大火災で廃虚となったデパートを警備することになった元警察官のベン(キーファー)が、そのデパートにある巨大な鏡の魔力に翻弄(ほんろう)される姿を描いていく、サスペンス・スリラー。ホッと一息ついたと思いきや、衝撃の展開を見せるラストは、映画『ハイテンション』で度肝を抜く結末を用意したアレクサンドル・アジャ監督ならではのもの。本作は「予想を立てても当たらない……。最後にすごい結末が待っている」と絶賛。
鏡に隠された忌まわしい過去を巡る戦慄のホラー
『ハイテンション』で脚光を浴び、『ヒルズ・ハブ・アイズ』でハリウッド進出を果たしたフランスの新鋭アレクサンドル・アジャによるサスペンス・ホラー。韓国映画『Mirror 鏡の中』を下敷きに、不条理な恐怖を描き出す。『24−TWENTY FOUR−』のキーファー・サザーランドが、家族の再生を願いながら得体の知れない恐怖に巻き込まれていく主人公を熱演。 同僚を誤って射殺し、停職処分となった元刑事ベンは、アルコールに溺れ、妻子とも折り合いが悪くなっていた。再起を賭けてデパートの夜警の仕事に就いた彼は、そこで“鏡”に触れたことで悪夢引きずり込まれる。 海外テレビドラマ「24 TWENTY FOUR」のジャック・バウアーでおなじみのキーファー・サザーランド主演最新作映画『ミラーズ』のラストシーンは、何と予想的中率0%だという。 ほとんどの物語に起承転結があるように、ストーリーラインのセオリーというものが物語には必ず存在する。勧善懲悪モノであればヒーローが悪を倒してハッピーエンドというように、お決まりのパターンが用意されているものだ。 しかし最近では、お決まりのパターンや予想されるエンディングをものの見事に裏切る、衝撃のラストを描くサスペンス映画が人気を博している。 12月26日に公開される『ミラーズ』もその中の一つでありながら、あの映画『シックス・センス』をはるかに超える、予想的中率0%のラストが待ち受けている。 また、予想的中率0%のラストを用意する本作にちなんで、オフィシャルサイトでは「ありえないラストシーン投稿キャンペーン」を実施中。予想してもダメなら自分だけのありえないラストを語ってしまえというもの。
あらすじ 昔から神秘的なアイテムであり、呪術の道具などに使われてきた鏡。「鏡が割れると不幸が起きる」「合せ鏡にすると悪魔が現れる」など、言い伝えも不吉なものばかり。そんな鏡を効果的に使って恐怖を駆り立て、鏡を境にこちら側の世界、あちら側の世界をパラレルに描いたホラー・サスペンス。人間とは、極度の驚きに見舞われると本当にイスから飛び上がり、両手足が意識から外れて激しくビクつくのだと、マンガのような描写を身をもって体験した強烈なショッキング・スリラーだ。 舞台は大火災で死者を出し、廃墟と化した巨大なデパート。焼けただれ不気味に変形したマネキン、はげ落ちた壁、床に散らばる破片など、今なお火災当時の惨事を肌で感じる現場に、ひときわ輝く巨大な鏡があった。デパートの現状維持のため深夜の警備に当たるベンは、生き物のように蠢く鏡を前に不可思議な現象に遭遇。調べてみると、前任の警備員は不審死を遂げ、デパートの放火犯は家族を殺して自殺。忌まわしい一連の事件に共通点があると悟ったベンだったが、彼の家族に魔の手が迫っていた。 鏡の中に存在する魔物による底知れない恐怖を描いたのは、『ハイテンション』で新世代のホラーファンを魅了し、『ヒルズ・ハブ・アイ』では公開時にカット要請が出るほど残酷シーンに溢れたスプラッター映画を生み出したアレクサンドル・アジャ監督。彼を起用しているわけだから、ドライなスリラーでおさまるはずがない。鮮血飛び散る血みどろの死体、目を覆いたくなるグロテスクな殺害シーンなど、アジャ監督の得意技が炸裂。