ローマ法王ベネディクト16世は21日、バチカン(法王庁)での礼拝で、17世紀の天文学者ガリレオ・ガリレイの地動説について、「自然の法則は神の業に対する理解を促した」と述べ、同法王としては初めてガリレオの研究を公式に認めた。
バチカンは17世紀に、コペルニクスの地動説を支持したガリレオを「異端」として宗教裁判にかけ、有罪にした歴史がある。前法王ヨハネ・パウロ2世は1992年、教会側の非を認め、公式に謝罪したが、現法王は枢機卿時代に「ガリレオ裁判は正当だった」と発言したことで知られている。 現法王は礼拝で、「ガリレオの望遠鏡による初の天体観測から400年になる」とも述べ、研究をたたえた。 「地動説紹介」ガリレオの初版本など科学館で公開…大阪 ガリレオ・ガリレイの著書「天文対話」の初版本(1632年)など、大阪市立科学館(北区)が所蔵する貴重な天文書6冊が26日、報道関係者に公開された。
来年はガリレオによる世界初の望遠鏡を使った天体観測から400年にあたり、国連などが「世界天文年」として記念事業を展開。その一環として1月4日から12月末まで同館で一般公開される。
天文対話は、イタリアの科学者ガリレオが確信した地動説と、当時信じられていた天動説を対比した約450ページの本。カトリック教会が禁書にし、ガリレオ自身も宗教裁判で破門された重い歴史を持つ。
ほかにも、土星の輪を世界で最初に描いたオランダの科学者ホイヘンスの「発見されし宇宙世界」の初版本(1698年)など、近代天文学の礎となった本ばかり。4日午後には学芸員による解説がある。