メタクオーツ社のソフト「MetaTrader 4」はクライアントは無料のソフト。本来はシステムトレード(自動売買)を目的としており、海外では本ソフトを使って取引を行なうトレーダーも多数存在する。デイトレードで勝つには、ファンダメンタルズのみを気にするだけではなかなか勝てない。テクニカル分析でトレンドを探りつつ、流れに乗るのにもってこいのツールがMetaTrader 4だ。
メタクオーツ社のソフト「MetaTrader 4」のチャート分析ツールのラインナップは標準で約50種類あり、ユーザーたちが独自にチャートを研究・制作したテクニカル指標もネット上に豊富にあるため、自分のスタイルにあったカスタムチャートを作れる。さらに動作が軽快で、複数の通貨ペアを一度に表示しても、ストレスを感じない。 MetaTraderを使って取引できる日本国内の業者は少ないが、業者が提供するツールに比べ拡張性が高く、安定しているため、チャート分析専用ツールに最適だ。 カスタマイズの柔軟性の高さが特徴のMetaTrader。なかでも魅力的なのが、テクニカル指標を組み合わせて、自分の投資スタイルに合ったカスタムチャートを作れる点にある。 基本装備で相場観を鍛える
インストールが終わりMetaTraderを開くと、軽快にチャートが表示されることに驚くだろう。業者が提供するツールにも、分析ツールを備えたものはあるが、本ソフトはそれと比べても動作は軽く、安定している部類に入る。その反面、多機能なので難しそうに見えるが、チャートの分析だけに割り切って使う場合は、多くの事を覚える必要がない。基本的な操作を覚えるのには、それほど時間はかからないはずだ。まずは、MetaTradeで為替レートの動きを見ながら、チャート分析の基本的な使い方をマスターして相場を読もう。 基本ワザ1 1分足、日足、ローソクetc……多数のチャートで値動きを把握 Metatrader 4は、1分足から月足までスケールを自由に変更できるほか、折れ線チャートや、その時間内の取引推移を把握できるローソク足チャートに切り替えられるなど、基本的な表示機能を持つ。そのほか、右端を上下にドラッグすると為替レート、同様に下端を左右にドラッグすると時間軸のスケールをそれぞれスムーズに変えられる。チャートは過去にさかのぼって見ることもできる。 基本ワザ2 ティックチャートで直近の気配を見極める 画面左上にある「気配値表示」ウィンドウ。ここは各通貨レートを確認するほかに、ティックチャートを表示する機能がある。ティックチャートは売買の頻度をグラフ化したもので、直近の値動きをローソク足チャートより詳しく知ることができる。デイトレーダーには重要なチャートだ。「通貨ペア一覧」から任意の通貨ペアを右クリックして「チャート表示」を選択することで、好みの通貨ペアチャートを表示できる。 基本ワザ3 テクニカル指標で次に来る波を分析 MetaTraderの特徴のひとつである、豊富なテクニカル指標。画面左側にある「ナビゲーター」ウィンドウ内にある「罫線分析ツール」「Expert Advisors」「CustomIndicators」で、約50種類にもおよぶテクニカル指標から好みのものを選び、右クリックして「チャートに表示」を選ぶことで利用可能。チャートに複数のテクニカル指標を重ねて表示させても、それほど処理が遅くならないので、値動きの感覚を掴むまで色んな指標を表示させてみよう。 基本ワザ4 詳細データの表示で過去の値動きを知る 過去、経済指標が発表された直後、いくらの値動きがあったかを厳密にチェックするのはチャートだけでは難しい。MetaTraderだと、チャート上にマウスカーソルを動かすと、カーソル上の時間帯の始値、終値、最高値などが見られるほか、テクニカル指標がそのときいくらの値段を指していたか? という詳細情報をこの「データウィンドウ」で表示できる。 売買の目安を示すMACDや、値動きのトレンドを知るボリンジャーバンドといった株や先物取引でよく使われるテクニカル指標を標準で利用可能。チャート分析のプロが長年研究してきた知恵を組み合わせて、次のトレンドを予測しよう。 応用ワザ1 50種類あるMetaTrader標準の分析ツールでここまでできる
株のトレンド予測などで実績がある有名なテクニカル指標に加えて、特定時間帯の始値と終値などの細かいデータから短期間の平均推移を見てトレンドを示す「Heiken Ashi」や移動平均線を利用してトレンド推移を知る「Alligator」、レート変動や市場に蓄積されているポジションから売買シグナルを出す「Ichimoku」といった上級者が用いる指標まである。これらの組み合わせだけでも、うまく使えば相場を読みやすくなる。 応用ワザ2 外部のインジケータを導入して乱高下に備える
MetaTraderの魅力は、本ソフト向けのテクニカル指標を独自に開発しているユーザーが多いところにもある。日々、新しいテクニカル特に「ForexMT4」には膨大な量の独自指標(カスタムインジケータ)がアップロードされているので、自分独自のスタイルを築きたいのであれば、一度覗いてみてほしい。
MetaTraderにインストールできるカスタムインジケータは、拡張子(ファイル名の末尾)に「.mq4」と付いたファイルだ。 応用ワザ3 ダウ株価平均をリアルタイム表示して米ドルを分析
米ドル/日本円に限らず、他の通貨ペアでもダウ平均株価と連動することが多い。そういうとき、ダウ平均株価と通貨レートを並べて見ることができれば……。そう思うトレーダーも多いだろう。MetaTraderであれば、サーバファイルを入れ替えるだけで、ダウやナスダックなどの株価平均指数、金や銀などの先物指数を、通貨レートと同じようにリアルタイムチャートで表示できるようになる。
米ドル/日本円の取引がメインな場合はもちろん、他の通貨ペアしか取り引きしないというトレーダーも入れておいても損はない。導入方法はMetaTraderのコミュニティサイトForexTSDの「Metatrader brokers」カテゴリから、米国の業者であるNorth financeのサーバファイル(NorthFinance-Demo.srv)を入手し、「C:\Program Files\MetaTrader 4\config」にコピーすることで使えるようになる。
ダウ平均株価指数のチャートにも、テクニカル分析を重ね合わせて表示できる。これを上手く使って米国の株式市場を先読みしながらFX取引を行うという手もアリ。 日本でMetaTraderを使ったシステムトレードはできるのか
冒頭でも書いたように、もともとMetaTraderはシステムトレードを支援するソフト。海外では多くの業者がMetaTrader 4に対応しており、自動売買をこれに任せることができる。日本でシステムトレードを行いたい場合はどうすればいいだろう?実は日本国内では、ODL JapanがMetaTraderを使った取引に対応している。 ■無料!FX専用ソフト「MetaTrader 4」ダウンロード