山崎直子さん(39)ら7人が搭乗する米スペースシャトル「ディスカバリー」が、米東部時間5日午前6時21分(日本時間同日午後7時21分)、ケネディ宇宙センターから打ち上げられる。天候は安定し、米航空宇宙局は「打ち上げ確率は80%」としている。
山崎直子宇宙飛行士:宇宙飛行士候補の内定から11年間訓練をしてきた集大成 今回の打ち上げは、山崎さんにとって初飛行で日本人2人目の女性宇宙飛行士となるが、宇宙開発にさまざまな記録を残すことになる。「飛行1日目にペイロードベイドア(シャトルの貨物室ドア)の展開、2日目にはロボットアームでの耐熱タイル検査を担当する。その作業をぜひ見てほしい」と、特に得意のロボットアーム操作へのこだわりも見せた。ISSでは長期滞在中の野口聡一さん(44)と合流、教育ビデオの撮影や余暇を使った楽器演奏などのプログラムも考えているという
山崎宇宙飛行士の担当業務 * ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)およびスペースシャトルのロボットアーム(Shuttle Remote Manipulator System: SRMS)の操作 * ロードマスター(物資移送責任者)として、スペースシャトル/ISS間の物資移送作業全体の取りまとめ ■STS-131ミッションについて 一方、2日にはカザフスタンから3人を乗せたロシアのソユーズ宇宙船が打ち上げられた。このうち1人が女性で、シャトルにも山崎さんを含む3人の女性が乗り込む。ISSには一時的に過去最多タイの13人が滞在し、このうち女性4人は新記録だ。 ディスカバリーはISSへの物資輸送が主な任務で、山崎さんはシャトルの運用や物資輸送を指揮する。
スペースシャトル:打ち上げ成功 山崎さんら7人乗せ 山崎直子宇宙飛行士(39)ら日米の7人を乗せたスペースシャトル「ディスカバリー」が5日午前6時21分(日本時間午後7時21分)、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。米航空宇宙局(NASA)によると、ディスカバリーは約9分後に予定された高度で主エンジンを停止し、打ち上げは成功した。 山崎さんは初の宇宙飛行で、日本人の女性飛行士は向井千秋さん(57)=宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙医学生物学研究室長=以来2人目。今回のミッションでは物資移送責任者(ロードマスター)として、実験装置や補給物資など約6トンの積み荷を運ぶ責任を負う。 ディスカバリーは日本時間7日夕、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキング。ISSに長期滞在中の野口聡一宇宙飛行士(44)が山崎さんを出迎える。日本人2人が同時に宇宙に滞在するのは史上初めてだ。 シャトルはあと3回の打ち上げで退役することが決まっており、山崎さんは日本人最後の搭乗者となる。92年に毛利衛さん(62)が搭乗して以来、山崎さんを含め計7人の日本人がシャトルで宇宙へ旅立った。シャトルの退役後、日本の有人宇宙活動はロシアのソユーズ宇宙船を利用して続行する。
山崎宇宙飛行士 ISSで野口宇宙飛行士と対面 山崎直子宇宙飛行士(39)の乗ったスペースシャトル「ディスカバリー」が、米中部時間7日午前2時44分(日本時間7日午後4時44分)、国際宇宙ステーション(ISS)とドッキング。同4時11分(同午後6時11分)、乗組員7人の先頭を切って山崎さんがISSに入室し、長期滞在中の野口聡一宇宙飛行士(44)と対面した。複数の日本人が宇宙に同時滞在するのは初めて。 ディスカバリーは5日に打ち上げられた。ISS接近時のレーダー通信に使う「Kuアンテナ」が故障したため、乗組員は星の位置を見て機体の姿勢や位置を制御し、ドッキングを成功させた。ISSとの連結部のハッチを開く作業は予定より30分早く終了した。 ISS計画に参画する5極(日米欧、ロシア、カナダ)のうち、自前の有人宇宙船を持つ米露を除くと、カナダと欧州は昨年、同国・同地域人の同時滞在が実現。続いて日本が同時滞在を達成したことは、ISSの日本実験棟「きぼう」や無人補給機HTVの成功などで日本の貢献度が増したこと、さらに日本人宇宙飛行士が数、質ともに他国に並ぶレベルになった結果だ。 一方、スペースシャトルは今年で引退し、米政府は後継機開発を含む宇宙計画を撤回した。最大8人を運べたシャトルがなくなり、人の輸送は当面、ロシアのソユーズ(最大3人)頼みとなる。自前の有人宇宙船を持たない日本が、日本人を優先的に宇宙に送るすべはない。 しかし、ISSが今年完成し、関心は「宇宙に行くこと」から「宇宙で何をするか」へと移る。計画に多額の資金を投入した国は、ISSで得られる科学・技術の成果を還元することで国民への説明責任を果たす。同時滞在の人数が注目されることも少なくなるだろう。 2飛行士の同時滞在は「日本の宇宙開発がここまで来た」という節目だが、同時に、開発から利用へと、宇宙とのかかわり方を変える潮目でもある。
