もはやプロゴルファー石川遼の実力に、異論を唱える人はいないでしょう。17歳の新人プロゴルファーがダンロップフェニックス最終日、マークセンには1打及ばず2位。しかし、賞金の2000万円を加算して、今年デビューイヤーのルーキーが既に約9973万円を獲得している。しかも既に出場資格のある最終戦の日本シリーズでは予選落ちがないため、最低でも賞金100万円弱が受け取れることから、ルーキーイヤーで1億円突破が確定する。史上最速、史上最年少での快挙が現実となった。
石川遼は、「1億円」の価値と目標を理解している。 石川遼は、「実は、この大会直前に賞金配分表を見て、単独2位なら行けるって…。その通りになっちゃった。だったら優勝って思えばよかったかな」と、たった1打差に悔しさをにじませたが、十分に魅せた。 この季節まだ暖かいはずの宮崎でも、天候は霧雨降る悪コンディションの中、遼は着実にスコアを伸ばし続け、15番で1メートル弱を外したミスパットを悔やんだ。
「あれは打ち損ない。ああいうのを入れておくのが勝つためには必要ですね」 それでもギャラリーが大勢集結する最終18番は、4日間、18番は1イーグル、3バーディーと見せ場は心得ている。 ダンロップフェニックスで獲得した単独2位の賞金で、賞金のランクも5位に浮上。 そして来年4月の、マスターズへの招待も夢ではない。 小学校の作文で「20歳までにマスターズ」と書いた。そこに近づいた。「招待状? 欲しいですね。関係者の方が少しでも僕のプレーを覚えてくれていたらいいなぁ」。17歳、新人。もう立派な日本代表のプロになっている。
石川遼「優勝狙っていた」 プロ転向後ツアー初V 男子ゴルフのマイナビABCチャンピオンシップは2日、兵庫県のABC・GC(7217ヤード、パー72)で最終日を行い、3位でスタートした石川遼が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算9アンダー、279でプロ転向後初のツアー優勝を果たした。石川は昨年5月のマンシングウェアKSBカップ以来となるツアー通算2勝目で、2010年シーズンまでのシード権を獲得した。 3日目まで単独首位だった深堀圭一郎はスコアを1つ落とし、通算8アンダーで2位。3位は広田悟だった。 石川遼コメント「途中で誰かに助けてほしくなったけど、最後に必ずいいことがあると思ってプレーした。最後のパットはゴルフをやってきた中で一番震えた。実を言うと優勝を狙っていたので、優勝できて良かった」
石川は08年の最終世界ランキングで60位。出場権が与えられる50位以内には届かなかった。だが主催のマスターズ委員会が、有望選手の発掘やゴルフの普及を目的とする「特別招待枠」で石川の出場を決めた。
石川は07年、東京・杉並学院高1年で出場した日本ツアーの大会で、史上最年少の15歳8カ月で優勝。昨年の獲得賞金額では史上最年少で1億円を突破した。
日本勢では、既に片山晋呉(35)、昨年米ツアーで初優勝を飾った今田竜二(32)の出場が決まっている。