トロロッソ 琢磨とブエミをテスト
スクーデリア・トロロッソは、今月末に佐藤琢磨とセバスチャン・ブエミをテストすることになった。トロロッソではセバスチャン・ヴェッテルが今シーズン限りで離脱することが決まっているため、チームは代わりのドライバーを探しているところだ。
「僕の(08年)シーズンがスペインGPで途切れてしまいましたが、F1マシンのコクピットに戻るチャンスをいただき、非常に光栄です。シーズンを通じてこれほど確固たる進歩を見せたチームと一緒に作業ができることはとても興味深い経験になるでしょう」と、琢磨は喜びを語っている。
ブエミは9月17日に行われるヘレステストに参加し、琢磨はその後を引き継ぐことになっている。チーム代表のフランツ・トストは、今回のドライバー起用について次のように語った。「来シーズンよりレッドブルに加入するヴェッテルの代わりに最適なドライバーを選ぶ時がきた。シーズン最後のヘレステストでは佐藤とブエミを同時にテストするチャンスであり、二人は2009年のシートの候補だ。ブエミももちろん候補だよ。彼がすでにレッドブルファミリーの一員であることだけでなく、GP2で優れたパフォーマンスを見せていることもその理由だ。佐藤についてはF1でその価値を証明しており、レッドブルのスピリットにもマッチするだろう。彼のF1での経験はチームにとって貴重なものになるのは間違いない」
また、チャンスを与えられた琢磨は次のようにコメントしている。「スペインGPで僕のシーズンがカットされてしまった後で、再びF1マシンに戻れるチャンスが得られて嬉しいよ。ここ数年でこれほど成長してきたチームと一緒に仕事ができるなんて本当に楽しみだね」
琢磨F1復帰へトロロッソのテスト手応えあり!
F1の元スーパーアグリ佐藤琢磨(31)が、目標のシート奪回へ「即戦力」であることをアピールした。18日にスペイン・ヘレスで行われた合同テストに、トロロッソの一員として参加。49周を走り、1分19秒574で8台中6位のタイムをマークした。雨のため午後のテストは中止になったものの、チームからは「彼の働きに満足している。経験が十分に生かされたテストだった」とお墨付きをもらった。
F1マシンに乗るのは、4月のスペインGP以来。同チームの来季シート争いの意味合いも含んだテストで、佐藤はブランクをうかがわせなかった。「どんなときに復帰のチャンスが来ても対応できるよう、体力トレーニングを続けてきた。でも最高のトレーニングは、やはり実際にマシンに乗ること」。4カ月半ぶりのドライビングにも手応えを感じ、復帰への思いを新たにしていた。
佐藤は所属していたスーパーアグリ・ホンダが5月にF1シリーズから撤退し、現在は無所属。トロロッソは正ドライバーのセバスティアン・ベッテル(ドイツ)の移籍が決まっており、来季のドライバーは未定。
スーパーアグリ琢磨に「瞬発力」求める
トロロッソのゲルハルト・ベルガー共同オーナー(49)が5日、獲得に興味を示している前スーパーアグリの佐藤琢磨(31)に「瞬発力」を求めた。来季のドライバー候補として招待する18日のヘレス・テストについて言及。「彼には速いタイムを求める。速ければ文句はない」と、ほかの候補とは純粋に実力で見極める方針だ。今季途中での加入の可能性は「現時点では考えていない」と話した。
ホンダF1撤退余波…琢磨のライバルにバトン、ブルーノ・セナ、バリチェロも・・・
ホンダの撤退で揺れるF1世界選手権は9日、スペイン・ヘレスで今オフ2度目の合同テストを開始。F1復帰を目指す佐藤琢磨(31)はトロロッソで3度目の入団テストを受ける。事実上の最終選考で入団が濃厚視された琢磨だが、ホンダで来季のドライバーとなる予定だった選手がトロロッソの候補者として急浮上。選考が長期化する可能性も出てきた。
世界を驚かせたホンダの撤退。琢磨のF1復帰にも思わぬ“急ブレーキ”がかかってしまった。
琢磨以外には、入団がほぼ内定しているブエミ(今季は親チーム、レッドブルのテストドライバー)とブールデ(今季トロロッソ正ドライバー)が参加予定の入団テスト。10、11日に出走予定の琢磨は11月のテストで一番時計を出すなど、“当確”とみられていた。
だが、ホンダのブラウン代表は「バトンが他チーム行きを望むなら、契約を解除しても構わない」と明言。ホンダがチーム売却に失敗しても、来季契約を持つバトンが、現状で唯一、空席のあるトロロッソで現役続行できる道を残した。
さらに、ホンダの入団テストを受けていたブルーノ・セナ(故アイルトン氏のおいで、GP2年間2位)も「トロロッソは選択肢の1つ」と方向転換。トロロッソと交渉した事実を認めたホンダのバリケロを含め、候補者は6人に膨れあがる。
一寸先は闇。テスト後に発表予定だったトロロッソの来季体制は一転、先が読めなくなった。ホンダの撤退が、琢磨のレース人生をも大きく左右する可能性が出てきた。
バトンにとって2009年の最良の選択肢は、チーム名を改めることになるHONDAに残るか、レッドブルの姉妹チームであるトロ・ロッソに移籍するかだといわれている。
トロ・ロッソの関係者は『The News of the World(ニュース・オブ・ザ・ワールド)』紙に対し、もしバトンに移籍への興味があるなら「オーディションの必要はないだろう」と話していたが、公的なチームからのメッセージは違っていた。
しかし、『AFP通信』が伝えたレッドブルの声明によると、HONDAの撤退は「トロ・ロッソのドライバー選択に何の影響も及ぼさないだろう」とのことだ。