米航空宇宙局(NASA)は、スペースシャトルの退役後に国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送を委託する民間企業2社を選定し、発表した。
2016年末までの8年契約。オービタル・サイエンス社(バージニア州)が約19億ドルで8機、スペースX社(カリフォルニア州)が約16億ドルで12機の無人輸送船を打ち上げる。輸送量は2社とも各20トン以上。米国が必要とする輸送能力の40〜70%をまかなう。 2社ともロケットの打ち上げ実績が乏しいベンチャー企業で、ISSへの輸送に使うロケットも開発中だが、ロッキードやボーイングなど宇宙航空大手を退けて契約を獲得した。ISSへの物資輸送では、来年秋に初飛行する日本の無人機HTVも期待されている。 日本が開発、宇宙への無人輸送機「HTV」公開 国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給するため、日本が開発した無人輸送機「HTV」初号機が25日、宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で報道関係者に公開された。 宇宙機構は年1〜2回のペースで輸送する計画で、早ければ来年中の初打ち上げを見込んでいる。 HTVは全長10メートル、直径4・4メートルと、観光バスほどの大きさ。重さは約10・5トンあり、実験装置や船内用物資など計約6トンの物資を運べる。これまで無人物資輸送の主力だったロシアの「プログレス」の3倍近い搭載能力を誇り、最高7・5トンの輸送能力がある欧州宇宙機関の「ATV」とともに、ISSへの補給手段として期待される。 HTVはH2Bロケットで打ち上げられ、地上からの無線操作などでISSにドッキングする。補給後はISSの不用品を積み、大気圏突入時に発生する熱で燃え尽きる使い捨て型。