健康に見えた1歳以下の乳幼児が、何の予兆もなく死亡する乳幼児突然死症候群(SIDS)。子どもを仰向けに寝かせることが予防策とされているが、単に扇風機を回したり、窓を開けたりするだけで、その危険性をさらに減らせるという調査結果が6日、発表された。
調査を行ったのは、カリフォルニア州オークランドの医療サービス団体、カイザー・パーマネンテのキンバリー・コールマン・フォックス医師らで、SIDSで子どもを亡くした母親を含む、約500人に面談を行った。 それによると、扇風機のある部屋で寝かせた子どもは、扇風機がない場合に比べて、SIDSになるリスクが72%低く、窓を開けた場合は32%低かったという。 調査では仮説として、風を通すことで乳幼児の鼻や口に二酸化炭素がとどまらず、吐く息を吸い込む可能性が減るからではないかとしている。
リスク因子と予防 アメリカ小児科学会は1992年に、SIDSの発生率は、乳児を仰向けに寝かせることで有意に減少させられるという声明を発表した。日本小児科学会でも、健康な乳児は仰向けに寝かせることを推奨している。 「うつぶせ寝にさせない」の他、日本小児科学会が推奨する予防法は以下の通りであり、これらの積極的な実行によって死亡率が有意に減少することが明らかになっている。 ■乳児の近くで喫煙しない、妊娠中に喫煙しない。 ■できるだけ母乳で育てる。 ■乳児に過度に服を着せたり、暖めすぎたりしない。 厚生労働省も同様のキャンペーンを行い、両親へのSIDSの知識の啓蒙に努めている。しかし、これらの予防策によって確実にSIDSを予防できるものではない。 なお、カリフォルニア州オークランドの医師らの調査で、扇風機が予防に効果的との結果が出た。 その他で、SIDSのリスクを高めるとされている因子としては、マリファナ・麻薬・低体重出生などが指摘されている。
■Wikipedia ‐ 乳幼児突然死症候群