2005年に発売されるやいなや、ニューヨークタイムズ紙のランキングに91週連続ランクイン、累計販売数4,200万部を突破したベストセラー小説「トワイライト」。アリゾナ州の主婦ステファニー・メイヤーが描く、完璧な容姿を持つイケメン・ヴァンパイアと人間の少女との純愛ラブ・ストーリーの映画化第一弾『トワイライト〜初恋〜』がいよいよ登場です。
インディペンデント製作会社サミット・エンタテインメントが製作し、自社配給する“Twilight”は、ステファニー・メイヤーのベストセラーシリーズ「トワイライト」の映画化。
ヴァンパイアの青年と恋に落ちるティーンエイジャーの女の子を描いたラブ・ファンタジーで、17日(月)にロサンゼルスで行われたプレミアには、数100人のファンが駆けつけ、主演のロバート・パティソンやクリステン・スチュワートらからサインをもらう光景がメディアでも大きく報道されたことが大きく影響している。
また、全米で公開2週間前にあたる11月4日(火)に発売された映画のサントラ盤は、またたく間に16万5000枚を売り上げ、全米アルバムチャートで初登場1位を獲得していることからも、ティーンが好む音楽が人気を加速しているのかもしれない。
大スターの出演もなく、ヒットさせることが難しいといわれているこういったインディペンデント(独立系)作品が、今これほどの注目を集めている理由は、日本で言われるケータイ小説に通じる支持基盤と音楽がシンクロしているからだろう。
STORY 「霧の街、フォークス─転校先の高校で馴染めないベラ」
17歳のベラは、離れて暮らしていた父のもとで新しい生活を始める為、ワシントン州にある霧の町、フォークスへやってきた。人付き合いが苦手なベラは転校先の高校になかなか馴染めずにいたが、そんな中一際特別な雰囲気を放つ青年エドワードに出会う。なぜかベラを避けるエドワードだったが、あるとき人間離れした能力により命を助けられたことから、二人は急速に近付き始め……。
薄暗いスクリーンの中には、新しい転校先で、地元の学生たちともなかなか打ち解けられない様子のヒロイン、ベラが映し出されます。
ある日、誰も手の届かない美少年、エドワードに出会う。
─ だが、ベラにはエドワードを強く惹きつける秘密があった。
主役のもう一人であるエドワードが登場。異様に色白の"いかにも吸血鬼"のエドワードですが、まあその突っ込みはさておき、これで主役がそろいました。二人が視線を交わすシーンが挿入され、二人の恋の始まりを予感させます。ここで主題歌のイントロが流れ始め、物語が動き出したことが自然と観客に伝わるというロマンティックな演出。当然、ベラはエドワードがまさか吸血鬼とは思うはずもありません。
そんな折、ベラに突進する車をなんと素手で止めるエドワード。
「なぜあんな事が出来るの?」
「なぜだと?」
「あなたって肌が真っ白で氷みたいに冷たい…あなたの正体って…」
「言えよ」
「ヴァンパイアよ」
「怖いか?」
「いいえ。あなたを失うほうが怖い…あなたと別れるなら死ぬ」
「命がけで君を守る…君は僕の全てだから。」
「あなたにすべてを奪われたい…。」
「これ以上好きになってしまうと…僕は君の命まで奪ってしまう。」
J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズの発行部数には及ばない“
Twilight”シリーズだが、ファンの多くは2つのファンタジー・シリーズに共通点を見いだしている。とりわけ、“Twilight”シリーズは若者に人気を呼び、特に女性ファンが多い。同シリーズの映画化は、これまで長い間インターネット上で話題になっていた。
これほどの社会現象になったことについて、バラエティ紙のコラムニスト、アン・トンプソンは5つの理由を挙げる。
理由1:ベストセラーが原作
メイヤーの小説は、シリーズ作品として「ハリー・ポッター」に続く第2位の売り上げを記録しているベストセラー。世界中にファンがいて、“Twilight”の公式ウェブサイトは800万ビジットを超え、350のファンサイトが存在するという。
理由2:ロバート・パティソンの人気
主演のイギリス人俳優ロバート・パティソンは、ティーンの女の子たちの間で人気急上昇中。昨年7月のコミコンに登場したときも、徹夜組を含む5000人のファンが詰め掛けた。また、今年のローマ映画祭で8分のダイジェスト映像が上映された際、3000枚のチケットが20分で売り切れた。