強烈過ぎる前2作に比べれば、序の口といったところだが、冒頭から一気に緊張感を走らせ、随所で見せるショッキング映像でド肝抜かせる映像は、スプラッターのエレメントがたっぷり。 鏡の魔力に襲われるベンには、『24 ‐TWENTY FOUR‐』のキーファー・サザーランド。ニューヨーク市警の警官だったが、同僚を誤って射殺したことで酒におぼれ、家族にも捨てられる。鏡の謎を解明すべく再生し、ジャック・バウアー並みの頭のキレ具合で愛する家族を守るため立ち上がる。だから、ベンはどんなことにも躊躇しない。応援を頼めばいいのに、ひとりデパートの奥まで調べて危険な目にあったり、絶対何かが潜んでいそうな布をめくって驚愕してみたり、主人公の暴走には怖いのも手伝って妙にイラ立つ。やがてベンがたどりついた真実は、むごく悲しい出来事を起源とするもの。ベン一家は心霊現象を共有したことで、家族の絆を再び取り戻したものの、幼い子供にしてみたら、恐怖に狂乱する親の姿を見たことのほうにトラウマが残りそうだが。 韓国映画『Mirror 鏡の中』のリメークではあるが、サスペンスフルな展開で引き付ける物語の濃厚さとテンションの上がる映像、絶妙なタイミングの効果音など、人間の恐怖心理を知り尽くし、いたずらに揺さぶるアジャ監督のホラークリエーターとしての実力を感じさせる。ラストの落とし方もひねくれていて好き。
舞台は大火災で死者を出し、廃墟と化した巨大なデパート。焼けただれ不気味に変形したマネキン、はげ落ちた壁、床に散らばる破片など、今なお火災当時の惨事を肌で感じる現場に、ひときわ輝く巨大な鏡があった。デパートの現状維持のため深夜の警備に当たるベンは、生き物のように蠢く鏡を前に不可思議な現象に遭遇。調べてみると、前任の警備員は不審死を遂げ、デパートの放火犯は家族を殺して自殺。忌まわしい一連の事件に共通点があると悟ったベンだったが、彼の家族に魔の手が迫っていた。
鏡の中に存在する魔物による底知れない恐怖を描いたのは、『ハイテンション』で新世代のホラーファンを魅了し、『ヒルズ・ハブ・アイ』では公開時にカット要請が出るほど残酷シーンに溢れたスプラッター映画を生み出したアレクサンドル・アジャ監督。彼を起用しているわけだから、ドライなスリラーでおさまるはずがない。鮮血飛び散る血みどろの死体、目を覆いたくなるグロテスクな殺害シーンなど、アジャ監督の得意技が炸裂。強烈過ぎる前2作に比べれば、序の口といったところだが、冒頭から一気に緊張感を走らせ、随所で見せるショッキング映像でド肝抜かせる映像は、スプラッターのエレメントがたっぷり。
鏡の魔力に襲われるベンには、『24 ‐TWENTY FOUR‐』のキーファー・サザーランド。ニューヨーク市警の警官だったが、同僚を誤って射殺したことで酒におぼれ、家族にも捨てられる。鏡の謎を解明すべく再生し、ジャック・バウアー並みの頭のキレ具合で愛する家族を守るため立ち上がる。だから、ベンはどんなことにも躊躇しない。応援を頼めばいいのに、ひとりデパートの奥まで調べて危険な目にあったり、絶対何かが潜んでいそうな布をめくって驚愕してみたり、主人公の暴走には怖いのも手伝って妙にイラ立つ。やがてベンがたどりついた真実は、むごく悲しい出来事を起源とするもの。ベン一家は心霊現象を共有したことで、家族の絆を再び取り戻したものの、幼い子供にしてみたら、恐怖に狂乱する親の姿を見たことのほうにトラウマが残りそうだが。
韓国映画『Mirror 鏡の中』のリメークではあるが、サスペンスフルな展開で引き付ける物語の濃厚さとテンションの上がる映像、絶妙なタイミングの効果音など、人間の恐怖心理を知り尽くし、いたずらに揺さぶるアジャ監督のホラークリエーターとしての実力を感じさせる。ラストの落とし方もひねくれていて好き。