タカラバイオがAIDS遺伝子治療の最新データ発表を予定している。患者の体内からAIDSウイルスを駆逐できる可能性がある画期的なAIDS遺伝子治療の最新データを「バイオジャパン2008」で発表する。 理論的には、同遺伝子治療に対するAIDSウイルスの耐性はなく、AIDSを根本治療できる可能性がある。この発表は、17日午後1時半から行われる「HIVの根絶を目指す、リボ核酸分解酵素を用いたエイズ遺伝子治療法」にて行われる。
エイズ感染拡大は20世紀初め!? 世界的に流行しているエイズウイルスの主流、HIV1型の主系統(M群)がヒトの間で広まったのは、従来考えられていた1930年代より早く、1908年ごろにアフリカ中部のベルギー領コンゴ(現コンゴ民主共和国)の首都レオポルドビル(現キンシャサ)で起きた可能性が高いことが分かった。米アリゾナ大などの国際研究チームが2日付の英科学誌ネイチャーに発表した。 HIV1型の起源は、アフリカ中西部に生息するチンパンジーのサル免疫不全ウイルス(SIV)であり、ヒトが捕獲して食べたために感染したと考えられている。レオポルドビルは当時、植民地交易の中心地で都市化が進み始めており、人口が集中し、濃厚接触が増えたことで、HIV1型が確立して感染が拡大したとみられるという。 HIV1型が確認された最古の試料は、59年にレオポルドビルの男性から採取された血液。国際研究チームは、60年に採取された女性のリンパ節試料に含まれるHIV1型M群の遺伝情報を解析し、59年のウイルスとの違いを比べ、変異にかかる時間から共通の祖先が1908年ごろに存在したと結論付けた。