理由3:女性はロマンスに飢えている
近年、スタジオはまじめなロマンス映画を製作しなくなっている。ロマンスがテーマになっている場合、コメディに走るか、『セックス・アンド・ザ・シティ』や『マンマ・ミーア!』のように、既存のブランドに頼る傾向があるため、新鮮な題材に飢えている層がいる。
理由4:ヴァンパイアものだから
ヴァンパイアを主人公にしていることで、ロマンスにファンタジーがプラスされる。さらに、ヴァンパイアものは男性にも訴求力があるのが強み。
理由5:サミットの重箱の隅をつつく戦略
経済不況の中、サミットは社運をかけるとばかりに、製作費3700万ドルに対しP&A(プリント&アドバタイズメント)に3000万ドルを投入し、今年4月から本格的な宣伝活動を行ってきた。まずはMySpaceに予告編を掲載。人気テレビ番組での特集。雑誌50誌での特集。さらに数シーンの追加再撮影なども行っている。
熱狂の中心はティーンエイジャーの女の子。大ヒットにつなげるにはティーンの男の子と、より高い年齢層の女性の動員がかぎと見られている。しかし、すでに“母親”たちの間で8000人もの会員を持つファンクラブも出現しているという。
日本配給権は角川エンタテインメントが獲得している。
吸血鬼と人間の少女の禁断の愛を描いたロマンス作品で、10代を中心に大ヒットとなった。すでに『New Moon』というタイトルで続編の制作も決定しており、2010年の公開を目指しプリ・プロダクションに入っている模様。日本では『トワイライト〜初恋〜』という邦題で2009年4月に封切られる。
イギリスでも1位、イケメン主演の『トワイライト〜初恋〜』が世界中で大旋風!
主演のロバート・パティンソンのイケメンぶりに、アメリカでは失神するティーンも登場。全米を熱狂させている映画『トワイライト〜初恋〜』が、12月19 日(金)よりロバートの母国イギリスでも446スクリーンで公開され、週末3日間で390万ドルを稼ぎ、堂々の1位デビューを飾った。
その1週前の12月11日(木)にはオーストラリアでも公開され、興収340万ドルで初登場1位を獲得。ほかにも、イタリア、スペイン、メキシコ、UAE、レバノン、タイ、マレーシア、フィリピンの計11か国で初登場1位を記録するなど、世界中でトワイライト・フィーバーを巻き起こしている。
ブームの火付け役となったアメリカでは、すでに興収1億5850万ドル(約142億円)に達し、『セックス・アンド・ザ・シティ[ザ・ムービー]』などを抜いて、2008年の年間ランキングでトップ10入りをはたしている。これに気をよくしたのか、スタジオ側も早々に続編製作を決定。09年11月20日には続編となる"New Moon"を全米公開する予定だ。
お隣の国、韓国・台湾でも、初登場1位の座こそ逃したものの、堂々の2位デビュー。日本での公開は09年4月4日より新宿ピカデリーほか全国の劇場と決まっている。世界中のティーンたちを熱狂させているトワイライト・フィーバーは、日本にも飛び火するのか?
配給元のインディペンデント製作会社サミット・エンタテインメントが11月20日(木)深夜から先行ミッドナイト上映を行うと発表したところ、全米500館でチケットがソールドアウトする事態となり、もっと多くの劇場で行ってほしいというファンからの要望に応えて、急きょ数100館を追加する事態も発生した。この報道がより多くの観客の興味を誘っている。週末のチケットも400スクリーンがソールドアウトになって、劇場前には徹夜組が並んだ。
ステファニー・メイヤー原作のシリーズ小説の映画化で、当初は12月12日の公開を予定していた。この日は、キアヌ・リーヴス主演で米20世紀フォックスがリメイクするSF映画『
地球が静止する日』も封切られる。
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トワイライト~初恋~
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トワイライト10 ヴァンパイアの花嫁 (トワイライト 10)
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トワイライト 上 (ヴィレッジブックス F メ 1-1)
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トワイライト 下 (ヴィレッジブックス F メ 1-2)