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February 18, 2009 space
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シロアリの栄養源は「空気」…窒素吸収しアミノ酸など合成

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シロアリの腸内にいる細菌が、空気中の窒素を吸収し、アミノ酸やビタミンなどの栄養分をシロアリに供給していることが、理化学研究所(理研)などの分析で分かった。
 

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 この細菌は、シロアリが食べた木材を分解する働きを持つ微生物の細胞内に生息しており、栄養分を補給することで、シロアリの高い木材分解能力を支えていると見られる。米科学誌サイエンスの最新号に掲載された。
 

シロアリ腸内原生生物の細胞内で窒素固定をセルロース分解に共役させる共生体のゲノム
 Genome of an Endosymbiont Coupling N2 Fixation to Cellulolysis Within Protist Cells in Termite Gut Yuichi Hongoh, Vineet K. Sharma, Tulika Prakash, Satoko Noda, Hidehiro Toh, Todd D. Taylor, Toshiaki Kudo, Yoshiyuki Sakaki, Atsushi Toyoda, Masahira Hattori, and Moriya Ohkuma
 
 シロアリの腸内には多様な相利共生微生物が住んでいるが、大部分の微生物は培養できず、それらの相互関係は不明である。今回われわれは、セルロース分解性原生生物であるPseudotrichonympha grassiiの細胞内に共生する、バクテロイデス目に分類される未培養細菌のゲノム完全長配列を取得した。この細胞内共生細菌はイエシロアリ(Coptotermes formosanus)の腸内細菌細胞総数の70%を占める。得られた染色体(1,111,206塩基対)配列に基づく機能予測を行ったところ、この共生細菌が空中窒素固定能を持ち、さらに宿主原生生物の最終窒素廃棄物と考えられている物質を再利用して、さまざまなアミノ酸・補因子の生合成が可能であること、およびグルコースとキシロースを取り込んでエネルギー・炭素源とすることが明らかになった。つまり、空中窒素固定とセルロース分解は、原生生物の細胞内で共役していることが判明した。この高度に進化した相利共生システムこそ、世界的大害虫であるイエシロアリCoptotermesが、木材のみを餌として生きられる能力の基盤であろう。
 
→英文アブストラクト
 

 
 シロアリの一種、イエシロアリは木材を食べて増殖し、日本や中国など各地で害虫とみなされている。研究チームは、イエシロアリの腸内に共生している単細胞微生物の内部に生息する細菌を採取した。

 細菌のDNAを詳しく分析したところ、空気中の窒素を吸収し、アミノ酸やビタミンの原料となるアンモニアを合成していることが分かった。

 この細菌はイエシロアリの腸内に約1億個生息し、腸内細菌全体の約7割を占める。

 理研基幹研究所の大熊盛也チームリーダーは「シロアリの木材分解の仕組みをさらに解明していくことで、将来は不要な木材からバイオ燃料を得る方法の開発につながるだろう」と話している。

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HOMENews BlogsScience | February 18, 2009 |  twitter Livedoor Buzzurl はてな Yahoo!ブックマーク人が登録
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