山崎さんアーム作業成功=宇宙基地にコンテナ取り付け 国際宇宙ステーション(ISS)入りした山崎直子さん(39)は7日夜(日本時間8日午前)、ロボットアームを操作し、スペースシャトル「ディスカバリー」で運んできた円筒形のコンテナ「レオナルド」をISSに取り付けた。大きなトラブルはなくほぼ予定通り終了。約 13日間の初飛行で最大の仕事は成功した。 レオナルドは大型トラック程度の大きさで、実験・観測用のラックや冷蔵庫、食料などの物資が入っている。山崎さんは同僚のステファニー・ウィルソンさん(43)と作業に当たった。 作業は予定より約10分遅れの7日午後9時32分(同8日午前11時32分)にスタート。山崎さんはアームを使ってシャトル貨物室に搭載されていたコンテナをつかんで取り出し、約2時間後にISSに接続。固定のために結合機構のボルトを締める指令を野口聡一さん(44)が出し、作業が完了した。
「地球は想像以上に美しい」 山崎さんらが宇宙会見 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する山崎直子さん(39)や野口聡一さん(45)らが日本時間14日、日本実験棟「きぼう」の船内実験室と地上の間を衛星回線でつなぎ、記者会見を行った。山崎さんは「宇宙から見た地球は想像以上に美しかった」と初飛行の感動を伝えた。 会見にはISSに滞在する日米露の飛行士計13人が参加。頭を下にして画面に映った山崎さんは「シャトルの座席で急に振動がどどど…ときて、本当に宇宙に行くんだと実感がわいた」と米スペースシャトル「ディスカバリー」での打ち上げの瞬間を振り返った。 自ら開発に携わったきぼうについて「初めて足を踏み入れたときは感動した。今はだいぶ生活感が出ている」と話した山崎さん。ISSで出迎えた野口さんは「仲間がきてくれてすごくうれしかった。久しぶりに日本語をいっぱいしゃべりました」と笑った。 山崎さんはこれまでの仕事ぶりを「順調で100%がんばっている」と自己評価。「宇宙は女性も男性も関係なく平等に働ける世界。ここでの経験を持ち帰り、宇宙の可能性を伝えていけたら」と話した。
シャトルで成功、赤いシャボン玉…意外に難しい スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗中の山崎直子さんが、色つきのしゃぼん玉を作る実験に成功した。夫の大地さん(37)が画像を公開した。 長女の優希ちゃん(7)の疑問に答える実験。色水でしゃぼん玉を作っても、地上では色素が底にとどまって全体には色がつかない。無重力だと色素が広がって色がつくのではと、直子さんが自由時間に挑戦した。 牛乳やコーヒーではうまくいかなかったが、赤いフルーツジュースにせっけんを混ぜて試すと、むらのないきれいな赤いしゃぼん玉ができた。
山崎さん、帰還前の機体点検終了…最終準備へ 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の山崎直子さん(39)は日本時間16日、実験装置などを積んだコンテナをISSからスペースシャトル「ディスカバリー」へ移動させ、帰還前の機体点検も終了した。 移動作業は、山崎さんとステファニー・ウィルソンさん(43)がISSのロボットアームを操作して実施。機体の点検が終わり、同17日夜にはいよいよISSから離れ、帰還の最終準備に入る。 NASAは、日本実験棟「きぼう」で山崎さんが野口聡一さん(45)を持ち上げる格好を披露した写真を公開した。無重力の世界では、重い物も小さな力で簡単に動かせることを示すユーモラスな写真で、日本人2人の宇宙での貴重な記念写真にもなった。
宇宙基地から離れたシャトル 山崎直子さんらが乗るスペースシャトル「ディスカバリー」が17日に国際宇宙ステーションを離れた際、山崎直子さんらが乗るスペースシャトル「ディスカバリー」が17日に国際宇宙ステーションを離れた際に撮影された写真。操縦室上部の窓に乗員が手を振る姿が見える。地球の輪郭をバックに撮影された写真(野口聡一さんのツイッターから)。日本時間19日夜、帰還する予定。
山崎さんらのシャトル帰還、天候不良で20日に 山崎直子飛行士(39)らが乗るスペースシャトル「ディスカバリー」は、19日午前8時48分(日本時間午後9時48分)にケネディ宇宙センターへ着陸の予定だったが、現地の天候不良のため、米航空宇宙局(NASA)が延期を決めた。 地球を予定より1周多く回って天候の回復を待ち、同10時23分(同11時23分)の着陸を目指していたが、現地の天候不良のため、米航空宇宙局(NASA)は翌20日に延期した。 20日の同センターへの着陸予定は、午前7時33分(日本時間午後8時33分)。引き続き曇りと予報されており、晴天が見込めるカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地へ降りる可能性もある。
山崎さん帰還、日本人最後のシャトル搭乗 山崎直子飛行士(39)ら7人を乗せた米スペースシャトル「ディスカバリー」が、20日午前9時8分(日本時間午後10時8分)、ケネディ宇宙センターに着陸した。 山崎さんは約2時間後、滑走路に元気な姿を見せ、「任務を達成して美しい地球に戻り、うれしい」と話した。 シャトルは年内に退役の予定で、1992年の毛利衛さん(62)で始まった日本人の搭乗は、12回目の今回が最後となる。 ディスカバリーの任務は、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給。山崎さんは、ロボットアームを操作して機体の点検や貨物コンテナの移動を行ったほか、実験装置や生活物資をコンテナからISSへ搬入する作業の責任者を務めた。 ISSでは、野口聡一さん(45)と合流し、日本人が初めて宇宙に2人、同時に滞在した。また、女性飛行士が4人、同時に滞在する初の機会ともなった。ディスカバリーは、アンテナの故障や着陸地の天候不良で、飛行を当初の13日間から2日延長した。