「FulCard」は、Trekの開発した製品で、これを東芝が国内で販売されることになったようです。Eye-Fiは確かに便利で私も使っていますが、SDカードとしては自動転送機能が働くと書き込みが遅くて、デジカメ撮影を一瞬待たなければ次の撮影できない不満がありました。東芝の「FulCard」では、Eye-Fiと同じ無線LANのRAWを含む撮影データのアップロードやアドホック通信でのやりとりなどを可能とする機能があり、これがやっと国内でも販売されます。
東芝とシンガポールの半導体メーカーTREK 2000 Internationalは6月29日、無線LAN機能内蔵SDメモリーカード「FluCard」を2010年第4四半期より日本国内にて販売開始すると発表した。また、東芝が中心となって本規格の普及促進を図る団体「無線LAN内蔵フラッシュメモリカード共同規格策定フォーラム」(仮称)を組織し、賛同企業を募る。 「無線LANを搭載したデジタルカメラは既に登場しているが、各国の無線認証を得るために苦労すると聞いている。カードが対応すればそうした手間を省くことができる。カメラメーカーのみならず、ネットワーク機器やプリント関連機器メーカーなど、多くの企業へ賛同頂きたいと願っている」とコメントしています。 FluCardはIEEE802.11b/gに対応しており、撮影したJPEGあるいはRAW形式のファイルをアクセスポイント経由でサーバ、もしくはFluCardをセットした他のデジタルカメラなど対応機器へアドホック通信で送信できる。動画については順次ファームウェアアップデートなどで対応していく予定で、2011年販売予定の次世代製品ではIEEE 802.11nにも対応する見込みだ。 7月にはTREK 2000 Internationalの地元であるシンガポールで販売開始され、8Gバイト版は100シンガポールドル(約6500円)を切る価格(同社)となる見込みだ。国内での販売価格は未定だが、東芝の販売網にて販売されることが決まっているため、大手量販店店頭などにも並ぶことになる。 同種の製品としては「Eye-Fi」が既に存在しており、Eye-Fiは無線LANを利用しての自動アップロードに主眼をおいているが、 FulCardは「対応機器同士での画像交換など、より能動的な無線LAN利用を指向する」(トレック2000インターナショナル 菅原良一氏)と製品の提供する利便性の位置づけや方向性は異なる。 そのためFluCardはカード側にメニューが組み込まれており、基本的にSDメモリーカード対応機器ならばファームウェアアップデートなどの必要なしに機器側での操作が行えるほか、データ転送中の写真撮影も可能だ。また、httpサーバ機能も備えており、外部からネットワーク接続してカードの設定やカード内に保存されている画像の閲覧が行える。 初期設定でのアップロード先になっているクラウドサービス「http://www.flu-card.com/」では利用者には2Gバイトの容量が提供され、画像のアップデートなどを行える。アップロード先は変更も可能だ。ただし、日本国内での販売時にこのクラウドサービスが提供されるかは未定で、他社との協業とも視野に入れて検討を行っている段階だという。