、マッサ、アルグエルスアリ、リウッツィ、バリチェロ、ペトロフ、コヴァライネン、ディ・グラッシ、グロックとなっている。
54周目 ピットに入ったコヴァライネンがコースに復帰した際に、すぐ後ろにいたスーティルが速度を緩めたため、マッサがその隙をついてスーティルをパスした。彼は11番手にポジションを上げた。
55周目 ピットに入ったグロックのクルマをメカニックたちが調べている。
56周目 バトンがアロンソをパスして2番手にポジションを上げた。これでマクラーレンの1ー2体勢となった。
58周目 ハミルトンと2番手のバトンとの差は3秒1、バトンとアロンソの差はコンマ4秒、アロンソとヴェッテルの差は4秒8、ヴェッテルとウェーバーの差は9秒5となっている。8番手のシューマッハ以降が周回遅れとなっている。
59周目 ペトロフがピットイン。ハミルトンとアロンソのリアタイヤがクローズアップされたが、いずれも摩耗が進んでおり、滑りやすくなっているようだ。
60周目 ヒュルケンベルグとクビサがピットに入った。
クビサはオプションタイヤに交換した。
61周目 ブエミがシューマッハをオーバーテイクして8番手にポジションを上げた。トロロッソのガレージが湧いている。
62周目 ハミルトンが1分18秒025のファステストを記録した。彼はペースアップを図り、バトンとの差を2秒4に広げている。
ここでクビサが1分17秒606のファステストを記録した。コース上ではハミルトンとクビサだけが1分17秒台で走行している。
64周目 クビサが1分17秒178で再びファステストを記録した。10番手のマッサは最終シケインでシューマッハをオーバーテイクしようとしたが、シューマッハも譲らず、マッサはコースオフを喫した。
65周目 マッサがピットイン。フロントノーズを交換した。マッサはコースオフを喫した際に壁に接触していた。
67周目 ハミルトンとバトンの差は3秒5となっている。
68周目 クビサが1分16秒972のファステストを記録した。10番手のリウッツィがシューマッハに迫っているが、シューマッハも譲らずにブロックしている。
69周目 1分17秒台を連発しているクビサは、前を走るロズベルグに3秒差まで迫った。しかし、残り周回はわずかだ。
ファイナルラップ ハミルトンはバトンに3秒1差をつけてファイナルラップに突入した。
レース終了! ハミルトンがトップチェッカーを受けて、トルコGPに続いて2連勝を飾った。バトンが2位に入り、マクラーレンが2戦連続で1ー2フィニッシュを達成した。
リウッツィはファイナルラップでシューマッハにオーバーテイクを仕掛け、リウッツィが9番手にポジションを上げた。シューマッハはスーティルにも抜かれ、11番手にポジションを落とした。
カナダGP決勝の結果は、1位ハミルトン、2位バトン、3位アロンソ、4位ヴェッテル、5位ウェーバー、6位ロズベルグ、7位クビサ、8位ブエミ、9位リウッツィ、10位スーティル、11位シューマッハ、12位アルグエルスアリ、13位ヒュルケンベルグ、14位バリチェロ、15位マッサ、16位コヴァライネン、17位ペトロフ、18位チャンドック、19位ディ・グラッシとなり、グロック、トゥルーリ、デ・ラ・ロサ、セナ、小林はリタイアとなった。
ドライバーズチャンピオンシップはハミルトンが109ポイントでトップに立ち、バトンが106ポイントで2位、ウェーバーが103ポイントで3位、アロンソが94ポイントで4位、ヴェッテルが90ポイントで5位となっている。
コンストラクターズはマクラーレンが215ポイントで1位、レッドブルが193ポイントで2位、フェラーリが161ポイントで3位、メルセデスが108ポイントで4位となっている。
次戦のヴァレンシアでのヨーロッパGPは、2週間後の6月27日に決勝レースを迎える。